2015年8月31日

入れ歯作りの職人。入れ歯専門歯科技工士がお役に立つ話をお教えします

入れ歯専門の技工士の視点

入れ歯はいろいろな人に向く、便利で重宝な治療法
「自分は入れ歯には向いていない」と言われる方でも、お口の中を見ると、実はとても入れ歯が安定しやすいあごのカタチや、歯の形や並び方が入れ歯に向いているケースも多いものです。イメージだけで判断しないでください。実際に試してみると、思ったより大変ではなかったと思われるかもしれません。

しかも、入れ歯は残っている歯に影響がない範囲で、白くしたり歯並びをきれいにしたり、患者さん好みに変えられます。ご自身の歯の形や色に合わせた人工の歯を使うので、お口になじんで入れ歯とはわからないほどキレイに仕上がります、ご自身の歯が何本か残っている場合の部分入れ歯も、シェードテイキングという手法で歯の色を合わせることもでき、どれが入れ歯かわからなくなるほどなじませることができます。

良い入れ歯は、顔立ちまで若々しく変えてくれます

入れ歯専門の技工士の視点入れ歯で前歯の歯並びをきれいにすると、当然口元の見た目がよくなります。さらにへこんでいた鼻の下や唇のまわりにふくらみを持たせることができるので、ハリのある口元に変化し、顔立ちも全体的に見違えるようになります。

また、歯周病で歯がグラグラしているために、力を入れてかまない方は頬や口元の肉が落ちて、たるんでいたり、口元のふくらみがなかったりします。こういう場合は、入れ歯の歯ぐき部分に厚みを持たせると、口元のふくらみを取り戻すことができます。またしっかりかめる入れ歯を入れると、かむことによって筋肉を使うようになり、次第に口元だけでなく顔立ち全体も若々しく変化していきます。

またかみ合わせの高さが低くなってしまい、口元がクシャッと崩れている方の場合、入れ歯の歯の高さを少し上げると、顔も面長になり前歯も見えて、見た目が若々しくなります。お口にぴったり合った入れ歯は歯並びの美しさだけでなく、口元から頬、そして顔全体の印象を変えるくらい不思議なものなのです。美容整形をするわけではありませんが、当院に来られる患者さんのほとんどは、見た目の印象まで若々しく魅力的にお変わりになります。

天然の歯より、きれいな歯並びになれる入れ歯

当院では、入れ歯の歯を並べる時、まず歯科技工士が並べ、さらに患者さんのご希望に合わせてアレンジを加えて、より美しくイメージに合った歯に変化させていきます、「いちばん前の2本の歯をきれいにしたい」という方が多いので、その方が最も美しく見える前歯のラインを一緒に探し、唇とのバランスなども配慮し、患者さんが納得されるまで何度でも歯を並べ直して、きれいな歯並びに仕上げていきます。

また歯並びを決める診療日に、昔の若い頃の写真や、タレントなどの写真を持ってきてくださると、イメージがつかみやすくとても並べやすくなります。そこまで歯に関心がないという方や、どういう歯並びがいいかわからないという方は、ご家族に相談されるのも良い方法だと思います。いずれにしても、入れ歯をいれられる前と同じように、あるいは、それ以上に、その方が魅力的になられるように、顔立ちにあったよい歯並びをお作りしますのでご安心ください。

入れ歯は何よりのアンチエイジングになることもある

入れ歯専門の技工士の視点入れ歯で歯並びが良くなったり、口元がきれいになると、自然と笑顔になり、会話が弾むようになり、人と会うことも楽しくなり、前向きに若々しくなったといわれる方が多いようです。よい入れ歯はアンチエイジングにも役立つと思います。

良い入れ歯は機能性も審美性も高いものです。ぜひ多くの方に良い入れ歯で身も心もアンチエイジングしていただきたいと願っています。素敵な入れ歯で生活が豊かになっていただけたら、入れ歯を作る歯科技工士としてとてもうれしく思います。

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画期的な入れ歯治療を理解していただくために、著書をまとめました

著書紹介

試す入れ歯は面白いと興味を持ってくれた出版社の方に依頼されて、書いたのがこの本です。「あきらめない入れ歯(試せる入れ歯)」「部分入れ歯ディアレスト」について、もっと詳しくお知りになりたい方にお勧めします。

著書紹介第1章 「逆転の発想」から考える入れ歯治療
第2章 新発想の「試せる入れ歯」
第3章 日本人に合った理想の入れ歯とは
第4章 入れ歯作りの真髄 私の入れ歯作りに対する取り組み
第5章 患者さんの本音に答えます

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「入れ歯治療の新発想」

具体的な入れ歯の説明


さまざまな入れ歯の悩み


知って得する入れ歯の悩み

歯科医院の選び方

素敵な入れ歯でアンチエイジング

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 歯並びが良かったり、入れ歯の見た目が良いと、自然と笑顔も出ますし、友人との会話も弾むと言われます。自分に自信が持てて、旅行や会食に最近よく出かけるようになったと言う方もいらっしゃいます。良い入れ歯になるだけで、、毎日が快適になり、活発になり、いろんなところへ出向いて行こうという気持ちになるみたいです。おいしいものを食べて、各地へ旅行に行くことは、大きな喜びにもなるのでしょう。

 ある患者さんは、前歯が恥ずかしく、いつも手で隠して家にこもりがちだったようですが、見た目の良い入れ歯を作ってからは、同窓会やディナーショーにもどんどん出かけるようになり、化粧も洋服も明るくなりました。「一つの入れ歯でこんなに毎日が楽しくなるなんて!」と言っていただき、私たちも本当にうれしかったものです。

 入れ歯一つで若返るとしたら、入れ歯も少なからずアンチエイジングの一助になっていると言えるでしょう。素敵な入れ歯で生活が豊かになってもらえたら、入れ歯を作る歯科技工士としても大変うれしいことです。多くの方に、素敵な入れ歯をきっかけに身も心もアンチエンジングしていただきたいと思います。



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「入れ歯治療の新発想」


入れ歯を長くきれいに使うコツ

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 入れ歯を洗浄するのに一番いいのは、超音波洗浄器を使うことです。超音波洗浄器というのは、眼鏡屋さんで眼鏡を洗浄する時に使っているあの機械で、ジーッという電気音とともに、中の水が振動している機器です。

 超音波洗浄器を使うと、食べカスや細かい汚れまできれいにとれます。ひどい着色物でもかなりきれいに落とせて、元のきれいな色に戻ります。

 私たちプロが使う専用の洗浄剤が使えればさらにいいのですが、自宅で使う場合には容器に中性洗剤を入れて洗うと汚れがよく落ちます。超音波洗浄器に水を張ってから、その中に100円ショップで売っているような容器に水と中性洗剤を混ぜて、入れ歯を入れて洗ってください。

 超音波は非常に細かな振動で物理的に汚れを落とすので、これ以上細かく落とせるものは日用品にはないと思います。約5分超音波洗浄器にかけて、あとは軽く歯ブラシで洗い流せばほぼ完璧です。

 市販されている超音波洗浄器はさまざまな種類がありますが、あまり安くて振動の少ない洗浄器だと、汚れが落ちません。入れ歯が十分に入るくらいの大きさで、振動の少し大きめなものを買われる方が長い目で見て良いかと思います。また、洗面所等の水気の多い場所に置くことになると思いますので、防水がしっかりしているものがおすすめです。入れ歯の他にもネックレスや指輪、眼鏡などもきれいになりますので、一家に一台あっても便利ではないでしょうか。



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「 ヘアスタイルのように、歯並びを自分でイメージ! 」  「 素敵な入れ歯でアンチエイジング 」        

「入れ歯治療の新発想」


ヘアスタイルのように、歯並びを自分でイメージ!

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 女性の方はみなさん、ヘアスタイルに関して非常に興味があるかと思います。自分のヘアスタイルだけでなく、ほかの女性がどういう髪型にしているか、そしてどう変化させたかまで。

 それと全く同じというわけにはいかないでしょうが、自分の歯並びも自分でイメージして描いてみましょう。最初は、歯科技工士の私が口元に合わせて並べていきます。
 そこからアレンジを加えて、より美しく、イメージに合った歯に変化させていきます。

 「一番前の2本の前歯をきれいにしたい!」という女性の患者さんは多いのですが、それならばどこまで前歯を見せたら一番美しいか、一緒に探していきます。糸切り歯を若い頃のように八重歯にしたければ、唇の位置も考えて、どれくらい重ねたらかわいらしく見えるか、入れたり出したりして確認します。患者さんが納得いくまで何度でも歯を並べ直して、きれいな歯並びに仕上げて行きます。

 そのように作られた歯並びは、きっと満足いくと思います。どうせ作るならば、ヘアスタイルのように、自分好みの歯並びにこだわって、作ってみてください。

 また、歯並びを決める日に、昔の若い頃の写真を持ってきて、「このイメージに近づけてください」という方がたまにいらっしゃいます。そういう写真や具体的な希望があると、歯科技工士としてはとても並べやすくなります。若い頃や芸能人の写真など持って行くと嫌がられるのではないか、と心配される方もいますが、それは逆で、具体的な注文をもらった方がわかりやすいのです。遠慮なくこのようになりたいといってください。できるだけ望み通り仕上げたいと思います。

 一方、そこまで歯に関心がないという方、例えば男性の患者さんなど、どういう歯並びが良いのかわからない方は、歯並びを決める時に、奥様やお子さんとご一緒されてもよいかと思います。ご家族の方の納得も得られたら、より安心できるでしょうから。もちろんお一人であっても、またおまかせしていただける場合でも、私たちは顔立ちに合ったよい歯並びを求めて努力いたしますので、その点はご安心ください。

 芸能人に負けないくらい、顔立ちに合ったきれいな歯並びを求めて、われわれと一緒に作っていきましょう。



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「 顔立ちも変わる、美しい入れ歯 」  「 入れ歯を長くきれいに使うコツ 」

「入れ歯治療の新発想」


顔立ちも変わる、美しい入れ歯

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 入れ歯で前歯の歯並びをきれいにすると、当然口元の見た目は良くなりますが、実は美しくなるのは歯並びだけではありません。へこんでいた鼻の下や唇のまわりに、ふくらみを持たせることができるので、ハリのある口元に変化し、顔立ちも全体的に変わったような感じになります。

 歯周病でほとんど歯がグラグラしている方などは、力を入れて噛まない日々を過ごしているので、頬や口元の肉が落ちて、たるんでいたり、口元のふくらみがなかったりします。
 そんな場合、入れ歯の歯ぐきの部分に厚みを持たせて口元のふくらみを取り戻します。
 そして、しっかり噛める入れ歯を作りますから、噛むことによって唇から頬まで筋肉を使うようになり、入れ歯を使っていくうちに、口元だけでなく顔全体も大きく変化していきます。

 また、噛み合わせの高さが低くなってしまっていて、口元がクシャッっとくずれている方がいらっしゃいます。笑った時でさえ、全く上の前歯が見えないケースもあります。これは入れ歯を作る段階で噛み合わせの高さを間違えて低く作ったのか、あるいは長年入れ歯を使い続けて歯が磨り減ったためでしょう。

 このような場合は、入れ歯の歯の高さを少し上げるだけで、顔も面長になり、前歯も見えて、かなり見た目が若くなります。
 自分の口元にピッタリ合った入れ歯は、歯並びの美しさだけでなく、口元から頬、そして顔全体の印象を変えるくらい不思議なものなのです。整形ではないので、絶対変わるとはいえないですが、当院に来られる患者さんの多くの方は、見た目の印象が良くなっていらっしゃいます。



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            「 最近の入れ歯は美しい! 」  「 ヘアスタイルのように、歯並びを自分でイメージ! 」

「入れ歯治療の新発想」


最近の入れ歯は美しい!

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 入れ歯という言葉だけで嫌なイメージを持つ方もいますが、その先入観はちょっと置いておいて、一度入れ歯を入れてみてください。口の中を見ると、実はとても入れ歯が安定しやすいあごの形をされていたり、歯の形や並び方が入れ歯に向いている人が、意外に多くいます。

 入れ歯のイメージだけで「自分には入れ歯は向かない」と決して判断しないでほしいと思います。自分で判断する前に、入れ歯に向いているかどうか、私たち専門家にたずねてみてはいかがでしょうか。実際に入れてみると、「なんだ、思っていたより大変じゃなかった」と思われるかもしれません。
 それに、入れ歯というのは、自分の歯ではないので、結構自由に作ることもできます。

 若い時の八重歯が気に入っているのであれば、八重歯風に歯を並べられますし、どこかの芸能人のようにとにかく真っ白い歯にしたいならば、白い歯に変えることもできます。残っている歯に影響がない範囲で、患者さん好みに変えられます。

 また、最近の良質の入れ歯は、口の中になじんで全くわからないほどきれいに入ります。ご自身の歯の形や色に合わせた人工の歯を使うので、誰が見ても入れ歯とわからないものに「変身」することができます。もう前歯がグラグラで、歯並びも曲がり、歯の色も良くなかった人が、思い切って入れ歯に変えて理想の歯に変わった時には、本当に喜ばれます。元の自分の歯よりも、入れ歯の方がずっと美しいという言葉をいただいています。

 また、ご自身の歯が何本か残っている人でも、どれが自分の歯かわからなくなるほどなじんでいるように見せることができます。入れ歯に使われる歯は、差し歯に使われる歯とは異なりますが、今では多くのメーカーからあらゆる種類が出ており、非常に美しい人工の歯がありますから、必ず自分に合った歯は見つかると思います。きれいな歯で自分好みの美しい入れ歯を作ってみてください。



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「 Q.もし入れ歯にどうしても慣れなかったら 」  「 顔立ちも変わる、美しい入れ歯 」      

「入れ歯治療の新発想」


Q.もし入れ歯にどうしても慣れなかったら、どうなりますか?

目次一覧へA.患者さんが希望する中から、一番良い治療法をおすすめします

 入れ歯が合うか、根本的にダメかどうかは、比較的すぐにわかるものです。入れ歯を入れて1~2週間しても全く変わらず、同じような違和感があるようでしたら、ひょっとしたら入れ歯には適さない可能性がでてきます。その場合は、入れ歯ではなく、ブリッジやインプラントを考えないといけないと思います。

 私はブリッジの治療はしますが、インプラントは今のところやっていませんので私のところでできないことは正直に述べて、インプラントに関しては他の医院を紹介するようにしています。

 とにかく患者さんの症状に合わせて歯科治療をすることが大切ですから、私が良いと思うことを無理やり押しつけるのではなく、患者さんが希望する一番良い方法をおすすめします。患者さんに「この入れ歯で我慢してください」などと言うことはありません。

 ただ、「私は人一倍神経質なんです」とか、「ちょっと精神的に弱いのです」とおっしゃっていた患者さんでも、入れ歯を入れてみると、あまり異物感や苦痛もなく、「なんとかこれで大丈夫そうです」と言われるケースは結構あります。

 初めは難しいかなと思っていても、入れ歯に関しては、入れてみないとわからないことが少なくありません。みなさんは入れ歯というイメージだけで先入観を持って、無理だと頭で決めているかもしれませんが、口に入れてみるとそれほど違和感もなかったという実例は数々ありますので、〝案ずるより産むが易し〟と言うように、ちょっと思い切ってチャレンジしてみてほしいと思います。



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「 Q.総入れ歯なのですが 」  「 最近の入れ歯は美しい! 」

「入れ歯治療の新発想」


Q.総入れ歯なのですが、作ってもらえるのでしょうか?

目次一覧へA.もちろんです
  「試せる入れ歯」は、総入れ歯の状態を想定して設計することが基本ですので、
  総入れ歯であっても、問題なく、お作りいたします

 「試せる(総)入れ歯」は、特に難症例と言われている方にはおすすめです。歯が1本もないからこそ、保険診療で作るようなお決まりのパターンではなく、いろいろと試してみないとわからないことも、多いのです。

 例えば快適性ばかりを望んで、入れ歯を極端に軽くしたり、コンパクトにしてしまうと、使いものにならないこともあります。特に下の総入れ歯に関しては、重量感というのが必要な場合もあります。

 また、型をとる場合も、ギュッと圧をかけてとるより、フワッとやわらかくとった方が良い場合もあります。つまり私も試してみて判断がつくことも多いのです。

 総入れ歯というのは、保険診療の入れ歯と比べて、見た目になかなか差が出にくいものではありますが、細かい部分に手を抜かないよう丁寧に作れば、使ってみた時に大きな差になってわかると思います。



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 「 Q.今使っている上の入れ歯は調子がいい 」  「 Q.もし入れ歯にどうしても慣れなかったら 」

「入れ歯治療の新発想」


Q.今使っている上の入れ歯は調子がいいので、下の入れ歯だけ作ってもらえますか?

目次一覧へA.歯並びや噛み合わせの点で多少難しくなりますが、
  患者さんの本音の要望にお応えして、片方だけでも入れ歯を作ります

 大丈夫です。本来入れ歯は上下同時に作るのが一番良いのですが、まずは下からでもお作りします。

 今までにもたまにそういう患者さんはいらっしゃいます。プラスチックの「試せる入れ歯」であっても、金属床入れ歯であっても、片方だけ作るということは可能です。

 ただし、片方だけ作ることには多少の問題はあります。

 それは、今使っている上の入れ歯に合わせるような形でしか下の入れ歯を作れないということです。特に歯並びや噛み合わせの点で、上の入れ歯に合わせた並べ方しかできないわけですから、今まで以上に噛めるようになるかどうかという問題や、見た目の良い歯並びに変化させられるかどうかという問題などは少し制限があるため難しくなる可能性があります。これらの問題をご理解していただいたうえで、できるだけ良い入れ歯をお作りしています。

 また、初めは片方だけ希望して作られた患者さんも、こんな感じで下の入れ歯が入るならば、上の入れ歯も今よりもっと快適になるだろうと思っていただいたのか、結局「やっぱりもう片方も作ってください」と言われることが多々あります。このような時は、患者さんのために一生懸命やってきて本当に良かったなと思う瞬間です。

 おおよそ歯科医師は、自らが医療的に正しいと思う治療だけを患者さんにすすめることが多いかと思います。そしてそれは、確かに医療的には最善の治療法だろうと思います。

 しかし、その治療を受ける患者さんにとっては、結果は同じであっても、もう少し違った進め方で治療して欲しい方もいらっしゃいます。そのような患者さんの本音の要望を聞き逃さないで対応していくことが、私は良い入れ歯づくりには大切であるという考えです。



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  「 Q.入れ歯だけでなく、  「 Q.総入れ歯なのですが 」
歯の治療もやってもらえるのですか 」                    

「入れ歯治療の新発想」


Q.入れ歯だけでなく、歯の治療もやってもらえるのですか?

