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入れ歯をつけなくてはならなくなった時の不安やショックは、それはもう図り知れないものがあるかと思います。不慮の事故で若くして歯を失ってしまった人。治療に行って抜歯、入れ歯を宣告された人。もう何年も前から覚悟はしていたけれど、いよいよその日が来てしまった人。事情や状況はさまざまでしょうが、なんらかの処置をしなくてはならないと理解出来た時、インプラントにはしたくないけれど、だからと言って、積極的に入れ歯にすることもちょっと考えてしまうのではないでしょうか。そうして、何日も悩む人が多いのではないかと思います。
そのような時、まずできるだけ情報がほしいと思うのではないでしょうか?そして、歯を削ったり、骨に穴を開けたりせず、できることなら、はじめは入れ歯で済ませたいと考えるのではないでしょうか。それから入れ歯の本を読んだり、身近な人から話を聞いたり、インターネットで調べたり、出来るだけの情報を集めるでしょう。しかしこの情報もどこまで正しいのか?自分もこの症例に当てはまるのか?もっとほかの人の意見が聞けないものなのか。など、とにかく不安は治まらないでしょう。そして、考えてもどうしょうもない状態になって、いよいよ歯医者さんに行く覚悟を決めるでしょう。
ここで難問は、歯医者さんをどこにするかということです。覚悟は決まったものの、本当に自分が期待しているように治療してくれるのかどうか。話が出来るのかどうか。行っていきなり治療が始まり取り返しが付かないことにならないのか。院長を訪ねて行って違う先生に当たっただけでも、不安になります。とにかく考えると次から次に不安が湧いてきます。
結局のところこれらは、歯医者さんに話だけでも聞くことができれば済むことなのですが、しかしそんな辞書代わりに使える歯医者さんなんてほとんどいないのが現状です。私はそんな患者さんのために、初診2時間の診断、相談という十分な話し合いの時間を取っています。治療計画が決まるまで、基本的にはレントゲン撮影以外、型採りもしません。そして私は、ほとんどの患者さんに、もう一度よく考えてみてください、と言って初診を終えます。(ちなみに3ヶ月間は、再相談は無料にしています)
私は良い事ばかりは言いません。私の医療スタイルは、患者さんが100人いれば、100人中99人がうまく行く方法ではなく、100人いれば100人がうまく行く方法を勧めることです。しかし仮に患者さんが私のすすめる方法以外に、100中1人しかうまく行かない方法を望まれたならば、それはそれで出来るだけ正確にその方法を説明するでしょう。つまり、私から得た情報を基に、治療計画は患者さん自身に選んでいただきたいのです。治療とはプラス要素とマイナス要素を天秤にかけて、よりプラス要素が多いものを選ぶべきなのです。それは患者さんの価値観によって異なり、私が押し付けるものではありません。もちろん私がおすすめする治療はありますが、決してそうしてくださいと言うものではありません。 |