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2016年5月23日

虫歯はなぜ自力で治せないのか?

 病は気から。一般的にケガや風邪、ちょっとした感染症、体調不良などは自力で治すことができますが、虫歯は自力で治すことができません。

 「虫歯は感染症である。」ということはほぼ100%の歯科医師が認めるところですが、ではなぜこの感染症である虫歯が、ほかの感染症と異なり、自力で治らないのでしょうか?
 
 実はほとんどの感染症は体の中で「抗体」と言われるものができて、それがターゲットととなる病原菌を「標識」してくれることにより、攻撃対象として体の中で処理されます。ここが大切なところで、抗体が病原菌をやっつけてくれる訳ではないのです。単に敵に対して目印を付けてくれるだけなのです。実際にやっつける部隊は、白血球である、リンパ球と言われるものです。

 そこで話を戻して、虫歯に対する「抗体」はできないのでしょうか?と言われたら、できてると思います。皆さんの口腔内に一定量常に存在していると思います(ラットの歯の中には抗体が存在していることが確認されていますが、何かに感染している証拠です。歯の内部は決して無菌状態ではありません)。ではなぜそれが劇的に効果を発揮しないのかと言われると・・・。その答えはこの文章中にすで書いてありますので考えてみてください。

 当医院の患者さんには、初診からこんな基礎的なお話をたくさんさせていただいております。歯が悪くならないためには、患者さん自身が、敵を正確に理解していただくことが大切なのです。

 こういったお話が理解できれば、同様の理由で、虫歯のワクチン、歯周病のワクチンができても、おそらく効かないよ。ということは、容易に分かるかと思います。

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2016年5月 7日

ダイエット 入れ歯

日々入れ歯を作っている中、特に総入れ歯を作っている時に思うことがあります。

総入れ歯は28本の歯の土台となる床(しょう)と言われる部分が必要なので、この土台の部分が患者さんにとっては、どうしても異物感でいやになる人がいるだろうなと思っています。

それまで口の中にこのような分厚いプラスティックなんて入ってなかったわけですから、患者さんにとっては、毎日の生活の中でしゃべったり、食べたりするうえで邪魔な部分となってきます。

舌(ベロ)が常にあたる位置にありますし、食べ物を食べても上のあごの天井部分はプラスティックでおおわれているので、味覚という点でかなり、おいしさも半減するかと思われます。

そのとき、ふっと思ったのは、逆にこの異物感を利用して、ダイエット器具として使えないものか?というものです。

医療ではなくなってしまうかもしれませんが、食べ過ぎを抑えられない人やダイエットを強くのぞむ人にとって、食べにくくすることというのは、それなりにメリットにならないか?と思いました。

一度、試しにやってみても悪くない方法じゃないかと。

うちの医院は、ます歯を抜かないで入れ歯を入れるのですが、その際に「入れ歯のようであって入れ歯ではないプレート」を一度体験してもらいます。

これは、単に歯の型をとって、その型をもとに、歯の部分がついていない入れ歯を作ります。
つまり上あご・下あごの内側にだけぴったり合った入れ歯のようなプレートになります。

初めての人は、これだけでも以前よりかなり異物感はあるでしょう。
食べにくいでしょうし、発音もしにくくなると思います。

固定式ではないので、いつでも取り外しできます。(取り外しできないようにもできますが、清掃性という意味で良くないので、普通はしません。)

ダイエットしたい人にとっては、もしかしたら食べ物がおいしく感じにくくなり、食べ物をかむ行為も少し難しくなるので時間がかかるようになり、全体的な食事量が減少していくのではないか?
とあくまで希望的な観測ですが、危険な方法ではないので、可能性の一部としてありかなと思います。

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2016年5月 6日

危険な入れ歯③

保険診療で作られた入れ歯が怖くて入れられないという患者さんがいらっしゃいました。

入れ歯を見せていただき、院長に歯の型をとっていただきますと、
やはり金属のバネがこれでもか!というくらい入れ歯についていて、しかも入れ歯の維持のために、健康なきれいな歯を何か所にもわたって削られていました。

患者さんは思わず涙を流されました。
どうやら、本当に深く理解したうえで、歯を削ってもらったわけではないようです。
くわしい説明もなく、深く納得することもなく、いつのまにか歯は削られていたような印象を受けました。

保険診療の入れ歯では、維持のため歯を削るのは、当たり前になってしまっています。
これは危険なことだ言えます。

何の問題もない健康な歯を削れば、当然リスクがあります。
こちらに来られた患者さんは歯がしみると言ってました。深く削れば、そりゃあ、しみると思います。また、削った部分は角張っていてハミガキしにくいですので、虫歯になりやすいとも考えられます。

どうしてこのようなことが常識になっているのか、日本の保険診療はこれでいいのか、疑問です。

当医院の院長は、13年くらいご一緒していますが、一度も入れ歯の維持のために、健康な歯を削ったことはないです。
歯を削らないでも作れる入れ歯があるからですが、不必要に健康な部分を削らないこと、抜きたくない歯は抜かないこと、普通の歯の治療でも、できるだけ天然の歯の部分を残そうとされています。

天然の歯は一度削ったら、もう二度と元には戻りません。
6歳から生え始めてこれまで毎日毎日使ってきた自分の健康な歯を、簡単に削るようなことは、非常にもったいないことですし、うちの院長は決してしません。
その分、治療に時間がかかる場合もありますが、それでも今後の長い人生を考えたら、少しくらい時間と労力がかかっても、安全で安心な治療をするほうが一番いいですし、入れ歯もできるだけ危険な要素の少ない入れ歯が最終的に患者さんにとってよりよい入れ歯になると、思います。