目次一覧へA.先に入れ歯を作ってから、きちんと治療も行います

 総入れ歯の方でなければ、残っている歯がありますので、それらの歯はできるだけ残していくことが大切です。当然、治療すべき歯はこちらから説明し、患者さんの希望により順次治療をしていきます。

 ただ、私の医院に来られる患者さんの多くは、まず入れ歯が第一に必要な方が多いので、その場合、先に治療をするのではなく、入れ歯を作ることから始めます。それは入れ歯に慣れてもらうことが第一だからです。

 入れ歯を入れる前に、歯を抜いたり、歯を削ったりすると、その後に入れ歯を入れたもののうまくいかなかった場合に、抜いた歯を戻すことはできないですし、削った歯も厳密には元の形にできません。「あー、抜くのではなかった!」「あー、削るのではなかった!」ではすまされないのです。

 ところが、入れ歯に慣れてもらえたら、その後順番に治療を行えば、快適さがより増していくので、患者さんも前向きに治療を継続していくことができます。

 そして、この順番のほうが入れ歯のトラブルも起きにくいのです。この歯を削っても入れ歯に問題はないとか、あの歯を抜いても十分入れ歯は使えるかどうかなど、私がわかるからです。

 つまり、治療だけの患者さんは治療だけ行いますが、治療と入れ歯の患者さんの場合は、先に入れ歯を作ってから、あとで治療に入ります。

 「ちゃんと歯を治療してからでないと、入れ歯は入れてはいけない!」と他の歯医者さんで言われたことがあるという患者さんがいますが、それは保険診療の制度上の問題です。私は、治療もしっかりと時間をかけて行うので、治療が終わるまでの期間を入れ歯がない状態でいることの方が逆に良くないと考えています。

 歯を抜いたあと3ヵ月間は歯ぐきのためにそのまま放置したほうがいいと言われたという方もいて、これも保険診療の問題もあるのでしょうが、私としては、3か月間も放置するのは良くないと考えます。傷口が治ったら型どりをして入れ歯を入れ、歯ぐきが下がってきて、すき間が空くたびに丁寧に裏打ちをしていくという方法が最も良いと思っています。

 そうして入れ歯が安定したら、その後時間をかけてしっかりと治療を行います。



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「 Q.歯周病だと、入れ歯になりやすいですか? 」  「 Q.今使っている上の入れ歯は調子がいい 」  

「入れ歯治療の新発想」


Q.歯周病だと、入れ歯になりやすいのですか?

目次一覧へA.入れ歯に近づきますが、できる限りケアや治療で自分の歯を残しましょう

 歯周病というのは、簡単に言うと、歯周病菌によって歯の周りの骨が溶ける病気です。そのため、進行した歯周病になると、あごの骨が歯を支えられなくなり、最終的に自然に歯が抜けてしまうようなことにもなります。そして、歯が抜けたところは入れ歯を使うことになりますので、歯周病ではない人と比べた場合には、歯周病の人は入れ歯に近づいているといえます。

 しかし、軽い歯周病で早期に発見できれば、正しい歯磨きなど毎日のケアでかなり改善していきます。

 問題なのは、中等度の歯周病にかかっている場合です。歯の周りの骨が溶けてきて、もはや自宅において自分でケアするだけでは治らない状態まで進行した場合には、現状を維持するために短期集中で歯科医院に通い、専門的なケアを受けるしかないと思います。そうしてできるだけ歯が抜けないように保ちながらも、さらに進行した場合には、隣の健康な歯やあごの骨を守っていくために、いずれは歯を抜くという覚悟も同時に必要であると思います。

 私は健康な歯というのは1本100万円くらいの資産価値があると考えています。なぜそう考えるのかと言えば、それは無駄な歯の治療をしないためです。例えば、グラグラの歯はすでに10万円の価値もないかもしれません。これに20万円かけて治療を考えることはおすすめできないのです。歯をできるだけ残すために、その価値に見合った治療で最善を尽くすべきだと考えています。

 もちろん、入れ歯を作るうえでも、できるだけ歯があることが良い条件となりますので、たとえ頭の部分が虫歯でなくなってしまった歯でも、根が大丈夫であれば、その根を残して、入れ歯を作ります。なぜなら、根があるのとないのとでは、ものを食べた時に大きな差があるからです。根があると、ものを噛みしめる感覚がしっかり感じられるのです。根だけでも大切に残してください。

 歯周病に感染して弱っている歯でも、自分の大切な歯ですから、できるだけ残すことができるよう、きちんと治療して、入れ歯にならないようにしましょう。そして、歯周病がかなり進行した歯については、抜くことがどこの歯科医院でも当たり前だと思いますが、私は、条件次第では患者さんの希望に合わせて残しても構わないと思っています。来る時がきたら、入れ歯にすればいいじゃないかというくらいの気持ちであれば残すこともできると思います。



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「 Q.先日、奥歯を1本抜いたのですが 」  「 Q.入れ歯だけでなく、       
                    歯の治療もやってもらえるのですか 」

「入れ歯治療の新発想」


Q.先日、奥歯を1本抜いたのですが、そのままにしておいて大丈夫でしょうか?

目次一覧へA.残った歯に影響があるので、そのまま放置しないことが大切です

 答えとしては、歯が抜けたら、抜けたところに何らかの人口の歯を入れたほうが良いでしょう。なぜなら、その両隣の歯が倒れてくる可能性もありますし、抜いた歯と以前噛み合わせていた上か下の反対の歯が伸びてくることもあるからです。伸びるといっても、実際に歯が長くなるわけでなく、歯があごの骨から出てくる状態です。

 きれいに並んでいた歯並びが1本抜けただけでも、段差ができてしまったり、並びが乱れてきたらやはり良くありません。歯並びが乱れることは、歯のお手入れがしにくくなって虫歯や歯周病になりやすくなるなど、歯の健康リスクも増やします。あまり長い期間を置かないようにして、何らかの処置をされたらいいと思います。

 その際、やはり私はまず入れ歯をおすすめします。保険診療ではまず奥歯1本だけの入れ歯を作る先生はまれでしょうし、通常の設計では異物感が大きくてつけていられないと思います。自由診療で作ればその違いは、一目瞭然です。また比較できるものなら、より違和感の少ない、快適なデザインの入れ歯であることがわかると思います。

 とにかく1本抜けただけだから、奥歯で見た目に影響がないからと、甘く考えないでください。将来的なことも考えて、一度しっかり診断を受けた方がいいと思われます。



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  「 Q.若いのに、前歯を失ってしまいました 」  「 Q.歯周病だと、入れ歯になりやすいですか? 」

「入れ歯治療の新発想」


Q.若いのに前歯を失ってしまいました。ブリッジは嫌ですが前歯でも入れ歯はうまくいきますか?

目次一覧へ
A.まずは、試してみてください。ディアレストなら、入れ歯だとわからないような見た目に仕上げられます

 お若い方でも、事故などで前歯を1~2本失った方は、結構いらっしゃいます。入れ歯というと、それだけで悪いイメージを持たれますが、実はある意味で入れ歯は非常に安全な治療です。今の状態のまま、他の歯を削ったり、手術したりせずに、つけられるからです。

 ただし問題は、入れ歯を入れた時の違和感がどれくらいのものか、ということです。入れ歯はブリッジやインプラントのように歯の部分だけではなく、歯ぐきをおおう床があるので、多少の違和感が残ることは否めません。その違和感に慣れられるかどうか、これは正直言ってやってみないとわからないと思います。

 前歯用にも「試せる入れ歯」は当然あります。最初から金属床入れ歯にせず、「入れ歯というものはこんな感じです」ということを体験するうえでも、プラスチック製の「試せる入れ歯」は便利だと思います。

 私の作る金属床入れ歯は、とにかく違和感を少なくし、前歯なので見た目も入れ歯とわからないようにデザインしています。おそらく普通の人が見ても、入れ歯をしているとは気がつかないだろうと思います。入れ歯をつけている感覚に慣れることができるならば、残りの歯を守っていくためにも、入れ歯を使っていくほうが私は安全だと思います。

 入れ歯を一度やってみて、どうしてもなじめず、他の治療を選択した場合、入れ歯を外してブリッジやインプラントにすることは可能です。

 しかし逆にブリッジやインプラントにしてダメになってしまってからでは、もう元の状態には戻れません。ブリッジは、失った歯の両脇の歯を削ってからセットしているうえに、噛むたびにその両脇の歯に負担がかかっているので、ダメージも受けています。インプラントは、治療に失敗して撤去したらあごの骨が減ってしまうので、合う入れ歯を作るのが難しくなります。

 入れ歯は、今の状態のままで他に何も傷つけずに入れられるので、これほど安全なものはありません。歯が抜けた場合には、1~3本であっても、まず入れ歯を入れてみたらいかがでしょうか。「試せる入れ歯」は、だいたい3ヵ月の調整や治療期間を考えています。その間に、歯が自然に抜けたり、抜くことを希望されたり、腫れて痛みがでて抜かないといけないような状態になった場合には、日常生活に支障がないように、抜けたところに歯を追加します。



◀前ページ l 次ページ▶     「 Q.試せる入れ歯の期間中に 」  「 Q.先日、奥歯を1本抜いたのですが 」

「入れ歯治療の新発想」


Q.「試せる入れ歯」の期間中に、歯が抜けたりしたらどうなりますか?

目次一覧へA.抜けたところにすぐ歯が追加できるので安心です

「試せる入れ歯」は、だいたい3ヵ月の調整や治療期間を考えています。その間に、歯が自然に抜けたり、抜くことを希望されたり、腫れて痛みがでて抜かないといけないような状態になった場合には、日常生活に支障がないように、抜けたところに歯を追加します。
1本の歯でしたら、約1~2時間で追加できます。たとえ3本から4本のケースであっても、しばらくお持ちいただくことにはなりますが、お帰りになるまでにその日のうちに歯を追加することができます。

 そして、歯が抜けた部分の歯ぐきは、1週間もすれば急激に下がってくるので、その隙間を埋めて調整していきます。

 この、歯を抜いて歯を追加することを、歯科では「抜歯・増歯」と言うのですが、「試せる入れ歯」の期間中は、他の歯の治療を合わせて、抜歯・増歯も通常の治療として行っています。

 歯が抜けたままでの状態で帰っていただくようなことは決してしないので、ご安心ください。見た目もよく考えてから、追加の歯を並べますから特にご心配には及ばないと思います。

 私は、普通なら最初に抜くような歯でも、患者さんのペースに合わせて、治療を進めていきますので、あとから問題が起こっても修正できるようにデザインを工夫して入れ歯を作っています。



◀前ページ l 次ページ▶「 Q.悪い歯を抜かないで入れ歯はできますか? 」  「 Q.若いのに、前歯を失ってしまいました 」  

「入れ歯治療の新発想」


Q.悪い歯を抜かないで入れ歯はできますか?

目次一覧へA.患者さんが抜きたくなければ、抜かずに入れ歯を作ります

 「数本残っている歯のほとんどがグラグラしていて、抜かないといけないのはわかっているのですが、どうしても抜きたくないんです。今のままではものも食べられないので、早く抜いて総入れ歯にすべきだと、近くの歯医者さんには言われますが、決心がつきません」とFさんは、ため息をつきながら言われました。

 私は答えました。
 「Fさん。保険診療で入れ歯を作る場合には、今のFさんの状態では、歯を全部抜いて入れ歯を作るというのが正解だと私も思います。しかし、ここでは保険診療ではなく自由診療なので、自由な形で入れ歯を作ることができます。Fさんが歯を抜きたくなければ、抜かないままで入れ歯を作りましょう。心配いりません」。

 そして、「今のグラグラの状態のままで入れ歯を入れて、ものを食べながら入れ歯に慣れてください。私の入れ歯は、入れ歯の調整の途中で、歯が自然に抜けてしまったり、歯ぐきが腫れて抜かざるを得ないようになった時にも、新しく作り替えるのではなく、使い慣れた入れ歯に歯を追加して続けて使うことができます」
 Fさんは、少し安心したようでした。

 続けて私は、「Fさんの場合には、最終的にいつか総入れ歯になることは覚悟してもらいたいのですが、それまでは、今の状態でギリギリまでいけますので安心してください。少なくとも3ヵ月は、料金の追加なく入れ歯を修理・調整しますよ」と伝えました。



◀前ページ l 次ページ▶「 Q.先生は、インプラントはやらないの? 」  「 Q.試せる入れ歯の期間中に 」      

「入れ歯治療の新発想」


Q.先生は、インプラントはやらないの?

目次一覧へ
A.安心・安全な治療を行いたいので、インプラントはやらず入れ歯をおすすめしています

 事故で前歯を1本失ってしまった若いEさんは、「先生は入れ歯専門って、ホームページに書いていましたが、インプラントはしないのですか?」と言われました。

 インプラントは、歯ぐきとあごの骨を開けて金属の人工歯根を埋め、人工歯根をあごの骨に接合させて、その上に人工歯を被せる治療です。

 「インプラントを否定するつもりはないのですが、いろいろな問題があるので今のところ、私はやっていません。」と答えて、次のように説明しました。「インプラントというのは、そもそも医学的には感染症学的に問題のある治療法なのです。もっとわかりやすく言うと、インプラントは体の外と内がつながったままの状態ですので、常にその境目が感染の危険にさらされた状態であるということが良くないのです。

 よく人工関節や心臓の弁に使われているのも、インプラントと同じ素材のチタン合金という金属であるため安心・安全というふうに言われています。しかし、問題はそこではなく、人工関節や心臓の弁は、その全部が体の中に完全に入っていますから、何かに感染するというリスクが非常に少ないのですが、インプラントに関しては、一部が外に出ていて、一部が体の中に入っているので、外と内の境目の部分は、常に感染の危険があるという点で大きく異なっているのです。これは医学的に安心・安全な状態であるとはいえません。

 そんな理由もあり、私はインプラントではなく、まずは入れ歯をおすすめしております。

 しかしながら、もし私が理想とするインプラントが開発されれば、それは入れ歯治療にも利用できます。それは、不要な時には簡単に抜くことができるインプラントです。あえて言えば、「あと戻りできるインプラント」です。現在のインプラントでは、治療に失敗した場合にインプラントを撤去すると、あごの骨がごっそりなくなってしまうので、その後に入れ歯を入れるということも大変難しくなります。それでは患者さんはものが食べられないような状態になってしまいます。

 そうではなく、インプラントを撤去した際にも、すぐに入れ歯を作って食事ができるような、そのようなリスクの少ないインプラントなら私も将来的には導入するかもしれません。



◀前ページ l 次ページ▶   「 Q.自由診療だと一体いくらかかるの? 」  「 Q.悪い歯を抜かないで入れ歯はできますか? 」

「入れ歯治療の新発想」


Q.自由診療だと一体いくらかかるの?あとからどんどんお金がかかるのではないの?

目次一覧へA.当院では、治療前に治療計画書と見積書をお作りしますので、安心です

 保険診療と違い、自由診療の料金は基準が全く決まっておらず、各歯科医院で異なるので確かに患者さん側からすれば不安なことでしょう。

 患者さんへの答えとしては、とにかく最初の段階で治療に入る前に、金額をすべて明らかにすることと、きちんとした将来予測を基にわかりやすい説明をすることが大切だと思っています。

 私の場合には、最初の診断の時に、治療計画と見積書をお作りします。患者さんの希望により、1~3案出すこともあります。それは、歯の一部だけを治す案や、すべてを治す案、異なる二つの治療方法で出す案など、自由診療ならではの良さで、患者さんに合わせた形で計画を説明します。
 そして、自由診療は本来、将来的なことを緻密に予測した治療です。患者さんが追加治療を希望されない限りは、初めの見積料金を越えて治療することはまずないでしょうし、もしあったとすれば、それは医院側が責任を持って負担するものです。

 また、自由診療というだけで法外な治療費がかかると考えておられる方もいますが、自由診療は決して高すぎる治療ではありません。お金の面だけを見れば、保険診療と比べて確かに高額だといえますが、中身が全く異なります。
 例えば、被せものをするという治療だけでも、保険診療では1回型をとって次回にはセットされるというのが通常だと思いますが、私の医院では、まず最終的な被せものに限りなく近い形のプラスティックの仮歯をつけてもらいます。

 そして、それでしばらく生活をしていただき、被せものの見た目はどうか、患者さんが歯磨きして清掃しやすいかどうか、歯と歯ぐきの境目の形は問題ないか、隣の歯との力関係は大丈夫かという、さまざまな項目をしっかり確認します。患者さんが「このままでもいいんじゃないですか」と言うくらいまでにチェックするのです。

 その後、それらがすべてOKになったうえで、最終的な型どりをします。すると、そういうチェックを踏まえて作った被せものは、やはりその後の経過が非常に順調ですし、長い目で見てトラブルの少ない良い被せものに仕上がります。

 私の医院で決めている治療費は、治療の中身とそこにかける時間や技術、エネルギーを考えて、適正価格だと思っています。自由診療というだけで、あとからどんどんお金がかかるというようなイメージはぜひ持たないでください。自分で言うのも変ですが、治療に自信はありますので、自由診療の本当の中身の良さをぜひ知っていただきたいと思います。



◀前ページ l 次ページ▶    「 Q.自由診療は、保険診療と違って、  「 Q.先生は、インプラントはやらないの? 」
なぜこんなに費用が高いの? 」                 

「入れ歯治療の新発想」


Q.自由診療は、保険診療と違って、なぜこんなに費用が高いの?

