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入れ歯とかみ合わせ

 最近の患者さんの中には「私は入れ歯のかみ合わせが悪いから肩がこる」とか「入れ歯のかみ合わせが合ってないから顎に痛みがある」という理由で来院される方もいます。しかし現実には、歯が無くても肩こりなど無い人もいますし、かみ合わせが合っていなくても顎に痛みが出ない人もいるのではないでしょうか。

 この違いはどう解釈するのが良いのでしょうか?

 まず患者さんに知っていただきたいことは、「良いかみ合わせ」の定義というものが世界中どこにも存在しないということです。かみ合わせの良し悪しは確かに私もあると思います。かみ合わせの悪いところを挙げろと言われたら、それこそ、どの人にも問題だと思われる箇所はあります。しかし良いかみ合わせを教えてくださいと言われたら、これはとても難しいと思います。

 私は「解剖学的な平均値」=「良いかみ合わせ」、「きれいな歯並び」=「良いかみ合わせ」では必ずしも無いと思っています。もちろん治療のスタートはそこからでもいいと思いますが、その人、個人個人の値は決して平均値ではない可能性があるのではないでしょうか。

 私がかみ合わせを考える上で本当に必要なデータは、頭蓋骨(下の顎を含めた)の形、歯の形状、筋肉の付き方、筋力、動き方、知覚神経と運動神経の感じ方(噛んだ情報が脳でどういう具合に感じているのか)、顎の関節の構造、唾液の分泌、自律神経の状態、首周りの骨、筋肉の状態、筋力、粘膜の状態、痛みに対する感受性など挙げたら切りがありません。どれ一つとっても計測が困難で、これらのデータを総合的に解析することは、とても人の脳でできることではないと思っています。ではコンピューターではどうでしょうか?これを解析するソフトを、人間が作る以上、今のところ無理なのではないかと思います。

 つまりかみ合わせと全身にあらわれる症状との因果関係を裏付けることはとても難しいということです。もちろん入れ歯や差し歯のかみ合わせを治して症状が改善したり、大きな歯の治療をした後、不具合が出てきたということは当然数多くありますが、本当にかみ合わせが原因であったのかは慎重に分析する必要があると思います。



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