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入れ歯を入れても顎の骨(歯ぐき)は痩せません

「入れ歯を入れると顎の骨が痩せる(痩せてくる)。」という情報がまことしやかに巷でさささやかれており、それを否定する情報が出てこない、という患者さんからの訴えを受けて、急きょその命題を真っ向から否定するお話をしたいと思います。

 そもそもですが、現在入れ歯を入れている人を、入れる前から追跡調査することについてはいささか疑問なところがあります。というのはその追跡調査する歯科医院に定期的にかかっていながら、入れ歯になる前に治療できなかったのか?あるいは入れ歯になって全く歯周病を食い止められなかったのか?など、とにかくそこの歯科医院の腕はいかがだったのか大いに問題があります。
 誤解を恐れずに言えば、「もし入れ歯を入れて、本当に顎の骨が痩せるようなデータが出てくるようならば、その歯医者さん自身の腕が悪かったのではないか?」という結論すら導かれます。歯医者でありながら、なんら手を打てなかった訳ですので、そういう結論も考慮に入れるべきではないでしょうか。
 つまりこんな研究は結果ありきの研究と言えます(初めから結論を決めてそれに都合のいいデータしか採用しない研究のこと)。


 少なくとも、うちではそのような事実はないです。ないというからにはそれを証明しないといけないわけですが、それを証明するのは全体を撮影したレントゲン写真(パノラマ)と顎の模型の比較です。それらを現在と10年前(あるいは10年後でもOK)とを比較して患者さん自身がほとんど見分けがつかなければ痩せてないのです。
 驚くことに当医院では10年前の模型で入れ歯を作ってもおおむねフィットします。これは、うちでも特別に歯茎が痩せてるかどうか心配という人にやってみたことですが、これでようやく納得いただいた経緯がありますので、その証明方法として参考にしていただけたらと思います。

 もちろん、厳密には歯がすべて残っている人でも骨の退縮は避けられないのですが、肉眼レベルでほとんど変化がないことを証明すれば、十分だと思います。

 
 もう一つの疑問で、追跡調査において骨が痩せたという際のすべてのデータにおいて、全体のレントゲン写真(パノラマ)がないということです。歯ぐきが退縮したのか、本当に骨が痩せたのかは見た目では判断できないので、レントゲン写真は必須です。証明には、見た目に痩せたなどという、主観を排除しなければならないため、経年で追わないと何とも判断ができません。場合によっては入れ歯ではなく、全身疾患、合わない入れ歯を入れていた、実は歯ぐきが締まってきた、ぶよぶよの歯茎を除去する手術をしたなど、原因はいくらでも無限に考えられ、単純に入れ歯を入れていたから、歯ぐきが痩せたなどという結論は相当に乱暴です。
 
 これも誤解を恐れずに言えば、私は大学を出て基礎系の研究職についていたため、一般の臨床系の歯医者さんより、物事対してに疑問の余地を極力排除して、事象を証明することには長けています。「入れ歯を入れないと認知症になる(可能性がある)。」という命題も大嫌いです。じゃあ入れ歯を入れない人のほとんどは認知症になるのかと言われたら、「そうではない」はずです。例外はいくらでも探して連れてこれます。つまり、入れ歯を入れないことが、認知症になるのではなく、入れなくても平気な人はそのほかにもずぼらな面があるということで、例えばお風呂の回数、最近の新曲をいくつ知っているか?髪を切ったりするような、おしゃれに使う費用、人に会う時の身だしなみにかける時間、流行を気にするかなど、こういったことでも認知症の発症に差が出てくると思います。
 要は入れ歯を入れないで平気な人のメンタルの問題だと私は考えています。証明方法は今述べた、身だしなみなどの面でもデータを取れば、それが色濃く裏付けができると思います。
 入れ歯を入れないでいると、食べ物がよく噛めないので脳の発育に問題が・・・などとしょうもないことを言っている方は、優秀な研究職の人が、いかに早食いが多いか確かめてみるといいでしょう(昼食時間ほとんど取れないですから)。噛む噛めないより、考えないこと、いやなことから逃げることが大いに脳の発育に問題があります。
 夜更かしをする子は成績が悪いなどというデータもありますが、灘、開成などの生徒でも統計を取ってみるといいでしょう。そんな夜更かしをしないような、しょうもないことで成績は上がらないことがわかるでしょう。

 つまり、思い込み、主観、結果ありきで説明されていることはネットで大いに見かけますので、何を信じるかは自由ではありますが、皆さんにはその真の狙いを見抜く目をもっていただきたいです。

 「入れ歯を入れると顎の骨が痩せる(痩せてくる)。」と宣伝して得するのは誰でしょう?ということです。そしてそう唱えている人が、入れ歯の代わりに何が良いと言っているのかです。そういう目で見ると・・・真実が見えるかもしれません。なにせ真実を追求するわけではなく、結果ありきのデータですからね。


 
 
 

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プライベート歯科横濱
院長 脇田一慶

院長 脇田一慶

医院サイト:
https://www.ireba-yokohama.com/

入れ歯治療は、歯科治療の多様な診療技術が盛り込まれた、いわば歯科治療の真髄ともいうべき分野です。私は、研究者として入れ歯や歯科治療について知り尽くしていると自負し、将来を見据えた価値のある入れ歯治療に取り組み、現在も日々研鑽し学び続け、常に最善の治療をご提供できるように努力しています。

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