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A.かける手間と時間、技術が違うためです

 「私は今までずっと保険で入れ歯を作ってきましたが、自由診療の入れ歯は、どうしてこんなに高いのですか?」とDさんから質問を受けました。

 私は誤解のないように正直にお答えしました。「私なら保険診療でも良い入れ歯は作れます。ただし、採算が合いません」。保険診療では、入れ歯の型をとるのにも、採算面で1回限りにしたいですし、入れ歯が仕上がってからの調整に時間をかけて何度もじっくりやりたくても、一人の患者さんにとてもそんな手間と時間をかけられません。保険は診療報酬が細かく決まっているので、一人の患者さんの入れ歯に時間をかければかけるほど、クリニックの利益は減少し、赤字になってしまいます。

 できるだけ歯並びの見た目を良くするために、歯科技工士を呼んで何度も並べ直させたり、入れ歯を作ってから歯の色や形をもう少し変えてほしいと言われても、保険診療では現実的にできなかったりします。
 私は、そのような数々の制約がない形で、良いものだけを取り入れて入れ歯を作りたいと思っています。そうしないと、本当に患者さんに合った入れ歯を作るのは、非常に難しいからです。

 入れ歯の素材ももちろん保険診療と自由診療では異なりますが、だからと言って、材料代が、保険診療の材料の何十倍もするわけではありません。外国製の素材であろうと、金属にしろ、プラスティックにしろ、原価にすればそれほど大きな差はありません。「材料が良いから高い!」と思っていらっしゃる方はまだまだ大勢いますが、実はそれだけの値段ではないのです。

 違う言い方をすれば、自由診療にして材料を良いものにしただけでは、入れ歯や被せものなどは良いと評価できません。患者さん一人ひとりに合わせたオーダーメイドの治療ですから、医師や技工士にテクニックがなければ、患者さんにフィットして歯にとってもやさしい設計で、長持ちする良いものはできません。

 自由診療の入れ歯が高いのは、一人の患者さんにかける、手間と時間と技術の問題です。そして、この手間と時間を惜しめば、良い入れ歯はできないと私は思います。神様ではないので、一度お会いしただけで患者さんのすべてがわかるわけではないですし、その患者さんの噛み合わせのクセや歯ぐきの特徴などは、じっくり患者さんと向き合わないと、とても理解できるものではありません。そのための時間と手間の面で、どうしても費用がかかってしまいます。手間と時間をかけることで、高いレベルの技術が提供できるのが自由診療なのです。

保険診療の入れ歯 自由診療の入れ歯
製作工程 素材やデザインに制約があり、できる限りコストを抑えた入れ歯ができる 素材やデザインに制限がなく、製作や調整に時間をかけ、丁寧な作りの入れ歯ができる
人工歯 種類が限られている 選択肢が多く、患者さんの希望に合ったものにできる
技術 調整に時間はかけない
合わなくてもひたすら調整のみで、半年以内での作り直しはできない
十分時間がかけられるので、高いレベルの技術が提供できる
納得いかなければ、作り直しもできる
審美性 基本的には見た目を問うことはできない より自然で自由な歯並びを追求できる
費用 安い 高い



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「入れ歯治療の新発想」


Q.試せる入れ歯を作らずに、最初から金属床の入れ歯にすることはできますか?

目次一覧へA.歯と歯ぐきのコンディションが良ければできます

 結論からいいますと、最初から金属床入れ歯(ディアレスト)にすることも当然可能です。ただ、歯ぐきも歯も両方とも、治療などの必要のない、安定している方なら大丈夫です。1~2本くらいの歯の治療がまだ残っている人ならば、あとで修正できるデザインをなんとか考えますので、おまかせください。しかし、それ以上に治療の必要な患者さんの場合には、私はいきなり金属床入れ歯を作ることはおすすめしないと思います。

 もし残っている歯の中に、抜かなければいけない歯や治療すべき歯が3本以上あれば、その時には最初から金属の入れ歯を作るのではなく、プラスチックの「試せる入れ歯」をまずはおすすめしています。

 なぜかと言うと、抜いたり、治療したりすると、口の中の状態が大きく変わるので、金属床入れ歯(ディアレスト)はつぎはぎだらけの入れ歯になってしまいますし、微妙に合わなくなってしまう危険があるからです。1~2本くらいなら修正のみで使えますが、3本以上になると、支障をきたすかもしれません。

 せっかく高価な入れ歯を作ったのに、使えなくなればやはりもったいないですから、そのような場合にはプラスチックの試せる入れ歯で口の中を安定した状態にしてから、希望により金属床入れ歯(ディアレスト)をお作りしています。

 さらに厳密に言いますと、金属床入れ歯(ディアレスト)を、1回でその患者さんに合った最高のデザインで作ることはおそらく私は難しいと考えています。試せる入れ歯のところでも書きましたが、作ってあとに、その患者さんに合わせて調整していく中で、もっとああしたい、このようにできたのではないかという点がいくつもでてくると思います。

 つまり、1回目に作る入れ歯というもの自体が、完全にその患者さんに合わせているかどうかは本当は疑問が残るところです。患者さんの歯ぐきの状態や噛み方のクセもわからないのに、最初から患者さんにピッタリの最高のデザインのものが作れるということは私には断言しかねます。良い入れ歯はそんなに簡単にはできません。

 ですから、口の中が良い状態の患者さんならば、1回目でも金属床入れ歯にされたら良いかと思いますが、少しでも不安のある方や限界まで良いものを追求したい方は「試せる入れ歯」でできるだけ良いデザインの入れ歯に仕上げてから、最後に金属床入れ歯にするほうが、長い目で見た場合に快適な入れ歯生活が送れると思います。



◀前ページ l 次ページ▶「 Q.どうして金属でないとダメなの? 」  「 Q.自由診療は、保険診療と違って、 
                なぜこんなに費用が高いの? 」

「入れ歯治療の新発想」


Q.どうして金属でないとダメなの?

目次一覧へA.プラスチックでも薄くできますが、金属にすることでさらに薄くできます

 「薄くて丈夫で臭いもつきにくいので、金属の入れ歯がいいと他の歯医者でも言われますが、私はピンク色のプラスチックの方が良いのです。それでは、ダメでしょうか?」

 Cさんは、私が開発した金属床入れ歯の説明の際に、このように言われました。
 私は迷うことなく、「無理に金属にする必要はありません。プラスチックの入れ歯でも十分快適な入れ歯を作る技術があります。保険診療のプラスチックの入れ歯と比べたら考えられないくらい、薄くて軽い入れ歯ができますよ」といいました。

 確かに、プラスチックの入れ歯は、金属の薄さや軽さにはとても勝てるものではありません。厚みはおそらく3倍〜6倍は違うと思います。しかしながら、プラスチックの入れ歯でも、保険診療で作る一般的なデザインとは異なり、可能な限り薄くすれば、それまで使っていた保険診療の入れ歯よりも相当快適に感じられるものを作ることができます。

 Cさんも私の試せる入れ歯で十分満足され、「もう金属にも保険診療の入れ歯にもしなくていいから、良かった」とおっしゃっていました。こちらがCさんには金属の入れ歯が最善だと考えていても、患者さんにとってはそうではない場合もあるというケースで、私自身とても勉強になりました。

 私たち歯科医師はとかく自分の考えを患者さんに押しつけやすい傾向があると、私は常に思っていますので、極端に言うと、たとえ医学的にうまくいくはずがない方法だとしても、患者さんがこのようにして欲しいと言うならば、一度患者さんの言う通りにやってみようという考えでいます。

 ただし、例えば「入れ歯を作り直す」というレベルの、あくまでやり直しができる場合だけであって、歯を削ったり抜いたりする、取り返しのつかないような結果につながることは、決してやりませんが。



◀前ページ l 次ページ▶「 Q.金属床入れ歯「ディアレスト」って何ですか? 」  「 Q.最初から金属床の入れ歯はできないの? 」   

「入れ歯治療の新発想」


Q.金属床入れ歯「ディアレスト」って何ですか?

目次一覧へA.私が開発した、軽くて薄い快適な入れ歯です

 ディアレストは、私が歯科医になって12年目に開発したもので、母への親孝行としてこれまで見たどの入れ歯にも負けないくらい快適な入れ歯を作ろうという思いから、新たに考えて作った入れ歯です。

 金属床の入れ歯にもさまざまな種類がありますが、私が開発したディアレストはチタン合金という金属を使用していて、とにかく見た目が良く軽いことと、薄いことが特徴です(通常のチタン製よりさらに薄くなるよう工夫しております)。

 またチタンは人工関節や心臓の人工弁にも使われるくらい生体適合の良い材料でもありますから、安全な素材です。そして実際につけている患者さんの感想を聞くと、金属なのに、歯になじむような感覚があると言われます。また、ものを食べた時に、何ともいえないしなりがあると言う患者さんもいました。

 金属というと、硬くて重いようなイメージがありますが、チタン合金の金属製入れ歯(ディアレスト)はひと味違う金属床の入れ歯だと考えていただけたらよいかと思います。



◀前ページ l 次ページ▶      「 Q.金属床の入れ歯だと、   「 Q.どうして金属でないとダメなの? 」
金属の銀色が見えてしまうのでは? 」                    

「入れ歯治療の新発想」


Q.金属床の入れ歯だと、金属の銀色が見えてしまうのでは?

目次一覧へA.見えてしまうようなデザインにはしないので大丈夫です

 口を開けた時に、当然金属が見えないようにデザインしますので、それは問題ありません。

 私の作る入れ歯の場合、特に前歯に引っ掛けのようなものはつけないので、まず見えることはないと思います。

 たまに、口蓋(こうがい)という口の中の天井部分の金属まで見えるのではないか?と心配される患者さんがいますが、口の中は基本的に真っ暗ですので、よほどのことがない限りは、どんな色の入れ歯でも見えることはありません。むしろ天井部分の金属を見るためには、かなり覗き込まないと難しいと思います。

 また、下の入れ歯の場合には、舌で金属部分も隠れますから、これもまたよほど大きな口を開けて、さらに舌を引っ込めないと金属部分は見えないだろうと思われます。少なくとも明らかに金属部分が見えるようなデザインにはしませんから、ご安心してください。



◀前ページ l 次ページ▶    「 Q.針金が見えるのも歯並びも   「 Q.金属床入れ歯「ディアレスト」って
気に入らないのですが? 」  何ですか? 」      

「入れ歯治療の新発想」


Q.今の入れ歯は、針金が見えて嫌だし、歯並びも気に入らないのですが、良くなりますか?

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A.自由診療なら、良い入れ歯にできます

 今までずっと保険診療の入れ歯で過ごされてきたBさんは、「これまで人前で大きな口を開けて笑ったりしたことがありません」と言って、見た目の良い入れ歯ができないかを質問されました。

 私は自信を持って答えました。「私が開発した金属床入れ歯(ディアレスト)でしたら、きっとBさんに満足していただけると思います。しかもBさんは残っている歯がしっかりしていますので、そのままディアレストを作られても問題ないと思います」と。

 金属床入れ歯(ディアレスト)は、針金の引っ掛け(クラスプ)もないので、見た目がとてもよく、金属部分はチタン合金でできているので、薄く、軽いのが最大の特徴です。プラスチックの入れ歯である程度満足していた患者さんも、ディアレストに変えたとたん、「もう以前のプラスチックの入れ歯には戻れない」とよく言われます。

 Bさんも金属の入れ歯は初めてで、少し不安もあったみたいですが、「思い切って自由診療で良い入れ歯を作って良かった」と言っていただきました。



◀前ページ l 次ページ▶「 Q.「試せる入れ歯」とは、   「 Q.金属床の入れ歯だと、  
仮の入れ歯ということでしょうか? 」  金属の銀色が見えてしまうのでは? 」

「入れ歯治療の新発想」


Q.「試せる入れ歯」とは、仮の入れ歯ということでしょうか?

目次一覧へA.保険診療の入れ歯よりずっと薄くて違和感が少なく、
  そのままお使いいただくことも可能な入れ歯です

 「試せる入れ歯」は、最終的な入れ歯が完成するまでの間だけ使う「仮の入れ歯」では決してありません。床部分の材料はプラスチックですが、保険診療で作る入れ歯とは比べものにならないくらい、薄くて硬い入れ歯です。今まで保険診療の入れ歯を使っていた患者さんが、「試せる入れ歯」をつけると、ほとんどの患者さんは違和感が少なくなったと言われます。

 また、この「試せる入れ歯」を使いながら、残っている歯の治療をしていくことが多々あります。そのような時は、治療のたびに入れ歯を削ったり、補修したりして、「試せる入れ歯」がつぎはぎだらけになる時期もあります。しかし、歯の治療が終了したら、また新たに型をとることから始めて、新しいプラスチックの入れ歯を作り直します。つぎはぎだらけの「試せる入れ歯」が最終的な入れ歯になるわけではないので、ご安心ください。

 事実、最終的には「試せる入れ歯」よりさらに快適な金属製の入れ歯にするつもりでいた患者さんも、このプラスチックの「試せる入れ歯」で十分だということで、「試せる入れ歯」で終了される方も少なくありません。

 また、最終的に金属床の入れ歯にされる患者さんにとっては、金属床の入れ歯が完成すれば、「試せる入れ歯」は不要になるので、確かに仮の入れ歯のような感じになるかもしれませんが、この「試せる入れ歯」はいざという時のためのスペアと考えていただけると、安心して生活を送れるのではないかと思います。

 患者さんの中には、「試せる入れ歯」を二つ希望された方もいます。その方の場合、一つはしっかり食事ができる外出用の試せる入れ歯をお作りし、もう一つは家庭で過ごす時にリラックスしてつけていられるように、極端に薄く軽く面積を小さくした試せる入れ歯を作りました。

 このリラックスタイプの入れ歯では思い切り食べることはできないかもしれませんが、入れ歯をつけているストレスが極端に少ないので、非常に快適であると言われました。ついついそのまま忘れて外出してしまうこともあるようです。



◀前ページ l 次ページ▶「 Q.先生、ホントにホントに合うんでしょうか? 」  「 Q.針金が見えるのも歯並びも          
               気に入らないのですが? 」

「入れ歯治療の新発想」


Q.先生、ホントにホントに合うんでしょうか?

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A.試せる入れ歯は満足できる入れ歯になるまでトコトン作るので、
  自分に合った入れ歯が見つかります

 初診の相談を終えて、不安げな表情を浮かべながら、突然Aさんは、「先生、ホントにホントに私でも合うんでしょうか?」と質問されました。Aさんとしては思い切りが必要だった言葉のようで、きっと心から心配されていたのでしょう。

 私はAさんに答えました。「3ヵ月の間、私の持っている技術でトコトンやりますから、ついてきてください。少なくとも今お使いの入れ歯より、十分満足していただけるという自信はあります。今の状態のままで、試せる入れ歯を作って、私の技術を確かめてください」と。

 その後「試せる入れ歯」を作り、その調整はスムーズに進みました。Aさんの場合は、一つ目に作った「試せる入れ歯」で不具合はなく、ご本人もかなり満足されて大きな修正は必要なかったので、難しいケースではありませんでした。
時には、Aさんと異なり、最初に私が想定したデザインの入れ歯ではダメな患者さんもいます。その場合には、新たに型どりから始めて、一から作り直すようにします。

 患者さんが満足されなければ、私のところに来られた意味がないですし、自由診療で入れ歯を作る価値がないと常々考えていますから、患者さんと同様、私も満足するまでトコトン入れ歯を作ります。ちなみに、作り直すというとまた費用がかかるのではないかと思われる患者さんもいますが、この試せる入れ歯は、治療期間中の作り直しの追加費用は全くいただいていません。 

 試せる入れ歯は、自分に合った入れ歯が見つかる、最短で最善の方法だと思っています。



◀前ページ l 次ページ▶「 アフターケア・メンテナンスへ 」  「 Q.「試せる入れ歯」とは、   
                    仮の入れ歯ということでしょうか? 」

「入れ歯治療の新発想」


アフターケア・メンテナンスへ

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 生涯、安定した状態でいてほしいから

 入れ歯にも、歯垢(プラーク)が付着し、口臭や口内炎などの原因になります。入れ歯を長く快適に使っていただくために、おうちでは、最低でも1日に1回は入れ歯用の歯ブラシで洗浄してください。また、もっとおすすめな洗浄方法は超音波洗浄器を使う方法です。

 部分入れ歯の場合、入れ歯を清潔に保つことは、残っている歯の虫歯や歯周病予防にもつながります。お口の中の快適さを維持していくため、当院でもメンテナンスを行います。個人差はありますが、3~6ヵ月、長くとも1年に1回は調整に来ていただけるようにお伝えしています。入れ歯のつけ心地や使い心地はその日の体調でも変化するくらい微妙なものです。長期間経過すると、患者さんの口の中の状態も変化が生じますし、入れ歯も使用し続けていることで劣化していきます。良質の素材を使用しているので、こまめに来院される必要はありませんが、良いコンディションで長期間使用していただくためには、調整することが大切です。可能であれば、3ヵ月に1回の調整がベストです。

 また、部分入れ歯の場合、残っている歯が歯周病や虫歯にならないことも重要です。当院では、残っている歯のケアも大切にしていますから、入れ歯のチェックだけでなく、残っている歯のケアも兼ねて来院されるようにおすすめしています。

 定期的にケアに来られる患者さんについては、例えば入れ歯を落として欠けさせてしまったり、ヒビが入ってしまったりした場合でもケアの範囲内ということで、無料で修理しています。



◀前ページ l 次ページ▶   「 金属床入れ歯(ディアレスト)完成・調整 」  「 Q.先生、ホントにホントに合うんでしょうか? 」

「入れ歯治療の新発想」


金属床入れ歯(ディアレスト)完成・調整

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 「試せる入れ歯」との違いを味わってください!

