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2017年8月17日

前歯でも奥歯でも、ブリッジや差し歯で重要なのは、仮歯。

技工士の関戸です。

ブリッジや差し歯の治療はほとんど歯科医師まかせというのが一般的だと思いますが、当医院は自由診療専門ですので、治療だけではなく、前歯でも奥歯でもブリッジや差し歯の形にとてもこだわっています。


簡単にいいますと、患者さんに合わせて見た目のいい歯に最終的に完成したいので、仮歯の段階で、審美性や機能性に気を使って、形には特にこだわりをもっています。
うちの医院は女性患者さんが多いので、かっこよさというよりも、患者さんの希望に合わせて、愛らしさ・キレイさ・シャープな感じなどを出すようにしています。


私は本来は入れ歯専門の技工士なのですが、仮歯はずっと製作してきていまして、ここしばらくは、患者さんから「歯の形がいいからうれしい」とか、「この仮歯の形のまま、最終物も作ってほしい」と言われることが多くなりました。本当にありがたいお言葉です。
ただただ、目の前の患者さんが素敵になって帰られて、この医院に来てよかったと思ってもらえることだけ考えて仕事していますので、そのような声をいただけるということは、この上ない喜びであります。


差し歯作り専門のプロ中のプロから言わせれば、私の歯は決して理想的な形ではないかもしれません。ですが、これまで何度も経験してきた中で、差し歯専門の一流の技工士が作る歯が、必ずしも実際の患者さんの口元に合ったものではないということは実感しています。

一流の職人が患者さんの口元を見ずに作っても、なんとなく違和感のある形の歯になってしまっているのです。当院に初めて来院される患者さんの多くがそのような状態です。自由診療で高額な料金を支払ったにもかかわらず、何となく顔だちに合っていない歯になってしまっていることが多いです。

患者さんの口元は、一人一人違いますし、左右で唇の上がり方も違います。その差を直接目で見て、患者さんの希望を聞いて、すべてを反映しながら作ってこそ、何とも言えない形の歯になります。直接患者さんを見ないで作れば、一流の職人であれ、どうしても口元にピッタリ合った歯にはなりにくいと言えます。


多くの皆さんが、「仮歯」というものは大したものではないと思っているはずです。
ですが、この仮歯を何度も調整して、長期間見ていきながら、最終的に口元に合わせた形になった時には、本当にしっくりくる形の歯になります。

当医院では、実際に仮歯として長い間使っていただきますので、患者ご自身が自分の歯に対していろいろなことを感じることもできます。患者さんそれぞれで歯に対する考え方も違うと思いますので、その気持ちに合わせながら、より最適な歯にできたら一番いいかと思います。ぜひご協力ください。


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2017年8月15日

ラバーダム要らない説

 残暑お見舞い申し上げます。

 さて、患者さんを含め、歯科医師の中でも、ラバーダムの必要性を訴えられている方が結構いらっしゃいます。ラバーダムを使うことに文句はないのですが、信念を持って使わない私のような歯科医師もいるので、使わないことに文句を言うのはお門違いということも皆さんに知っておいていただきたいところです。

 まずラバーダムの必要性について、端的に言えば、患者さんにとっては「根管治療における感染防止になり、結果治療の予後が良い」と信じたいところでしょうが、こんなものは全く(ほとんど)関係ないです。
 むしろこんな風に考えている方はおそらく「HIV(エイズウイルス)が1匹でも体内に入ると、人はエイズに感染する」と信じているはずです。
 これは科学が分かっている人にとってはこの程度で感染しないのはわかっているのですが、的確に科学を知らない人は、1匹でも、もう怖くて怖くて・・・のはずです。恐怖心で思考停止です。
 
 それはさておき、根管治療の成功、失敗を決めるのは要素があり過ぎてラバーダムだけでは決定打にならないということなのです。すでに根管内に菌はいるわけですから、入らないように工夫することは悪くないですが、それよりもきちんと根管内が消毒できるかどうかがポイントなのです。
 
 簡単に言えば、根管治療に成功するためには1000の要素があり、すべてそろえば100%成功、300そろえば95%成功するという感じのものでしょうか。100以下になると50%の成功率になるという何ともアバウトな治療なのです。
 ラバーダムはその10くらいの要素にはなるでしょう。しかしラバーダムをすることによってそれを打ち消すようなデメリットも生じます。
 例えば、すべての歯に適応できない。うがいできない。患者さんの表情が見えない。緊急事態に対応しにくい。歯に締め付けられる不快感がある。毎回の本治療に取り掛かる前に時間がかかる。そして最も大切なこと「予後に差が出るという報告がない」ということです。(逆に私としては予後に差は出ないと結論付けてます)
 下手な人が治療すれば、場合によっては予後が悪くなるかもしれないくらいです。
 これが先ほど述べた1/100程度の要素でしかないということです。これにコストをいくらかけるのか、患者さんもよくよく考えてください。1回あたり1000円以上かけるなら私が患者なら遠慮します(もしろ毎回きちんとするならこのくらいが最低のコストです)。
 ラバーダムを使っている先生で、根管治療のやり直しがこれまでない、私の治療は100%という先生がいるならそれは価値がありますが、そんな先生はそれ以外の工夫があるのです。ですのでラバーダムがなくてもきっと100%でしょう。

 ちなみに私は使ってない派ですが、治療終了後大丈夫ですと宣言したものについては、成功率は100%です(10年以上経過)。丁寧に根管内を消毒できる方が、余程成功の要素としては大きいのです。

 根管治療の予測は天気予報くらい難しいです。私でも簡単な症例と思っていたのに、案外手こずるとか、難症例と思っていたのに案外簡単に治ってしまったとか、今年の猛暑予測くらい当たらないです。ですので、簡単な症例そうに見えるものでも、必ず、治らない可能性のリスクを患者さんに説明しておきます。
 
 おそらく病気と言われる現象は科学の法則通りなのですが、病気はその単純な科学の法則の複雑な組み合わせで出来ています。本当に一つ一つは簡単なのですが、3つ以上組み合わさると素人には判断ができなくなります。将棋もそうですよね。一つ一つの駒の動きは単純ですが、複数になると途端に普通の人はついていけなくなります。
 
 ですので、皆さんも根管治療に必要なのはラバーダムだけではないことを知っておかれた方がいいと思います。またあまりラバーダムにこだわらないでください。よろしくお願いします。
  

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プライベート歯科横濱
院長 脇田一慶

院長 脇田一慶

医院サイト:
https://www.ireba-yokohama.com/

入れ歯治療は、歯科治療の多様な診療技術が盛り込まれた、いわば歯科治療の真髄ともいうべき分野です。私は、研究者として入れ歯や歯科治療について知り尽くしていると自負し、将来を見据えた価値のある入れ歯治療に取り組み、現在も日々研鑽し学び続け、常に最善の治療をご提供できるように努力しています。

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