 金属床入れ歯(ディアレスト)が完成したら、多少調整は必要となりますが、それまで試せる入れ歯をされていた患者さんの場合、おそらく短い期間で調整は終わると思います。なぜなら「試せる入れ歯」の製作と調整により、私が患者さんの特徴をつかんでいますので、よりスムーズな調整が可能だからです。

 一方、初めからディアレストを作られた患者さんの場合には、その方のお口の状態により、1~3ヵ月の調整が必要です。そのため、十分お話しさせていただいたうえ、こちらでも可能な限りの検査と審査をいたします。

 しかし、難しいケースでは、「試せる入れ歯」をされた場合と、そうでない場合とでデザインが異なることもありますので、注意が必要です。要は、より快適なデザインを目指すならやはり「試せる入れ歯」は不可欠であるということです。

製作期間 調整期間
試せる入れ歯 1週間~2週間 1ヵ月~3ヵ月
新開発の金属床入れ歯【ディアレスト】 2週間~1ヵ月 2週間~3ヵ月

※試せる入れ歯からディアレストにした場合は、2週間~1ヵ月ほどの調整で大丈夫です。



◀前ページ l 次ページ▶「 金属床入れ歯の型どり・噛み合わせ・歯並び 」  「 アフターケア・メンテナンスへ 」      

「入れ歯治療の新発想」


金属床入れ歯の型どり・噛み合わせ・歯並び

目次一覧へ 入れ歯のイメージを変える、新開発の入れ歯「ディアレスト」!

 さらに快適な、新開発の金属床入れ歯(ディアレスト)に進む際も、「試せる入れ歯」と同じように、新たに型どり・噛み合わせ・歯並び確認を行います。金属床入れ歯は通常の入れ歯に比べて、「薄く」「軽く」「見た目が良い」ことが特徴ですから、口の中に入れた瞬間に、「あっ!これはいい!」と思っていただけるように、細心の注意を払いながら、デザインを考えています。

 このデザインは、当然一人ひとり異なります。ですから大変ではありますが、私の今までの経験と、「試せる入れ歯」でつかんだ患者さんのクセを思い出しながら、最も理想的なデザインを描いていきますので、おまかせください。
 金属入れ歯(ディアレスト)は、治療計画に歯の治療が入っている方には、何らリスクはありません。被せるもの、詰めるものにアンダーカットの加工を施せば良いだけです。

 問題は治療箇所が全くない、残っている歯がすべて天然歯の方です。その場合、レジンといわれる、歯に接着性の良いプラスチックでアンダーカットの加工をします。歯を全く削らないように処置することもできますが、天然歯の場合にはボールペンのペン先くらいごくわずかに削ることがおすすめです。そうすると不具合はありません。
 全く削らないように加工すると、場合によっては加工が外れることがあります。ただ、削りたくない方は、その都度の修正を了承いただければ、もちろん大丈夫です。

 また、「残っている歯が1本でもディアレストができます」と言いたいところですが、おすすめはしません。常識で考えても、歯が1本しかない人と、5本残っている人では同じ条件で入れ歯ができるとは言えないからです。私としては、ディアレストは患者さんにおすすめしたい最高のものだと思っています。しかし患者さんの期待を裏切ることの方がショックですから、1本でもできるとは言えないのです。

 もしご希望される方は、最低でも「試せる入れ歯」を1年はつけてみることをおすすめします。そのうえでトラブルがなければ、初めてやってみる価値があると思います。



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「入れ歯治療の新発想」


相談と歯の治療

目次一覧へ 手を抜かず、時間をかけて治します

 「試せる入れ歯」が落ち着きましたら、虫歯や歯周病の治療が必要な患者さんは、そこからはじめて治療に入っていきます。1本の歯の治療も、すべて入れ歯につながるものですから、じっくり相談のうえ確実に丁寧な治療を行います。この時にも「試せる入れ歯」の噛み合わせを壊さないように少しずつ治療していくことが基本です。

 また私は1本の歯の根の治療に8ヵ月かけたこともあります。私が「治すことができる」と言った以上、どれだけ時間をかけても治す方法を考えます。保険診療では使えない薬でも、効果のあるものであれば使います。

 歯を1本でも多く残せるように工夫することは、歯科医師にとって入れ歯作りと同様に非常に大切なことですので、決して手を抜くことはありません。

 治療のない方は、そのまま終了となり、その後はメンテナンスに移行するか、あるいは、さらに快適な入れ歯に進むかを検討していただいています。



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「入れ歯治療の新発想」


「試せる入れ歯」完成・調整

目次一覧へ 「試せる入れ歯」は快適!

 こうした行程を経て、一つ目の「試せる入れ歯」が完成し、いよいよ口の中にセットされます。それから個人差はありますが、1~3ヵ月の間実際に使ってみていただき、入れ歯の調整に入ります。この時期に、患者さんに最適なデザインの入れ歯を考えて、私はあの手この手で患者さんと相談しながら、理想的な入れ歯を作り上げていきます。

 最初に私が設計したデザインの入れ歯であまり満足されなかったなら、もう一度型どりから始めて、別のタイプの新しい入れ歯を作ります。そしてそれでもダメならまた作り直しますが、三度も別のタイプの入れ歯を作るということは、ほとんどありません。ちなみに、2回3回「試せる入れ歯」を作り直しても追加の費用は当然いただいていません。私が1回で良いものを作れば、そんな負担はもともと患者さんがしなくてもよいものだからです。

 「試せる入れ歯」は、患者さんだけではなく、私にもいろいろなことを教えてくれます。「試せる入れ歯」は、プラスチック製ではありますが、デザインは保険診療の入れ歯よりも薄く、硬く、快適に考えられています。この「試せる入れ歯」の期間は重要で、最低でも1ヵ月くらいは経過をよくみていかないと、正しい情報が得られません。調整などを工夫していって、患者さんがこの入れ歯に十分納得されることが、次に、より快適な金属床入れ歯(ディアレスト)にステップアップされる時にはとても重要な意味を持ってきます。

 ちなみに、私の医院では「試せる入れ歯」でもう十分満足されている患者さんも多く、「試せる入れ歯」のままで終了される方も少なくありません。人によっては金属にしたからといって、必ずしも費用に見合う快適さが得られるかわからないので、なんでもかんでも金属だから良いものというようなコンサルティングは、私はしておりません。

 例えば30点の入れ歯を入れている人が、70点の入れ歯を入れれば、とても快適に感じると思いますが、80点の入れ歯を入れている人が90点の入れ歯を入れても果たして総合的に見て満足できるかわからないからです。患者さんが何点の評価をされているのか、きちんと判断することも治療の一つだと考えています。



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「入れ歯治療の新発想」


「試せる入れ歯」の噛み合わせ・歯並び

目次一覧へ安定した噛み合わせを探し、見た目の良い歯並びを目指す!

 型どりの次は、噛み合わせを決めます。歯をつけていない、歯ぐきの部分だけの入れ歯のようなものをお口に入れ、噛み合う位置、高さを決めていくものです。

 入れ歯は上下の噛み合わせが非常に重要になってきます。噛み合わせがズレてしまっては、その後の歯並びも合わないですし、完成して噛み合わせても、うまく噛めません。ただし当医院では作り直しも想定していますので、1回でうまくいかなくても心配ありません。何度でもやり直せます。

 そして患者さんにできるだけ気楽に治療に参加していただくと、良い噛み合わせがとれることが多いです。また初めの噛み合わせ(スタートバイト)は、あとで修正がきく程度に決まれば何ら問題ありません。

 実際には、目鼻の位置、首の傾き、左右の噛み癖、噛む力、顔のしわの寄り具合、何度やっても同じ位置を記録できること、姿勢を変えてみても安定しているなど、さまざまな要素を診断して、正しい位置を探します。言葉では説明できない、経験と勘がここには含まれています。

 患者さんの中には、それまでの生活スタイルから、強い噛み癖が残っていたり、夜中に歯ぎしりを強く行っているような方も数多くいらっしゃいます。これらの噛み合わせのズレのようなものは、改善される場合もあれば、逆に無理に変化させて悪くなる場合もありますから、私の場合、まずは大きな変化はさせずに、少しずつより良い状態に移行させていく方法で、正しい噛み合わせを探していきます。

 最初から急に噛み合わせを変化させるのではなく、それ以外にも改善すべきところはたくさんありますので、それらを改善してから、少しずつお口に合わせて改良していくのがベストな方法だと考えています。

 患者さんのお口を一度見ただけですぐにわかるほど、噛み合わせは簡単な問題ではありません。十分に患者さんのクセをつかんでから、慎重に治療に入っていきます。

 そして歯並びは、専属の歯科技工士が1本1本患者さんの口元に合わせて人工歯を並べていきます。実際に何度も口に入れていただき、鏡でじっくり何度も確認していただきながら、見た目の良い歯並びにしていきます。基本的なところはおまかせいただければ大丈夫だと思いますが、材質、形など歯の種類もたくさんあり、色も変えられますので、患者さんの好みに合った形・色の歯を選んでいただいてももちろん構いません。歯並びに関しては患者さんの好みを第一に考えていますので、ぜひいろんな注文を出していただきたいと思っています。

 入れ歯を作るうえで、この噛み合わせと歯並びの決定は、顔の印象を決めるとても重要な要素ですから、歯科技工士とも相談しながら、入念に患者さんの顔立ちや口元に合わせて作っていきます。患者さんにとっては、自分の歯並びを見た目から考えるのは初めてかもしれませんが、逆に楽しんでご自分の歯並びを決めていただけたらと思います。

 できるだけ患者さんのご希望に添えるように、お作りいたします。



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「入れ歯治療の新発想」


「試せる入れ歯」の型どり

目次一覧へ 良い型を求めて、何度でもとり直す!

治療計画が決まりましたら、入れ歯を作ることになりますが、その際に、私は極力、今の残っている歯の状態のままで入れ歯を入れることをおすすめしています。

 なぜなら、万が一入れ歯自体を受けつけない方の場合、歯を抜いたり、治療してしまったら、元の状態に戻せないからです。歯を抜かず、治療も行わず入れ歯を入れてもらい、ある程度落ち着いてから、良くない歯をどうするか相談していきます。歯を抜いたり、治療するのは、入れ歯が安定してからでも決して遅くはありません。
 そのほうが、患者さんへの負担もリスクも少ないのです。

 また、普通に診断したら抜くべきである歯も、患者さんが抜きたくなければ、抜かずにそのままできる限りのケアをしていきます。そして後日、痛みや腫れで、抜くしか方法がない状態になった際には、相談のうえで抜くようにして、日常生活に差しつかえないように、抜いたその日のうちに入れ歯に歯を追加して帰っていただけるようプランを立てます。
 つまり歯を抜きたくない方には、抜いた時に修正できるような工夫をあらかじめ入れ歯にしておきます。患者さんにとっては、本当に大切な1本ですから、患者さんの思いに合わせて、修正可能な入れ歯をお作りしています。

 入れ歯を作る時、最初に行うのは、型どりです。患者さんに合う入れ歯を作るためには、精密な型をとることが必要不可欠です。保険診療で作る入れ歯の場合、型どりは1回行うだけですが、私の医院では、基本的に2回行います。
 1度目は決まった大きさの既成の型ワク(トレー)を使って大まかにとり、その型を基にして、新たに患者さんの口に合わせたオーダーメイドの型ワク(個人トレー)を作ります。1度目の型どりは、いわば患者さん専用の型ワクを作るための型どりです。そして、2度目に患者さんに合わせた型ワクを使って、より精密にとるのです。

 このような方法でとると、型どりをする時にしっかり圧力がかけられますので、2度目の型は1度目の既成の型では比べものにならないくらいに細部まで正確な型がとれます。
 この型を失敗せず、妥協することなくとることが、クオリティの高い入れ歯を作るうえでとても重要なのです。



◀前ページ l 次ページ▶  「 初診の診断・相談・治療計画・見積 」  「 「試せる入れ歯」の噛み合わせ・歯並び 」

「入れ歯治療の新発想」


治療の流れ 【初診の診断・相談・治療計画・見積】

目次一覧へ
 診断はすべての始まり!
 電話やメールにて、最初のご連絡をいただいたら、約1時間、初診の予約時間を取ります。
 初診では、口のなかの診断、レントゲン検査、私の治療方針の説明、相談、治療計画と見積をお作りしますが、最も大切なことは、治療計画を考える際に、「患者さんの一番の願いは何であるのか!」を私がしっかり理解することだと思っています。
 ここを間違ってしまっては、最終のゴールが違うところに行ってしまいますので、慎重に患者さんの話を聞き、主訴を確認し診断して治療計画をお話しします。特に初めは、歯を削らないこと、抜かないことをしっかり理解してもらったうえで、治療の第1段階をお話しします。

 お互い初対面であり、特に患者さんは緊張されている場合も多いので、最初からスムーズに会話をするのは難しいかもしれません。
 「私は人見知りだから」「口下手だから」という方もいらっしゃいますので、私はどちららと言うと、初めはできるだけリラックスしてお話ししてもらえるよう努めるようにしています。時間はしっかり取っていますから、思う存分お話しください。

 治療計画については、口の中をすべて治したいといわれる患者さんもいれば、一部だけという患者さんもいらっしゃいます。その方に合わせて、1案と言わず、2案でも3案でも提案します。また、最初は一部だけ治して、私の技術が信頼できたら、追加して治療するという方法をおすすめする場合もあります。上下二つの入れ歯の患者さんで、先に上だけ作ってから、あとで下を作るということも可能です。  その治療計画に基づく見積書も同時に提示いたしますので、料金もきちんと確認してください。
 大切なことですので、「あまり料金のことを細かく聞くのは...」などと遠慮することなく、しっかりと質問してください。
 一つ一つ説明していきます。

 料金に関しては、自宅に帰られて家族の方ともご相談されてから、あらためてご連絡いただくよう、おすすめしています。
 初めての話し合いで緊張されている中、よく理解せずにその場で決めてしまっては、あとで患者さんも私も困りますし、特に入れ歯の治療は、やはり回数を通わなくてはいけませんので、そのあたりも含めて、よく考えてから決めていただくようにおすすめしています。
 そして、治療することを決めていただいた時には、もう一度私が患者さんの問診によって理解したことを文章化して、「あなたの一番の願いはこういうことですね」という確認を必ずとります。
 「そんなつもりではなかった」という患者さんの誤解を生まないようにするためです。
 また、他の歯科医院と連携を取ることも可能ですので、「虫歯の治療はかかりつけの先生に保険を使って診てもらって、入れ歯だけお願いしたい」ということであれば、それでも一向に構いません。
 ただ、治療の責任の所在をきちんとしなければならない部分もあるので、その点はご理解いただくこともあると思います。



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「入れ歯治療の新発想」

治療の流れ

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 ここからは、実際に私の歯科医院で日々行っている、入れ歯作りの取り組みについて細かく説明していきます。

 一般の方々は、「入れ歯」という言葉に何らかの抵抗があるものと思いますので、私の歯科医院は入れ歯専門ではありますが、表の看板や表示サインなどに「入れ歯」という言葉は載せていません。患者さんが来院される際に、「入れ歯」と書かれたところに入りづらいと思われるといけないからです。

 院内に入ったら、スタッフが個室の待合室に案内します。そのため他の患者さんと顔を合わせることもありません。極力プライバシーを確保するために、待合室にはそれぞれ洗面所も備えつけています。また、家族や友人とご一緒に来院された場合は、診療室に同席されることももちろん可能です。ご高齢の患者さんの場合には、むしろ付き添いの家族の方も同様にお話を聞いていただいた方が良いかと思います。

1. 初診の診断・相談・治療計画・見積
2. 「試せる入れ歯」の型どり
3. 「試せる入れ歯」の噛み合わせ・歯並び
4. 「試せる入れ歯」完成・調整
5. 相談と歯の治療
6. 金属床入れ歯の型どり・噛み合わせ・歯並び
7. 金属床入れ歯(ディアレスト)完成・調整
8. アフターケア・メンテナンスへ



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「入れ歯治療の新発想」

後悔しないための安心・安全治療の六つのお約束

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 次の六か条は、私が現在の歯科医院で患者さんに安心して治療していただくために、実行していることです。

 第一条 まずは、今の歯の状態のままで、抜かず、削らずに型どりをして入れ歯を作ります
 第二条 患者さんが抜きたくない歯は、最後まで抜きません
 第三条 患者さんが削りたくない歯は、最後まで削りません
 第四条 入れ歯がある程度落ち着いてから、その後に患者さんが希望する歯の治療をします
 第五条 「試せる入れ歯」一つの入れ歯でうまくいかなければ、二つ三つと別のタイプの入れ歯を作り直します
 第六条 患者さんが提案する治療を可能な限り試してみます

 いつか自分が開業したら、歯科医師が患者さんに対してきちんと責任が取れるような治療を実行しようと思っていました。
そして考え出した、患者さんの負担やリスクが最も少ないと思われる、入れ歯の治療の進め方がこの六か条です。

 なぜ、このような取り決めを実行しているかと言えば、初めて私の歯科医院に来られる患者さんの多くは、「本当にここで治療して大丈夫だろうか」と不安に思われているからです。私がどんな人間で、どんな治療をして、そして「本当に入れ歯がうまく入るのか?」と心の中で不安に思われている方も少なくないはずです。

 私も自分自身がすべての人に合う歯科医師だとは思っていませんし、またいきなり初対面で「私を信頼してください」などと、とても言えません。信頼とはそんなに簡単に得られるものではないと思っています。

 そこで、来院される患者さんと私との間で、お互いに信頼を築くうえで、何らかの決まりごとを作るべきだと考えました。
「患者さんは着手金以外に、痛みや取り返しのつかないような負担を何ら負わないようにする」というシンプルな考えのもとに作りました。

 当医院を選んで、わざわざ足を運んでくださった患者さんに、安心して診療を受けていただくために、このような患者さんとのお約束を守るようにしています。実際に着手金以上のサービスと技術を実感していただいて、私たちの医院を判定していただけたらと思います。



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「入れ歯治療の新発想」


金属製入れ歯「ディアレスト」、成功のガイドライン

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 新しい金属床入れ歯(ディアレスト)が成功かどうかは、次の3つがそのガイドラインになります。

①1年間メンテナンスのみで使用できたかどうか
②1年間、歯に変化がないかどうか
③ 年前の状態と使用感が変わらないかどうか

 まとめると、「次の1年も同じ条件で使っていけるかどうか」ということが基準です。

 患者さんに「これは何年くらい持ちますか?」と聞かれますが、体は年々変化していきます。私としては1年ごとに経過を見ていくしかありません。「この1年が問題なければ、次の1年も問題ないはず」。この繰り返しが、みなさんの期待を裏切らないお答えになるのではないかと思います。ただこれではわかりにくいので、「今のところ3年使っている方が最長なのでその程度は問題はありません」とお答えするにとどめております。そして、定期的にメンテナンスに来院していただくことをおすすめします。

 人は機械ではありませんので、10年持つか20年持つかは、その人の生活をもっと知らないとそれぞれにお答えできないでしょう。

 ただし、これだけは覚えておいてください。入れ歯が使えなくなる原因は主に残っている歯のケアに最も左右されることを。そして残っている歯への負担が非常に少ないことも含めて、この新開発のディアレストは最高のデザインであることを。



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「ディアレスト」 」            

「入れ歯治療の新発想」

噛みやすく、薄く、軽い 新開発の金属製入れ歯「ディアレスト」

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 新開発の金属床入れ歯の名前「ディアレスト」は英語のディア(親愛なる)の最上級「ディアレスト(最愛の)」から由来しています。入れ歯という響きをなくしたいという意図と、大切な人が入れ歯になった時に、最高のものを贈りたいという願いで名づけました。

 金属床入れ歯(ディアレスト)は、私の母に入れ歯を作ろうとしたことがきっかけで生まれました。母も入れ歯で長年苦労しておりましたので、親孝行のつもりで、「見た目よく」「違和感なく」「「噛みやすく」「薄く」「軽く」を追求して製作を試みました。試せる入れ歯を3回作り直して、試作品が完成するまでに1年くらいかかっています。母親も率直に、改善点を指摘してくれたことがとても参考になりました。

 最も知恵を絞ったのが、見た目よく作るために工夫した、アンダーカットの形態です。もちろん歯の治療もやり直し、残っている歯のコンディションを維持するため、歯ブラシ指導もきちんとやりました。

 完成した時には、「これはいいね。しゃべりやすいし、つけて寝てもわずらわしくない」ということで、試作品から半年後にようやく合格点をもらいました。さらにそこから1年経過を見ることにしました。そして何事もなく1年が過ぎました。
 「こんなにぴったりフィットの入れ歯は初めて。いちじくの種もゴマみたいな小さいものも入ってこないし。快適」というコメントをもらったので、この時点でようやく、「商品化していいかも?」と思いました。
 それから、何人かの信頼のおける患者さんにお願いして、この入れ歯を試してもらいました。そして1年近く経過を見て、コメントをいただき、全員一致で、「良い」という手ごたえある言葉をもらいましたので、いよいよ商品化に踏み切りました。この3年間、どなたにも問題は発生していません。

 金属床入れ歯(ディアレスト)は進化する入れ歯ですので、若干マイナーチェンジも行っています。使っていただきながら、さらに使いやすくするために修正するということも時にはあるためです。今のところ、この修正は使っている方と私の間の企業秘密ですが、もしうまくいくようなら、これも将来、標準装備になっていく可能性はあります。

 前述の七つの項目を最低限満たすものだけがディアレストとなりますが、適応症例は、「残っている歯」にかかっています。残っている歯の状態や、どこの部分に何本残っているかが重要で、当たり前かも知れませんが、丈夫な歯が残っていれば残っていただけ条件良く作れます。

 しかし、金属製入れ歯(ディアレスト)はあらゆる発想を駆使して作ります。みなさんの希望次第ではこれまでにない入れ歯をご提供できるかもしれませんので、これからもいろいろなケースに挑戦していきます。こんな入れ歯があったらいいなと思われたら、ぜひご相談ください。

 ゴールをどこに持ってくるかでおすすめ度は違ってきますので、このディアレストだけが入れ歯ではないこともつけ加えておきます。



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「入れ歯治療の新発想」

「こんな入れ歯があるならインプラントにしなかった」

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 金属床入れ歯(ディアレスト)を入れた患者さんのコメントは、異口同音に「楽」という一言に尽きます。

 上下の歯型をとるだけでつらいと感じる人でも「なんとかこれだったら大丈夫です」といっていただけるレベルです。
 少々神経質な方々にもまずまずの評判です。味覚を損ないたくないとおっしゃっていた料理人の方にも好評でした。

 今でも新開発の金属床入れ歯(ディアレスト)をセットしたすべての方に、メンテナンスにお越しいただいていますので、「使い続けることを選んでいただいたのだ」と、私は感じています。

 特に印象的だったコメントは「こんな入れ歯があると知っていたら、以前抜いた歯もインプラントにしなかったんですけどね」というものです。ちょっとうれしかったですね。

 もう一つご紹介しましょう。
 「同窓会に出たらみんな歯が悪くなっているの。入れ歯の人もいるのよ。『あなたはいいわね、まだ入れ歯になっていなくて』って言われて、どうしようかと思いました」という言葉です。
 これもうれしかったです。

入れ歯をしている人は、他人が入れ歯かどうか案外わかりますが、それがわからなかったわけですから、見た目の作りもなかなかのものといえるでしょう。



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            「ディアレスト」 」

「入れ歯治療の新発想」

金属製入れ歯(ディアレスト)の構造と特徴

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 金属製入れ歯(ディアレスト)は、カッチと入る感覚と、邪魔にならないつけ心地の良さが最大の特徴です。クラスプという金属が見えないため、見た目にも美しいです。具体的にご説明すると、新開発の金属製入れ歯(ディアレスト)は次のような作りになっています。

 歯に当たる部分は、チタン合金製で、金属でありながら、ピタッと貼り付くフィット感があってカチリと留まります。薄く、軽くできるのも金属ならではです。素材を選び、薄さと軽さを追求した結果、重量は10円硬貨2枚分の約8gまで軽量化を実現しております。

 その外側の歯ぐき部分は、上質なプラスチックで、最も薄い部分はわずか1㎜です。通常保険診療で使用されるプラスチックは、2〜3㎜の厚みですので、その約1/3の厚みになることは、異物感が相当軽減されます。この上質なプラスチックは、薄くても硬いという特徴があり、食べものの匂いや色も着きにくい素材です。
 人工歯部分は歯科技工士が残っている歯にマッチするように、患者さんの好みや顔立ち、口元に合う美しい歯を作製します。

 チタン合金を薄く加工することで、装着感が良いだけでなく、噛んだ時もしなやかに力を受け止め、良い食感が得られます。お口の中で金属の味がすることもありません。上あごの入れ歯を、あごの天井をおおわない無口蓋タイプにできれば、お口の中が広く使え、熱いものは熱く、冷たいものは冷たく味わうこともできます。もちろん、発声や発音がしやすくなるよう粘膜との境目をなめらかに仕上げています。



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「入れ歯治療の新発想」


「試せる入れ歯」から生まれた、日本人に合った金属床入れ歯「ディアレスト」

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 私は「試せる入れ歯」を始めてみて、日本人においてその特有の傾向があることを知りました。それらに応える、あるいは日本人特有の要望を取り入れるような入れ歯とはどんなものなのでしょうか。
 どの文献をひも解いてもその答えは見つかりません。歯科技工士とともに、手探りの毎日です。こればかりはセットした瞬間の患者さんの表情から判断する以外に方法がありません。

 同じ患者さんの歯型模型を見ても、私と歯科技工士の改善処置対策は異なることがあります。
 私は、患者さんの口のなかを見て、そのイメージでこういうデザインなら患者さんの希望に叶うのではないかと判断します。一方、歯科技工士は歯型を見てそこから患者さんの希望に叶うようなデザインを考えます。

 歯科技工士も診療に立ち会って、患者さんの口の中を一緒に見ますが、私が見ているようには見ることができません。また逆に私も歯科技工士のように見たりデサインを考えたりはできません。
 ここでお互いに意見のすり合わせをして、できそうなものを具体化します。そうした試行錯誤の繰り返しで、今のところ患者さんに高評価なものだけを挙げてみましょう。

1. 入れ歯を留めるのはクラスプよりアンダーカットを利用する
入れ歯が外れないように留めるための装置は、クラスプではなく、できる限りアンダーカットと呼ばれる部分を利用することがいいようです。
場合によって治療する歯にそのアンダーカットの形態を細工することで、見た目を損なわず、より外れにくい入れ歯になります(アンダーカットの細工はいたってシンプルです)。

2. 軽いものがよい
入れ歯は、歯への負担を考えると、できる限り軽いものが理想です。ただし下あごの総入れ歯は例外的に重いものがよいこともあります。

3. 側を滑らかに薄く仕上げる
入れ歯は、外側(頬の側)はある程度材料の厚みがあっても気になりませんが、内側は厚みや、面積が大きければ気になります。内側をできるだけ滑らかに薄く仕上げることが良いです。さらに分析すると、「厚みの異物感」の方が「面積の異物感」より大きいようなので、どうしてもどちらかを選ばないといけない場合には面積を広くして、厚みを薄く滑らかに仕上げる方が好まれます。

4. チタン合金を使用して、薄く、軽く
違和感や異物感を減らすため、薄く、軽い入れ歯にしていますが、今のところそのための素材には、チタン合金が最も優れています。

5. 無口蓋入れ歯のほうが好まれる
上あごの入れ歯は、できる限り上あごの天井をおおわない入れ歯(無口蓋入れ歯)にするほうが好評です。

6. メタルアップがよい
粘膜に入れ歯の一部が触れたままになるより、歯牙に触れたままになる方が圧倒的に異物感が気になりません。金属バーよりもメタルアップのほうが快適です。

7. できるだけ粘膜で支える
特定の歯だけに力がかかるような設計は、長期的に見て得策ではありません。できるだけ粘膜で支えられるように設計を考えます。歯の負担はどちらかといえば補助的にします。

 以上の七つの項目を基本として、「日本人に合った、歯に優しい金属製入れ歯(ディアレスト)」を開発しました。

 七つの項目以外にも、あなただけに使える限界の設計まで作り込みますので、人によってはブリッジの感覚に限りなく近くなります。



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「入れ歯治療の新発想」


日本人の傾向からカスタムアップしていく

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 欧米の発想にとらわれることなく、患者さんの自由な発想の中から、「試せる入れ歯」を作ってみて日本人に特有ないくつかの傾向があることがわかりました。
 それは、次のような傾向です。

① 本人は、クラスプ(歯に引っ掛ける金属のバネ)が歯を締めつける感覚をとても不快に感じる。あるいは締めつけが強いと感じる。
② 日本人は、トレーニングによって、かなり器用に入れ歯を使いこなせる。
③ 日本人は、口の感覚が敏感である。味や匂いの感覚も繊細で、入れ歯の薄さや軽さによく気がつく。そのため、頑丈さより繊細な作りのものを好む。
④ 日本人は、模型的な美しさより、自然な美しさを好む。ゆえに歯並びは左右対称なものよりいくらか揺らぎのアレンジを加えた方がよい。
⑤ もう一つ、日本人(特に女性の方)は、人前で外さなくてもよいような工夫をしなければならない。レントゲンやCT検査の時に入れ歯を外したくない方が結構おられる。また友人と旅行に行っても、夜も外したくないという方は多い。
⑥ さらに日本人女性の場合には、しゃべる時あるいは歌う時に発声を邪魔しないものを求めるレベルが、男性よりもハードルがやや高い。

 これらの基本事項を念頭において、カスタムアップしていくと、うまくいく場合が圧倒的に多いです。もちろん前にも述べているように、先入観で作ってしまうと、不都合が生じることもありますので、うまくいかないと判断すれば、そこにこだわらないように気をつけています。

 「入れ歯は、落ちない、動かないぎりぎりのところで使いこなせるものが良い」と第2章で述べましたが、これを日本人の傾向と重ねると、かなり限界に近い入れ歯を作ることができます。特に、クラスプを使う必要はなくなります。
 私は「入れ歯が外れる不具合はクラスプで改善」という欧米型の発想からそろそろ抜け出るべきではないかと思います。また、クラスプを使わない入れ歯もこれまでありましたが、構造や加工が複雑で、壊れた時に修理もできなければ、歯を傷める可能性のあるものが多く、長期的に歯にリスクの少ないものをと考えるとおすすめできないところです。

 また、入れ歯にかかった費用の割には、入れたその時が入れ歯の最高の状態で、あとは歯周病による歯の揺れや、虫歯などによって、使えないものになってしまうものが多いように思います。もちろんクラスプやコーヌスも素晴らしい技術ですが、それ以外に外れない方法を考えなければ、入れ歯は飛躍的に良いものになりません。外れない入れ歯ということよりも、外れてもよい、外れることがメリットと患者さんに理解してもらうことも一つの治療だと思います。
 とにかく、複雑な装置など必要とせず、歯に強い締めつけがなく、シンプルに歯に留まるということはとても素晴らしいことです。それは虫歯になりにくく、歯周病にもなりにくい、歯に負担をかけない、壊れにくい、費用がかからないなどメリットが数多くあります。

 デザインはまさに「シンプル・イズ・ベスト」です。いかに単純な装置を作るかが、試せる入れ歯作りのポイントになりますが、これを可能にしたのが、私の開発した金属床の入れ歯であり、これこそ「試せる入れ歯」から進化した究極的なデザインだと思います。



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「入れ歯治療の新発想」


欧米の発想では必ずしもうまくいくとは限らない

目次一覧へ 「欧米人と日本人では入れ歯の作り方が違うのかもしれない」
 このことに気づかされたのは、ある患者さんの希望通りにカスタムアップしてみた入れ歯が、いわゆる入れ歯の基本を踏まえていない作りであるにもかかわらず、何の不具合もなく満足されているところを見た時でした。

 初めは、いくら試してみることができるとはいえ、そこまで患者さんの希望通りに作ってしまったことに不安を感じていましたが、一つの成功例を見ると、これは案外、他のケースでも試してみる価値があるのではないかと考えました。
 それから、長期治療に協力していただける患者さんと、とことんまで話し合って作ってみました。とにかく患者さんの希望を忠実に再現することにこだわって入れ歯作りをしたのです。そして患者さんに徹底した「聞き取り」を行うこの製作方法により、これまで快適に入れ歯を使っていたと言われていた人でさえ「こんなものができるとは知らなかった」「これは快適だ」と絶賛していただける入れ歯を作り上げることができるようになりました。

 もちろん個人差はありますが、このことでわかったのは、「多くの日本人は欧米人より器用で、口の中の感覚は敏感で、繊細である」ということです。また、日本人には独特の美的感覚、違和感、食生活への強い思い入れがあり、必ずしも欧米型の入れ歯である必要はないということがわかりました。
 こうして作った入れ歯は薄すぎたり、軽すぎたり、いわゆるデリケートな作りをしているため、欧米人には不向きかもしれませんが、私が診ている患者さんのほとんどは日本人です。日本人に合った作り方に固執した方が、より高い満足度が得られるように感じます。

 歯科業界でも、いまだに海外のものは日本のものより優れているという考え方が根強いため、われわれもつい欧米至上主義におちいってしまいがちです。私も知らず知らずのうちにその考え方が染みついていたことに気づかされました。
大学で学んだ入れ歯作りの方法が間違っているかもしれない、とは普通疑わないものです。私がこれまで作ってきた入れ歯の中には、他の歯科医師だったら、「そんなやり方ではうまくいくはずがない」と初めから拒否したり、「それは解決できない、無理です」というものもあるかもしれません。
 今、一般的に行われている入れ歯作りは、欧米型の入れ歯を日本の患者さんに当てはめ、できる範囲の中から選んでもらっているという感じではないでしょうか。本当の意味で患者さんに合った入れ歯は作っていないのではないか、と思います。

 試してみる入れ歯作りを進化させると、いわゆる日本人の器用さを最大限に利用し、日本人の神経質さを最大限に考慮するような入れ歯作りも可能となります。基本パーツ以外、決まった型はありません。
昆布やスルメなどやたら硬いものは噛まないので、通常の食事で味覚を損なわず、残っている歯に極力負担をかけず、現状が長持ちする入れ歯がよいと考える人、違和感や異物感ができるだけ少ない、見た目のよい入れ歯が欲しいと考えている人は、「日本人に合った、試してみる入れ歯作り」が適していると思います。また今の入れ歯で満足している人も、本当はもっと自分に適した入れ歯があるかもしれません。

 あるいは入れ歯を入れたことがない人でも、初めからこの「日本人に合った、試してみる入れ歯作り」のステップを踏んで作り込んでいけば、最もリスクやストレスがなく自分に合った入れ歯を最短の方法で作ることができると思います。



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「入れ歯治療の新発想」


安心・安全な入れ歯作りの6項目

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 「試せる入れ歯」を入れる時、みなさんは将来最悪の場合には総入れ歯になるかもしれないということを想定して使ってみてください。また、総入れ歯にはならない可能性が高い人でも、無理にとはいいませんが、体験しておいて損はないと思います。あなたが総入れ歯になったら、どういう状態で入れ歯を使わなくてはならなくなるのかをしっかり体験して、そして考えていただきたいと思うのです。
総入れ歯タイプになると、特に上あごの入れ歯は、天井をおおう床部分があることで、口の中で違和感が大きかったり、食べものの味や温度がわかりにくい、発音しにくいなど、気になるところも出てくるかと思います。そういう入れ歯をどう扱い、使いこなせるかによって、その後作る入れ歯のバリエーションが大まかに決まってきます。
この総入れ歯タイプの「試せる入れ歯」を体験していただくと、次の6つのメリットがあります。そしてこの6項目を確認することで、その後製作する入れ歯にいろいろなことを反映していくことができるのです。

1. 歯のお手入れのモチベーションが維持できる
 仮に将来総入れ歯になる可能性が少なくても、総入れ歯になったときの大変さを実感することで、今後の歯のお手入れのモチベーション(「がんばっていくぞ」という気持ち)を維持することが可能になります。つまり、歯周病や虫歯で残っている歯を失うことがないよう、日々のケアを頑張ってもらえるということが期待できます。

2. 違和感・異物感がどの程度か判定できる
 どのくらい違和感、異物感に我慢強い性格なのかが、歯科医も、そして患者さん自身も判定することができます。違和感、異物感に抵抗のない人などは、場合によってはあえて高価な入れ歯にしなくても使いこなせる可能性がでてきます。また、総入れ歯タイプの試せる入れ歯で大丈夫なようであれば、歯にほとんど負担をかけないような入れ歯を作ることができます。総入れ歯は、歯に負担を全くかけないわけですからデザインの自由度はかなり広がります。

3. 修正をすることで、快適に感じることができる
 悪条件の下で使う入れ歯に慣れておけば、ちょっとでも楽になるような修正を加えることによって、快適に感じることができます。人は楽なところからつらいところにはなかなか慣れにくいものですが、つらいところから楽なところには慣れやすいものです。
特に、発音などは、調整していくことで改善することが容易にできます。入れ歯で発音をスムーズに行うためには、多少のトレーニングが必要となりますが、最初の総入れ歯タイプの入れ歯はそのためトレーニング用入れ歯の役目も果たします。

4. 歯の治療のバリエーションが増える
 このタイプの入れ歯が使い慣れるようであれば、将来的にもし全部の歯を失ったとしても、こちらもなんとか対応できるので、歯の治療のバリエーションが増えます。思い切った歯の治療ができることになります。場合によっては、歯周病で動いている歯であっても、患者さんが希望すれば治療して残していくことも可能になります。

5. 患者さんの精神的負担が軽くなる
 ここまでの悪条件をクリアできれば、以後は何をやってもうまくいくので、患者さんも最悪の状態から日に日に条件が良くなる治療に転化するため、精神的に負担が軽くなり、治療にも前向きになりやすくなります。

6. 他の選択肢も見えてくる
 ②から⑤までにうまくなじんでいくことができない場合には、どういう方法があるでしょうか。そういう場合は、入れ歯安定剤で安定させたり、入れ歯ではなくインプラントを選ぶことなどの検討が必要かもしれません。
このように、他の方法の選択肢が上がってくるのも、とりあえず入れ歯を入れてみて試したからだといえます。

 この6項目を確認してから、さらにどのような入れ歯が好みなのかを患者さんと相談することにより、その後、上あごのおおっている部分をくり抜いたりしてより現実的に使いこなせる入れ歯を作ることができるのです。もちろん総入れ歯を作る場合でも、このちょっと悪条件から始める、「試せる入れ歯」が有効です。3番目の項目が特に重要になります。
初めに書きましたが、いろいろ試してみて、最後に理想的な入れ歯のデザインでもう一度作り直すというこの「試せる入れ歯」は、入れ歯に悩む患者さんにとっては、とても合理的な作り方の入れ歯だと思います。



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「入れ歯治療の新発想」


先を見据えた入れ歯治療

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 第1章で、入れ歯を入れる際に噛み合わせが重要であることを書きましたが、「試せる入れ歯」であっても、これは同じく重要なことです。ただ、「試せる入れ歯」ではこの時に、同時に過酷な条件下、はっきり言えば、患者さんにとって悪条件の下で入れ歯が入れられるかどうかも確認しなければなりません

 例えばよくあるケースとして、上あごに歯が2、3本しか残ってなくて、その歯もすでに決して大丈夫とはいえない状態、しかし今使っている入れ歯は、残っている歯にバネ(クラスプ)で固定して、かろうじて使えている...。
 そのような患者さんで、新しい入れ歯を作りたいと来られた時、「さあどうするか?」です。

 バネをかける歯は、負担がかかってぐらぐらしたり、食べカスがたまって虫歯になりやすいというマイナス面があります。このような状態では、最高級の入れ歯を作っても、間もなく残っている歯に固定することが難しくなり、やがて使えなくなることは目に見えています。
 もちろんそれでもその入れ歯を作り、セットした時だけ「良かった良かった」と満足するので構わなければ、そういう選択もあるとは思いますが、決しておすすめはできない方法です。

 こうした場合、早ければ1年以内に残っている歯も抜けてしまい総入れ歯になる可能性があります。もちろん、こういった状況でも、数年、あるいはもっとそれ以上現状維持されている人もいないわけではありません。
 ですから、望みは捨てるべきではありませんが、うまくいく場合のことばかりを考えて治療し、結果的にそうならなかった時にはどうするのかを考えておかなければ、今だけ満足する、単なる問題先送りの治療で、根本的には何も解決していないかもしれません。

 危なっかしい歯でも残す価値はありますが、抜けてしまう場合も考えておかなければ、決して安心、万全な治療とは言えないでしょう。言いにくいこともありますが、私は現実をきちんと話しておくことも大切な治療の一部だと思っています。現実逃避の治療を行って行き着くところまで行き着いた時に、最後に困るのは患者さん自身ですから。

 ちょっと話がそれてしまいましたが、「上あごに歯が2、3本しか残ってなくて、その歯もすでに決して大丈夫とはいえない状態」の患者さんは、まず、上あごをしっかりプラスチック(床)でおおう、総入れ歯タイプの入れ歯を試してみることをおすすめします。
 「私はオエッとえずくので上あごをおおう入れ歯は無理です」と言われても、ここはなんとかがんばって乗り越えていただきたいところです。患者さんにとっては悪条件な入れ歯とわかってはいますが、まずはこの入れ歯から試してみてください。
ひとまず挑戦してみることが大切です。私も今後の治療に責任を持つ以上、患者さんも、初めからあきらめることはしないで、乗り越えるという方法も会得していただきたいと思います。

 このような、将来総入れ歯になる可能性が高い患者さんには、最初に総入れ歯のような上あごをしっかりおおうような入れ歯を試してみます。試す入れ歯だからといって、製作には手を抜きません。当然快適性も考えてきちんとしたものを作ります。



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「入れ歯治療の新発想」


試すことになぜ時間をかけるのか

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 ここで患者さんが疑問に思うのが、「なぜ先生は1回でその調整ができないのか?」ということです。
 やってみるとわかりますが、カスタムアップする時、徐々に残っている歯への負担が大きくなっていきます。相談する時に、「ここの歯への負担を少し増やしますね」と確認しながら、少しずつ負担をかけていきます。

 単純に歯に頼るだけの設計で作ってしまうと、今後は力をかけた歯が悪くなることを加速するだけです。どの歯が負担をかけても大丈夫なのか、そしてどのくらい力をかけても大丈夫なのかは、それこそ試してみないとわかりません。できるだけ負担をかけないで作ることが入れ歯は大切で、難しいところです。

 入れ歯は「落ちない、動かないぎりぎりのところ」で使いこなせるものが良いのです。つまり、外れるか外れないかくらいのその絶妙な限界点を探す必要があります。そのぎりぎりのところを探すのは、とても微妙な調整になるので、1回や2回ではできません。
 患者さんが私の入れ歯の調整ポイントを理解してくると、「落ちないもの、外れないものが良い」という本来の価値基準ではなくなり、「落ちそう、外れそうだけれどもなんとか使いこなせる」という微妙な位置を患者さんの方から指定できるようになります。もうその頃には、患者さんがうまく入れ歯を使いこなせる域に入っています。

 この調整に慣れてくると、以前に別のタイプの入れ歯を使っていた人は、「今までこんなきつい入れ歯を入れていたとは自分でも信じられない」あるいは「歯に締めつける感じがなくて楽ですね」とほとんどの患者さんがおっしゃいます。実はこの言葉が、あとの章に出てくる、「日本人に合った入れ歯」のできるきっかけとなりました。このお話は第3章の冒頭でまた述べたいと思います。
 では、なぜ入れ歯は「落ちない、動かないぎりぎりのところ」に調整して使いこなせるものが良いのでしょうか?それは単純な話、残っている歯に余分な力をかけないためです。残っている歯に余分な力などがかからない方が良いに決まっています。それでなくても、患者さんは歯周病や虫歯で歯を失って入れ歯になったわけです。残った歯に余分な力を負担させるというのは、それだけで、歯周病や虫歯を悪化させてしまう結構なリスクを負うことになります。
 ましてや特定の歯だけにその力を負担させるとどうでしょう。場合によっては、本来良い歯であっても余分な負担のため、次第にぐらついて抜けてしまうかもしれません。

 靴などもそうですが、お店で試し履きした時には、ぴったりフィットして快適そうに思えても、長時間履いていると疲れが出るとか、場合によっては履いて帰るその道中痛みが出始めることもあるでしょう。
 さらには走ったり、山に登ったりと、かなり過酷な条件のもとでテストしてみないと、その良さはわからないはずです。一見軽そうに見える靴が、耐久性がなかったり、雨の日に向かなかったり、入れ歯もそうですが、単純にその場だけで判断するものではありません。時間をかけてテストすればするほど、その問題点が浮き彫りになってきます。

 試す期間が長ければ長いほど、みなさんの生活に密着した良い入れ歯ができると思ってください。



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「入れ歯治療の新発想」


入れ歯のスタートラインは人によって違う

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 「試せる入れ歯」は、今後の将来予測をして、「今だけが快適な状態」にならないように考えられた、あくまでもきちんとした入れ歯です。
 その後、その入れ歯を基準として、具体的な不具合や改善点を話し合って、修正を加えていきます(カスタムアップといいます)。
 「試せる入れ歯」は名前から誤解されそうなのですが、実はずっと使い続けていくことも可能なように作り込んでいますので、1回目に作ったものでも、思っていたものより快適で「これで最低クラスのものなんですか?」とびっくりされる方もいます。
 一方で、「入れ歯になるとこういうことになるんですね」と少なからず落胆される方もいます。

 このことからもわかるように、初めて入れ歯を入れた時に立つスタートラインは人によって違います。
 ただ、どんな場合でも、入れ歯を外せば元の状態に戻せるというところ共通しています。取り返しのつかないような処置をされる前に、これから付き合うことになる、ご自分の入れ歯についての理解をきちんと深めていただきたいと思います。そして今後の処置についてできること、できないことをきちんと理解していただき、治療や入れ歯のデザインを相談して決めていきましょう。

 「これで最低クラスのものなんですか?」という方は、すみやかに虫歯や歯周病の治療に進んでも良いでしょう。修正はこの時点ではあまり進めずに、歯の治療に取り掛かった方が有利な場合が多いです。
 もちろん、この時点でカスタムアップ(より快適な仕様に修正する)して、入れ歯を快適にすることが良い場合もあります。単純にですが、歯がしっかりしている人と、危うい人で、方向性が大きく分かれるところです。しかし、これも相談して決めていけば良いのです。

 一方、「入れ歯になるとこういうことになるんですね」と肩を落とされる方は、まず1週間、がんばってつけてみてください。そして1週間後、経過をおたずねします。
 その時に、「慣れるものですね」という方は全く問題ありません。先ほどの「これで最低クラスのものなんですか?」という感想の人と同じように、歯の治療を進めていけます。
 残念ながら「慣れないです」という方は慣れない原因を考えないといけません。

 またしっかりした話し合いと相談が必要になります。
 「痛いのか」
 「発音できないのか」
 「オエッとえずくのか」
 「異物感が大きいのか」
  ...理由はいろいろあると思いますが、一つ一つ相談して解決していくことが必要です。
 「痛い」からといって、単純に痛いところを削れば良いというわけではりません。
 「試せる入れ歯」はこういった人にこそ真の力を発揮します。
 痛い場合、まずは痛くないようにカスタムアップします。また1週間使ってみて、次の通院時、「だいぶ良くなったけれどまだ痛い」と言われたら、前回の調整が間違っていないことを確認して、また相談し、さらに痛みが起きにくいようにカスタムアップします。

 1週間後、「痛みは改善したけれど今度は違和感が気になる」といわれたら、痛みの不具合はなくなったことを確認し、またまた相談し、今度は違和感を減らすようなカスタムアップをします。さたに1週間使ってみてもらって「違和感も減ったし、発音が改善された」と言われたら、もう少し違和感を取り除くようにカスタムアップします。このように、とにかく時間がかかります。相談と修正、そして使ってみることの繰り返しです。
 しかし、この時点でまだ虫歯や歯周病の歯には一切手を加えていません。入れ歯を作る前と何ら変わらない状態ですので、患者さんには「しまった、これならやらなければ良かった」という後悔はまず生じません。

 ただ、ここを修正したら、違うところに不具合が出て、こちらを修正したら今度はあちらに不具合が出るというように、不具合が変化していくこともあり、本当に合う入れ歯に近づいているのかと不安な思いで過ごす期間がある人もいます。
しかし、1ヵ月付き合ってください。今まで最長の方で、1ヵ月半ということもありましたが、たいてい1ヵ月です。そこで必ず結果を出してみせます。

カスタムアップによって、不具合がなくなったらようやく、虫歯や歯周病の治療に移っていきます。



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「入れ歯治療の新発想」


「試せる入れ歯」って何ですか?

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 私の医院では現在「試せる入れ歯」というものを作って入れ歯治療を行っています。

 「試せる入れ歯」というのは、一言で言うと、いろんなタイプの入れ歯を一定の期間中実際に使っていただいて、最終的に自分に合ったデザインの入れ歯を作るという入れ歯です。

 現在、一般的に保険診療で行われている入れ歯治療は、どれも型をとったら、1回で入れ歯を作り上げてしまいます。しかし、本当は1回で最高にうまく作れるケースはそんなに多くありません。長年患者さんが通院されていて、歯科医師がかなりその患者さんを熟知していた場合には別ですが、一度や二度患者さんの口の状態を診たからといって、患者さんの口の中のすべての情報を知ることなどとてもできないのです。

 入れ歯を作ったあとに、何度も何度も患者さんに合わせて調整を繰り返し、患者さんともよく話すことで、「ここはもう少しこうしましょう」とか、「こうした方がこの患者さんには適しているだろうなあ」というところがたくさん出てきます。1回だけで作った入れ歯では、患者さんを満足させることは正直難しいといえます。

 私の医院では、自由診療だからこそできるわけですが、いろいろ試して最終的に患者さんにとって一番理想的な入れ歯を作り直すことのできるシステムとして、「試せる入れ歯」というものを考えました。入れ歯をたった1回で最終的なものに仕上げるのではなく、いろいろ試行錯誤しながら、その患者さんに合った入れ歯を探っていき、最高の入れ歯を最後にもう一度作ること。これが結局のところ、一番良い入れ歯の作り方だと思います。「とにかく早く完成品が欲しい」という方には向かない方法ですが、良い入れ歯はそう簡単には作れるものではないとご理解していただきたいのです。



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「入れ歯治療の新発想」


噛み合わせは、最初はざっくり決める

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 口の中全体を見越して行う歯の治療は、人の顔を描くことに似ています。まず大まかに輪郭と、目、鼻、口の位置を決めて描いていけばバランスが取れますが、いきなり片方の目だけを用紙に丁寧に描き始めては、全体のバランスが悪くなってしまいます。

 入れ歯の噛み合わせはこの場合、顔の輪郭に当たる部分です。用紙に対してどの程度のバランスを保って描くのかがとても重要なように、入れ歯は、噛んだ時、口を開けた時、目、鼻、口元のバランスを考えて、噛み合わせをざっくり決めておかなければ、最終的におかしな完成形になるでしょう。
もちろん、だいたい合っていれば、多少の修正ができるように遊びの部分を作っておくことも必要です。きっちり決めることはありません。絵もそうですが、わずかに修正できる余地を残しておくことがこの時点では重要です。それは、後日、入れ歯に慣れてくると、笑った時や緊張がほぐれた時のバランスが変わってくるので、もっと良い状態に修正をしないといけないからです。

 余談ですが、歯の治療を1本ずつ行ったために、歯並びがおかしくなっている人はいませんか? 例えば5本の歯を治療するなら、まずこの5本分の歯をすべて仮歯にし、全体のバランスを考えて完成品を作る方が合理的だと思いませんか? 5本とも仮歯なら、全体を見極めて修正を加えながら調整できるという大きなメリットがあります。そして全体のバランスが整った時、はじめて完成品を作ればよいのです。

 1本の治療が終わったら次の1本の治療に取り掛かるというやり方は、それこそまず鼻だけを描いて、描き終わったら目を描いて...という描き方と同じです。すべて治療が終わってから「あれ? なんかバランスがおかしいけれど、この時点ではもうやり直せないから、仕方がないや」という感じになってしまうかもしれません。

 最初にざっくりと噛み合わせを決めることで、口を開けた時、噛んだ時の顔の輪郭がきれいに整い、歯の修復治療をすませた後の見た目の予測などを大まかに知ることができます。それにより、今後の歯の治療も含めた治療の全体像がぼんやり見えてきます。

 患者さんも見た目の回復ができただけでも、若さと、健康な自分を再認識して、積極的に元気を取り戻すことができます。女性は、この見た目に関する項目はとても重要で、私も工夫を凝らしているところです。
「針金や金属の見えない、自分の歯のように見える入れ歯」...これはもはや、私のなかでは当たり前、スタンダードだと思っています。見た目が良くなければ、自由診療の価値は半減すると言ってもよいくらいです。入れ歯とわからないものを入れることで、「外出できるようになった」と言う方もいるくらいですので、見た目は女性の方にとっては特に重要視されるところです。

 一方、男性は噛めれば見た目は気にしないとおっしゃる人が多いのですが、「最近は、こういった入れ歯だとわからないものの方が、対人受けも良いですよ」とすすめて、見た目をきれいに作ると、喜ぶ方が意外に多いのにも正直びっくりしています。男性の深層心理も、本当は女性と同じなのかもしれません。

 話が脱線しましたが、とにもかくにも、まず噛み合わせを決めてください。そのための入れ歯を入れましょう。そしてその位置できちんと噛めるのかを確認します。噛めなければ、徐々に変えていき、見た目のバランスがくずれないように、噛める位置と見た目のバランスの両方に都合のよいところを決めていくのです。
 人は通常、噛みやすい位置で噛んでいます。右側で噛んでも、左側で噛んでも、両側を使って噛んでも構いません。噛みやすい位置で噛むことがおいしくものが食べられる秘訣です。
 また、歯科医院で1回だけで決めた噛み合わせが、絶対に正しいとは思わないようにしてください。むしろ、医院内では患者さんは緊張していますので、1回で正しい噛み合わせが決まることがまれだと思っていただいていいかもしれません。しばらく慣らしたあとで、調整しないと、ここぞという位置がわかりません。
 私は少なくとも、寝ている体勢での噛み合わせの位置と、起きている体勢での位置、両方で確認するようにしています。噛み合わせは、決してものを食べている時にだけ重要なのではありません。寝ている時、右を下にして寝るとき、左を下にして寝る時、立っている時、座っている時、階段を上る時、運動をしている人はその最も力の入る姿勢の時など、あらゆる状態で噛み合わせは関係してきます。
 自然な歯の噛み合わせもそうやって、何年という時間をかけて位置が決まっていきます。また時間をかけて変化していきます。歯科医院の椅子に座って、たかだか30分程度でその位置が決まると思ったら大間違いで、歯科医院ではスタート地点を決めるだけなのです。
 仮のスタート地点ということで、私はその位置を「スタートバイト(初めの噛み合わせ)」と呼んでいます。これは「だいたいこの辺りかな」くらいで構いません。
その後時間をかけて、あなたの噛み合わせにふさわしい位置を探してください。そして、ここという位置が決まれば、それに合うように虫歯や歯周病の治療を考えます。歯の治療は入れ歯に慣れてからでよいというのは、こういう理由があるからです。



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「入れ歯治療の新発想」


入れ歯の治療はまず噛み合わせを決めることから

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 入れ歯を作ろうとする人は、たいていの人が、残っている歯がぐらぐらしたり虫歯だったりしているもので、歯周病や虫歯の治療もしなければならない状態になっています。ところが、入れ歯のことで頭がいっぱいの人に、歯周病や虫歯の治療の話を一生懸命しても、初めは、ほとんど聞く耳を持っていただけないというのが実情です。残念ですが、当然のことだと思います。

 入れ歯を一度しか作らないことが前提の、一般的な保険診療の入れ歯作製の場合は、歯周病、虫歯を治して最後に入れ歯を入れることが正しいやり方です。そのため、患者さんが保険診療で入れ歯を作るつもりで歯医者さんに行っても、まず歯周病や虫歯の治療が始まるでしょう。患者さんにとってみれば、いきなり歯を抜かれたとか、いきなり虫歯の治療をされたとか、何回も歯石を取るだけで一向に入れ歯を作ってくれそうな気配がないなど、なかなか希望する入れ歯作りをしてもらえないために、歯医者さんを信頼できなくなってしまうことがあります。

 歯科医はちゃんとやっているつもりですが、患者さんは治療の流れを理解していないため納得いきません。これでは入れ歯を作る前に患者さんがあきらめてしまいます。この場合「入れ歯は何回でもタイプを変えて作るので、ひとまず治療中はこの入れ歯を使ってください」と言われたら納得できるのではないでしょうか。

 そもそも本当の医学的に正しい順序を考えるなら、入れ歯を作ることは虫歯や歯周病の治療に先駆け、最も優先されるべきことなのです。

 なぜかと言われれば、入れ歯は噛み合わせを決めるものだからです。最初に噛み合わせをきちんと決めなければ、歯周病や虫歯の治療をしても、あとで入れ歯を作った時に噛み合わせがおかしくなり、再度、被せものや詰めものの治療をしなければならないかもしれません。さらに、入れ歯を第一希望としている患者さんなら、なおさらまず入れ歯を入れてみなければ、患者さんも精神的に落ち着かず、行わなければならない虫歯や歯周病の治療についても、考える心の余裕が生まれないでしょう。

 まずは入れ歯でその人に合った噛み合わせを見つけ、それに合わせて歯を修復治療していき、歯の位置、詰めもの、被せものの高さを決めていくのです。そうやって治療していかないと、噛み合わせのバランスが悪くなってしまいます。バランスを取るために、終わったばかりの歯の治療をあらためてやることになったら、また歯を削ったり、被せた金属を外したり、麻酔をかけたりしてまた大変な思いをすることになります。痛いことや大変なことは極力1回ですませて、バランスのよい修復治療をしていくために、噛み合わせを正しく決めなければ治療をしていくため土台が定まらないのです。



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「入れ歯治療の新発想」


入れ歯は試してみないとわからない

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 入れ歯を入れた状態がどのようなものか、私から何時間説明をされたとしても、患者さんが本当に理解できるものは、実際に自分で入れ歯を入れてその状態を体感したときでしょう。
 私も、入れ歯についての説明に自戒を費やすよりも、たった一度、「これを入れてどうだったか教えてください」と言って入れ歯を差し出す方が、短時間で正確にいろいろなことがわかります。
 入れ歯とはそういうものです。
 ある程度の説明を受けたら、とにかくあとは入れて使ってみてもらわないことには何もわかりません。

●痛いのか
●発音しにくいのか
●噛めるのか
●入れ歯だと他人にわかったりしないか

不安はもちろんあると思います。
 しかし、もしそれらの症状が出てギブアップしたいなら、いつまでも入れ歯をやめて、また始める前の状態に戻ることができるとすれば、どうでしょう。それならダメでもともと、やってみようという気にはなりませんか?
 1回で良いものを作ろうとすると、精神的に負担がかかります。「何度でもいろんなタイプのものを作り直しますよ」と言われたら、少しは気が楽になるのではないでしょうか。
 先ほど、入れ歯は1回で完成させることが難しいと述べました。とにかく試しに作ってみてから次を考える・・・という具合に治療を進めていき、一つ一つ会談を上るようにゴールを目指せばよいのです。
 窮地に追い込まれている患者さんほど、」とにかく完璧な治療を目指しがちです。

「入れ歯を作らないといけない」
「虫歯も直したい」
「ここの歯が動いているのでいずれ抜かなければならないかも」
「そうすると言った入れ歯はどうなるんだろう」
「また作り直しになるんだろうか」
「じゃあ治療はどこまでしておけばいいんだろう」
「でも今は入れ歯が欲しい」

 そんな心配の悪循環も入り込み、どうすればいいのかわからなくなってしまうのです。
 いろいろ不安なことはあると思いますが、完璧な治療を目指すなら、一段一段上がっていけば、その積み重ねによって必ずゴールにたどり着きます。大切なことは、「理解できない治療はやらない勇気を持つこと」です。さらにアドバイスするなら、「元通りに戻れる治療なら積極的になってみること」です。
 この場合の「元通りに戻れる治療」とは、具体的には、歯を削らない、抜かないということです。入れ歯を試してみるということは、この点でもおすすめできる治療と言えます。



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「入れ歯治療の新発想」


万人に合う入れ歯は、その人に合う入れ歯ではない

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 すべての人に合う入れ歯とは、どんな入れ歯だろう?
「型どりはこうするべき」
「噛み合わせはこうするべき」
「設計はこうするべき」
そういった類の入れ歯の本は、たくさん世の中に出ています。

 私も著名な先生方の書かれた歯科関係の本や雑誌を数多く読み漁り、セミナーにも出席して勉強してきました。
初めはそれらを参考にして、できるだけ多くの患者さんの共通点を探して、それぞれ決まったパターンに当てはめて入れ歯を作っていました。その後もたくさんの患者さんを見ることが経験となって、さらにさまざまな症状の患者さんにも対応できる入れ歯が作れるようになりました。
 患者さんがいわゆる「経験の多い先生」に信頼を寄せるのは、こういったパターンの豊富さによって「この場合にはこう対処するのがよい」「この人にはこういう入れ歯が適している」という答えがきちんともらえると期待しているからだと思います。
 ところが、これらの方法で作った時、私自身「何かが違う」と感じることがありました。
その時には自分でもなぜそう感じるのか、説明することが難しいですが、私の中で手ごたえが違うというのか、何かしっくりこない、何か足りない感じがあったのです。
勤務医時代の私は、この何かがわかることもなく、
「人間がやることだから、すべてが100%の手ごたえを持てるわけではないのかも・・・」
という程度に考えていました。
開業すると、勤務医時代と違ってすべて私の裁量で治療ができます。
その時、何か違うなと思った患者さんに関しては、私もこだわりを持って治療を継続していくことができました。
そのような中で、「違っていた何か」がだんだんはっきり見えてきました。

 患者さんと長期間のお付き合いがある場合、入れ歯を作ったあと、調整に入った過程で、「この人はこういうタイプの入れ歯ではなく、ひょっとしたら別のタイプの方が良かったのかもしれない」という考えが、患者さんとの会話からふと思い浮かぶことがあります。
患者さんがその時点で入れ歯に満足していても、私自身は納得いかず、「この人は別のタイプが良かったかも」という思いが以後、私の中にずっと残るのでした。
患者さんがその入れ歯で満足しているわけですから、それをあえて「別のタイプでやってみましょう」とはなかなか言いにくいですし、私が下手にそれをすすめると、かえって混乱させてしまう可能性もあり、とはいえ黙っているのも・・・・・なんだかとても申し訳ない気持ちになります。
気になりますので、調整のたびに、こちらから少しずつ提案して入れ歯をその人に合うようにカスタマイズしていくことで、徐々に修正していきました。すると予想通り、結構それが好評です。
「これはいいですね。こんなことができるんですが。楽になりました」このコメントをいただけた時、私も患者さんと同様に喜びを感じます。
今、患者さんが特に問題を感じていない入れ歯をあえて修正するのは、正直に言うと大変勇気がいることです。
しかし、初めに最高の入れ歯を作ることをその患者さんと約束したわけですから、私の中で今のものが最高でないと感じたら、すぐにその約束を果たすように全力を尽くすまでです。

 カスタマイズに積極的に協力してもらえるように、もちろん患者さんには前もって、「もしうまくいかなければ、無料で修正前と同じ状態の入れ歯を作り直しますので、まかせていただけませんか?」とお願いします。すると、たいていの方が快く修正に協力してくださいます。
限界まで挑戦しすぎて、歯科技工士から、「本当にここまでやっていいんですか?!入れ歯が割れても知りませんよ」と言われることもしばしばです。
また患者さんの方から「今度は、ちょっと無理なお願いかもしれませんが、ここをこうして欲しいです。今の状態より悪くなるなら無理には希望しませんが...」と言われると、やってやれないことはないと、思わず果敢にチャレンジしてみることも多いです。
その人の限界は、教科書や専門書には書いてありません。
患者さんの希望に沿ったチャレンジも、やってみると案外うまくいく場合が少なくないことも分かりました。

 入れ歯のカスタマイズに失敗してみて、その限界を知り得たことは数多くあります。
残念ですが、やりすぎて失敗して作り直したこともあります。
しかし、失敗したことで私が損をしたのかというと、その逆です。
一般的に無理だといわれている設計でも、ある程度のところでは大丈夫であるとか、ケースによってはうまくいく場合があることがわかるのです。
失敗から知り得たことが、次の患者さんの入れ歯作りにいかされると思えば、再製にかかった費用も安い授業料です。
 また、この失敗により、患者さんと信頼関係が壊れたこともありません。
むしろ、限界を知っていただくことで、いかにぎりぎりの設計に挑戦しているか理解いただけるようで、ぐっと距離が縮まるのです。同じ失敗を二度繰り返すと、高い授業料になるばかりでなく、患者さんからの信頼も失いますので、できるだけそれはないようにきちんと記録して、患者さんの原因を追究するようにしています。
そして、限界に挑戦する入れ歯作りで、3つのことが新たにわかりました。

それは
 ①万人に合う入れ歯作りは、万人に失敗しないための入れ歯作りであって、決してその人の限界の入れ歯ではない。
 ②人それぞれに合った限界の入れ歯を1回で完成させることは、相当難しい。
 ③ダメだと言われていることでも、やってみると結構うまくいく。
ということです。

 つまり万人に合う入れ歯を探すより、その人だけにあった入れ歯を探す方が、その人好みの、良い入れ歯が作れるということです。
今までは、「こういうやり方で作ればうまくいく、という方法があるのではないか」「どこかに理想の入れ歯作りというものがあるのではないか」と、相求めていたのですが、まさにその逆の発想でした。
ダメかもしれないことでもいろいろやってみて、手探りで探していくことが最も近道であり、いわば急がば回れの方法が最も確実であることがわかりました。今までなぜ気が付かなかったのだろうと思うのですが、この逆の発想で作る入れ歯こそ、患者さんにとって最も納得のいく治療法だと思います。
万人に合う入れ歯は、本当は万人にも可もなく不可もない入れ歯なのかもしれません。
 大勢の患者さんに支持される入れ歯というものは、もちろんある傾向を持っていますが、だからと言って、あなたがそれに当てはまるかどうかはやってみないとわからないでしょう。
1万人がうまくいっても、1万人と1人目がうまくいくことを保証するものではないということです。
私がこれまでの先入観を断ち切ることができたのは、私のこだわりの治療に協力していただいたすべての患者さんのおかげだと思います。
 その結果、私自身が「他の人はこれでうまくいっているのにおかしいな」ということを考えないようになりました。

 とにかく、入れ歯は一人ひとり違うものであるということを常に意識してためしてみるようにしています。
みなさんも他人の入れ歯と自分の入れ歯を比べるのではなく、自分の入れ歯の修正前と修正後を比べてください。
それにより、私と患者さんの間でしか作れない、限界の入れ歯を極めていくことができます。


 
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「入れ歯治療の新発想」


2015年8月30日

入れ歯専門の技工士の視点

2015年8月28日

入れ歯の金属部分はさびないのか

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 金属製の入れ歯であったり、保険で作る入れ歯の引っかけの金属部分などの金属のところが、さびてこないのかというご質問をされる患者さんがいます。

 答えとしましては、普通の使い方をしているうえでは、さびるようなことはありません。
 そのような金属は厚生労働省の認可もおりないでしょうし、とても日常の歯科治療で使えるものではないです。

 入れ歯に限らず、銀歯や詰め物であっても口の中で使っていてさびてくるようなことはまずないと言えます。
 何十年も作り替えていないブリッジや銀歯をされている患者さんも多いかと思いますが、それがさびてきたという話は聞いたことがないので、まず気にされないでいいかと思います。

 さびはしないですが、入れ歯の金属部分の処理が悪くて、歯ぐきや頬に傷をつけてしまったり、きれいに研磨されていないために、何だか金属の味がするという患者さんがたまにいます。金属の味がするというのは難しい表現なのですが、そのような場合には入れ歯全体をくまなく検査します。

 どのような材料であっても、ほんのごくわずかに溶けだしていると考えていいので、金属の表面がザラザラしているような状態では、余計に溶けだしている可能性もございます。
 すぐに研磨し直して、滑沢な表面にする必要があります。プラスチックでも同じ理屈でザラザラした表面では、材料がすり減りやすいですし、劣化しやすくなりますから、入れ歯の表面はどこも滑沢な表面であるべきなのです。



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具体的な入れ歯の説明


さまざまな入れ歯の悩み


知って得する入れ歯の悩み

歯科医院の選び方

金属の入れ歯の金属部分は体に悪影響はないのか

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 金属製の入れ歯の金属が何でできていて、体に影響はないのか、質問される患者さんはたまにいらっしゃいます。確かに口の中に入れるものがどんなものでできているか、しかも金属ですからアレルギーなども問題ないか心配になるのは当然のことだと思います。

 歯科で使われる金属は基本的にすべて厚生労働省の認可を受けた材料で製作されていますので、その材料に対して特別に金属アレルギーなどが無い人でしたら、全く問題ないと考えていただいていいかと思います。もし問題があるような金属でしたら、まずこれまで使われることはないと言えます。

 入れ歯によく使われる金属は、コバルトクロム合金、チタン合金、金合金が多いです。
 中でもコバルトクロム合金がほとんどだと思いますが、これは丈夫で軽くて比較的安価な金属になります。合金ですからコバルトやクロム以外にもいくつか金属が混ざっていますがそれはそれぞれのメーカーの企業秘密で、用途に合わせて多品種の金属が作られています。チタン合金の特徴は、とにかく軽いということです。

 そして人工関節やインプラントにも使われているので生体にも安心であると言えます。金合金は、金はほとんどアレルギーになる人が少ないので安全ですが、比重が重いので、入れ歯がかなり重くなります。昔はよく使われていたようですが、今は金合金の入れ歯は少ないように思います。

 金属が体に影響があるというのは、まず金属アレルギーの問題だと思いますが、それ以外に入れ歯の場合には、金属でしっかりとした入れ歯を作ったほうが体にとってもいいと、私は考えます。
 入れ歯というのは、左右前後のバランスが非常に重要ですし、そのバランスを安定して維持していくには、金属製の入れ歯でしっかりと保持していかないと難しいと思います。

 半年に一度の定期メンテナンスの来られる患者さんの入れ歯を見るたびに、金属製の入れ歯を作られた患者さんの金属の材料としての危険性がない場合には、ぜひとも皆さんに金属製の入れ歯で毎日を過ごしていただきたいと願います。



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具体的な入れ歯の説明


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歯科医院の選び方

金属入れ歯とプラスティック入れ歯の違い

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 入れ歯には大きく分けて、プラスチックの入れ歯と金属製の入れ歯があります。

 保険診療で作る入れ歯は、プラスチックが中心で部分的に金属の引っかけが付いているというかたちがほとんどだと思います。それと自由診療で作る金属製の入れ歯はまた全然違うものでありまして、入れ歯の土台部分の多くが薄くて強い金属でできている入れ歯になります。

 金属の入れ歯とプラスチックの入れ歯の大きな違いは、耐久性と異物感だと思います。耐久性というのは、文字通り素材としての強さということ。そして、食事をする時に力強くかみますが、そのかむ力はすごい力でありまして、そのかむ力に耐える強度がプラスチックとは大違いだと言えます。

 プラスチックはどうしてもかむ時にたわみが大きいですので、力強くかみにくい場合があるかと思います。金属ならば余程のことがない限り、かんで入れ歯が壊れるようなこともないですし、変形する可能性も少ないです。プラスチックの入れ歯だと食べ物によって、入れ歯にひびが入ったり欠けたりすることもたまにあります。さまざま意味での耐久性の強さというのが金属製の入れ歯の特徴のひとつです。

 また異物感については、プラスチックの入れ歯の約3分の1~6分の1の厚みで入れ歯が作れますし、入れ歯の幅も細くすることができます。すると口の中でも邪魔にならないので、入れ歯を入れていることも忘れるくらい快適になるかもしれません。異物感の違いも金属とプラスチックではおそらく数倍の差があると思いますので、最終的な入れ歯としては、金属の入れ歯をおすすめしています。

 プラスチックの入れ歯が決して悪いということではないのですが、性能のうえでは明らかに差があると思っています。長期的な視野に立っても、金属製の入れ歯は口の中で安定していまして、いつまでもぴったりと合っている印象があります。プラスチックの入れ歯の場合には、年数とともに少しずつ変形もして合わなくなっていくように感じます。入れ歯がだんだんずれていくというのは良くないですから、逆に作り直しの期間が増えて、金額面にも労力面でも余計な負担になるかもしれないです。口の中がある程度健康な状態になったならば、金属製の入れ歯で最後に暮らしていただくのがより安定するかと思います。



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具体的な入れ歯の説明


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部分入れ歯と総入れ歯の違い

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 部分入れ歯と総入れ歯の大きな違いは、歯が残っているか残っていないかということで、部分入れ歯は残っている歯に負担をかけている入れ歯であり、総入れ歯は歯ぐきにくっつけているだけの入れ歯であると言えます。

 患者さんの中には、残っている歯が少ない場合に、全部抜いてから総入れ歯にしたほうがいいと思い込んでいる方もいます。しかしこれは基本的には間違いであると言えます。残っている歯が比較的健康でしっかりしていれば、やはりその歯で入れ歯を安定させたほうが、食べる時も日常も入れ歯としての機能性は高まります。

 総入れ歯ならばある程度プラスチックの土台の部分も大きくなり異物感が増えますが、部分入れ歯ならば入れ歯を薄く小さくして異物感を減らせることも可能になります。ぜひ残っている歯を大切にして、まずは部分入れ歯に挑戦してみてください。

 総入れ歯の患者さんは、歯が残っていないので、歯ぐきでしっかり物を食べるようにしなければなりません。そのため入れ歯だけでなく、歯ぐきも歯ブラシでしっかり磨いてください。歯ぐきに刺激を与えて弱い歯ぐきにならないように、快適に入れ歯で食べられるような日々を継続していくためにも歯ぐきを鍛えてもらいたいのです。

 総入れ歯だから何もしないでいいのではなく、引き締まった歯ぐきになると固い食べ物もしっかりかめますので、強い歯ぐきを作っていってほしいのです。

 引き締まった歯ぐきで入れ歯を作ると、まず入れ歯の型どりが非常にきれいな型になります。ぶよぶよの歯ぐきでは良い型はとれません。ぴったりとした入れ歯には、引き締まった歯ぐきが必要で、その歯ぐきにぴったり合った入れ歯は、入れ歯で何でも食べられるくらいしっかりした入れ歯になるのです。

 グラグラの歯をいつまでも残していた人よりも思い切って早めに歯を抜いて、総入れ歯で健康な歯ぐきを保っている人の方が入れ歯で何でも食べられているという傾向もございます。歯を抜くことは皆さん嫌なことですが、その後の食生活や口全体のことを考えると、あるいは早めの総入れ歯の方が結果がいいかもしれません。



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具体的な入れ歯の説明


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入れ歯に使う人工の歯は何でできているか

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 入れ歯に使う人工の歯は、そのまま人工歯(じんこうし)と言います。レジンというプラスチックの中でも特に硬い、硬質のレジンを使っています。技工士が入れ歯を作る際にわざわざ1本1本作っているのではなく、人工歯の製造メーカーがありまして、世界各国のメーカーがいろいろなタイプの人工歯を作っています。

 ほとんどがレジンというプラスチック製のものですが、中には高価なセラミック製の人工歯もございます。これはセラミックですので、差し歯やブリッジに使われる白い歯の材料と基本的には同じです。作り方や中身は違いますが、要は陶器といいますか瀬戸物ですので、表面が非常にきれいですり減りにくいです。表面がきれいということは汚れなども付きにくいのでいいかと思います。ただし、重さがプラスチックのレジンと比べるとかなり重くはなります。また、すり減りにくいのは良いことですが、その反面、かみ合わせの調整が大変で扱いにくいです。

 普通はセラミックの陶歯ではなく、プラスチックのレジンを使うことが多いです。
 また、まれに、奥歯でもっと何でも強くかみたいという患者さんがいらっしゃいまして、ブレードという金属製の人工歯をつける場合もあります。あるいは、かぶせものと同じような銀歯を作って入れ歯に追加するようなこともあります。別途費用もかかりますし、時間もかかりますし、調整もそれなりに大変ですが、うまくできあがれば普通の入れ歯より強くかみくだくことは可能になるかと思います。



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具体的な入れ歯の説明


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入れ歯に使っている金属は何か

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 入れ歯に使う金属には、主にコバルトクロムという合金や、チタン合金、金合金などがあります。

 通常、コバルトクロム合金が多いかと思いますが、高価な金やチタンで作る患者さんもいらっしゃいます。金はご承知のように金属の中でも体に害が少ないと考えられていて、それはチタンも同じですが、金で作る入れ歯は非常に重く、チタンは反対に非常に軽いので、チタンを好まれる患者さんのほうがやはり多いです。上の入れ歯などは、重いと落ちやすさにもつながりますので、軽くて丈夫なチタンが一番おすすめです。

 一般的に使われているコバルトクロムという金属でも充分素晴らしい金属であり、丈夫で硬い金属です。コバルトに対するアレルギーなどがある患者さんの場合には当然使えないですが、多くの患者さんがこの金属で満足できる入れ歯を使っていらっしゃいます。

 金属でできた入れ歯は、当然長期間使えますし、丈夫で安定しています。プラスチックの入れ歯と比べますと、その厚みの薄さや強度は比べものにならないくらいとさえ言えます。ただ、あまり丈夫すぎて残っている歯に負担をかけ過ぎではいけないので、入れ歯全体の設計をよく考えて、バランスのいい入れ歯に仕上げなくてはなりません。うまく出来上がった金属の入れ歯は、食べ物を食べた時に力が加わっても、安定してたわまないですし、入れ歯ズレたり、動揺したりすることも非常に少ないと言えます。

 費用はかかりますが、できるならば入れ歯は最終的に金属の入れ歯にされるのがいいかと思います。長い年月、口の中を安定させて過ごせるというのは何ものにも代えがたいものだと思います。残っている歯を維持していくうえでも、入れ歯の安定は必要不可欠な要素です。



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具体的な入れ歯の説明


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知って得する入れ歯の悩み

歯科医院の選び方

入れ歯に使うプラスチックは何でできているのか

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 入れ歯に使うプラスチック部分は、レジンという樹脂でできています。このレジンにはさまざまな種類がありまして、レジンの液と粉を混ぜるとすぐに固まるものや、熱を加えないと固まらないものなどたくさんあります。硬さも強いものから弱いものまであり、今では色もいろいろなカラーがございます。

 ピンク色した歯ぐきに接触する部分は、主に熱で固まるレジンであり、歯ぐきを再現するのに適しています。透明感のあるものや、透明感のないものまで数種類のレジンがあります。白い歯に使われるレジンは、レジンの中でも特に硬いレジンであり、実際の歯に合わせて3層構造で作られていたりします。歯の白さも多種類あり、形や大きさまで含めると、相当な量の種類が世界各国の製造メーカーから製品化されています。

 レジンは入れ歯を作るうえでなくてはならない材料であり、非常に扱いやすい商品です。シンナーに似た臭いがある場合もありますが、きちんと作られた入れ歯であれば、ほとんど臭いなどはないかと思われます。

 レジンはプラスチックですので、強度は金属のように強くはありません。ですから、ある程度の厚みというものがどうしても必要になってきます。保険診療で作る入れ歯はだいたい3ミリ~4ミリの厚さはあるのではないでしょうか。私の作る入れ歯はその半分近い1.5ミリ~2ミリくらいで作ることを心がけています。入れ歯というのは口の中にプラスチックを入れなくてはいけないのですが、少しでも異物感が少なくなるようにいろいろなアイデアを駆使して作っております。 



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入れ歯ではなくインプラントをすすめる歯医者

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 現在歯医者さんの多くが入れ歯ではなく、インプラントをすすめているかと思います。当医院を訪れる患者さんからもよくお話を聞きます。そのたびに、どうしてまず入れ歯にしないのかと疑問に思うのですが、自分の歯のように強く食べ物がかめるので患者さんも満足するということと、医院の売上もあがるということがおそらく2大理由だと思います。

 インプラントは直接あごの骨に埋め込むので強くかめると思います。また1本だけ歯が抜けている場合にブリッジだと前後の健康な歯を削らないといけないですが、インプラントはそのまま抜けた部分に打ち込むだけで済むからいいという考えもわかります。
 ですが、何よりも危険な部分が多いと思います。骨に直接ボルトを打ち込むということの危険度、そして打ち込んだ部分と歯ぐきの境目は一生涯いつも傷口のような状態のままであることです。例えて言えば、傷がふさがることはないのです。体の外と中をつないでいる部分の境目がずっと存在するというのは、医学的には非常に危険だと院長は言っています。
糖尿病の人の場合には基本的インプラントはできないというのは皆さんもご存じだと思います。自分の将来がどうなるかなんて誰にもわからないのに、目先の快適さだけで危険な治療を安易に選ぶのは、おすすめできません。その前に試してやってみる方法はもっとあるはずですから。

 インプラントを入れたすぐ後は快適だと思います。自分の歯とそれほどかわらないくらいかめるのでしょう。でもそれが一生涯続くとはかぎらないのです。将来的に何か問題があるようなことになったなら、その時はその時で我慢するという覚悟ができている方ならばいいかと思います。でも歯科医師としてまずすすめるべきなのは、将来的にも安心安全な治療ではないでしょうか。自分の子供や家族にも本当にその治療を第一にすすめられるのかどうか、そういう視点で考えていただきたいと思います。

 入れ歯は結構難しくて大変な治療ではありますが、真剣に取り組めば、非常に面白いですし、全体的なかみ合わせの考えなどもより深く知ることができるので、他の治療にも役に立つ価値あるものだと思います。ぜひ入れ歯治療をまずやっていただきたいと考えます。



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自由診療の入れ歯治療と保険診療との違い

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 自由診療というだけで高額なので警戒して全く検討されない人もいらっしゃるかと思いますが、自由診療というのはその名のとおり、保険診療のマニュアル通りのやり方に制限されないで、自由に行える診療のことです。特に、患者さんの要望に合わせて自由に診療を進めることができるところが特徴かと思います。

 中には、そのドクターの独自のやり方でしか入れ歯を作らないというような所もあるかもしれませんが、当医院では患者さんがやりたくない治療はやらず、やってほしい治療のみ行い、それで問題が発生すれば、また対処していくという方法をとっています。もちろん一番おすすめの入れ歯や治療方法の話はしますが、選ぶのはあくまで患者さんなのです。

 例えば、普通はもう抜いたほうがいい歯があったとしても、とりあえず残した形で入れ歯をつくったり、治療したりします。特に今痛みなどがないのに、無理矢理抜かず、あとからでも抜けるものはあとで抜くようにするのです。患者さんが入れ歯に慣れて使いこなせることが一番大切ですから、それがまずできるようになってから、徐々に治療をすすめていきます。

 保険診療の場合にはおそらく、入れ歯を作るには入れ歯にする歯をまず抜いてからでないと、入れ歯は作れないかと思います。すると抜いた部分の歯ぐきが落ち着くまでに2週間~1ヵ月待たなくてはなりません。さらに、そこから型どりして製作し調整していかなくてはなりません。
 そして、もし歯を抜いて、入れ歯を作って入れてから、異物感が大きすぎたり痛くて入れ歯が使えないような状態になったら大変です。もう歯を抜いてしまっているので、今さら歯をつけることはできないですから、作った入れ歯に慣れるように我慢していかなければならないのです。また保険診療の入れ歯というのは、マニュアル通りの作り方ですので、一般的に非常に分厚く大きいものです。つまり異物感が大きいのです。

 そして異物感が大きいのでできるだけ小さくしてくださいと言っても限界があります。もともと分厚い設計で作っていますから、それほど薄く小さくはできないですし、やったとしても強度が落ちるからできないと断られることが多いかと思います。



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失いやすい歯

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 入れ歯づくりをしている中でのおおまかな統計ですが、一番奥から2番目の歯(専門的には6番の歯)がなくなりやすいです。特に、右下の奥歯と左上の奥歯が一番なくなりやすいです。

 その次は、左上の一番奥の歯、右下の一番奥の歯、そして左上→右上→右下→左下の順番で犬歯(糸切り歯)の奥の小臼歯という部分がよくなくなります。
ですから、毎日歯磨きをされるときには、上記の歯のところを特に入念にみがくと、歯を失う可能性が低くなるかもしれません。

 入れ歯では歯の無い部分に人工の硬い歯を使うのですが、その人工の歯がよく使われる、つまり失ってしまった部分の歯が、上に書いた部分の歯になります。結局、日頃からよく使っている歯がやはりダメになりやすいということではないかと思います。

 右がみの人、左がみの人で異なるでしょうし、歯を磨く手も右利きと左利きでは違いますから、一概にはとても言えませんが、基本的な考えとして、よく食べるほうの歯を注意してケアされたら少しはいいのではないかと思います。



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入れ歯人口2,900万人時代

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 2011年時点であくまで予測ですが、何らかの部分入れ歯・総入れ歯を入れている人の数が2,900万人いるそうです。
 約3千万人とみると、4人に1人が入れ歯を入れている状態です。実感としては、そんなにも入れ歯の人がいるとは思えないのですが、かなりの人数になっているのは確かだということです。

 それで本当に良い入れ歯で満足されて過ごしていればいいと思うのですが、入れ歯で悩まれている患者さんはたくさんいらっしゃいます。入れ歯は保険でも作れて、保険の入れ歯でも十分満足されている人も多いですが、専門の技工士から言いますと、もっと良い入れ歯にすることができないかという思いはぬぐえません。
 保険の入れ歯はいわば既製品であり、決められたことしかできないので、自由に患者さんに合わせて作っていくということができません。それでは患者さんが満足する快適な入れ歯にはならないのです。

 保険はそもそも失った歯の部分をおぎなうというだけの入れ歯作りであって、快適な入れ歯作りというものではないのです。無い部分を追加しただけで、それがうまく機能するかどうか、審美的にもきれいか、入れ歯だと感じないくらいに異物感が少ないかなど、問題にしていないのです。

 そのようなことから、私は現状では保険ではなく自由診療で、しかも専門的に入れ歯を取り扱っている歯科医院で入れ歯を作られるのが一番いいかと思います。そして専門の歯科技工士も常駐していたなら、なお安心だと思います。



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50代以上で入れ歯

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 50代以上になられますと、入れ歯の対象になる患者さんはかなり増えます。

 かなりご高齢の方で、もうそんなに長生きしないから入れ歯ではなくブリッジなどにしてほしいという患者さんもよくいらっしゃいますが、当医院の院長は、平均年齢を基準にしまして、50代~60代の人では、まだこれから30年~40年の年月がありますので、リスクの高い治療はやめておいたほうがいいとおすすめしています。

 それよりも危険度が低い入れ歯治療が、今後の体調の変化なども考えると一番いいと言われます。入れ歯は出したり入れたりして洗わないといけないから面倒だと言う人もいますが、歯だって毎日洗わなければなりません。
 歯は歯磨きで磨きにくい部分もきれいにしないといけないですが、入れ歯は外に出して洗えますし、入れ歯をはずしたら、残っている歯も非常に洗いやすくなるはずです。
 洗うという面ではこんなに便利なことはないのです。しかもきれいに洗えますから残った歯も長持ちしやすいのです。まさに一石二鳥です。

 とうとう入れ歯になってしまったという残念な気持ちもあるかと思いますが、入れ歯専門の技工士としましては、前向きに入れ歯で快適な生活ができるように取り組んでいただけたらありがたいと思います。一生懸命、最善の入れ歯を作るように努力しますので、ぜひ入れ歯での生活も好意的に考えて試していただきたく思います。



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40代で入れ歯

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 40代以上になりますと、歯周病の人が非常に多くなります。そのためグラグラの歯の状態で来院されて、入れ歯にしないといけないか、歯周病を治す治療方法があるか、お聞きになる方が多いです。

 当医院の院長はまず歯周病のケアである程度治せそうな場合には、歯周病のケアからはじめます。そしてそれでは難しく、治療や歯を抜くことをしなくてはいけない時に、まず入れ歯を作ってから、その後に歯の治療に入ります。順序立てて、一つ一つ階段をのぼっていくように治療していくのが、結果的には一番早い道であると実感しています。

 ある程度大きな入れ歯の人の場合、歯周病にかかっていることがほとんどです。歯によって歯周病の強い弱いは異なりますので、横の歯に悪影響を及ぼすような歯周病の場合には、ドクターも早めに抜かれるかと思います。歯周病による影響を最小限に食い止めて、もうこれ以上歯を抜くことがないような状態にまでケアできるようになるのが、一番大切かと思われます。

 入れ歯に関しましては、まだ年齢が若いので、適応能力も高いですし、歯ぐきの状態が良い方が多いです。この年齢で入れ歯になることを嫌がる人もいますが、早くから入れ歯を使いこなせるようになることにメリットもあります。
 高齢になってあごの骨や歯ぐきも弱くなった状態ではじめて入れ歯をするのはかなり苦労します。不遇にも若くから入れ歯だったという患者さんとこれまで何人かお話をしましたが、意外に若い時から入れ歯の人の方が高齢になった現在でも快適に入れ歯を使っている人がいらっしゃいます。

 私の印象では、歯は無くても歯ぐきの山(あごの骨)が入れ歯を使い続けてきたことにより、逆にしっかりと存在しているのです。歯ぐきの山(あごの骨)は若い時から今でもあまり変わっていないようです。



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30代で入れ歯

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 30代で入れ歯の人は、やはり20代よりも結構います。お仕事や子育てに忙しいあまり、歯磨きを十分にできないような日々を過ごされて、少しずつ歯が悪くなっていく方が多いようです。子供の頃から歯が弱かったとも言われますが、今まで立派に数十年使ってきているわけですから、そう簡単には歯が悪くなるというものではなく、やはり清掃状態が良くないというのが主な原因だと考えられています。
 女性の中には出産により骨粗鬆症になる方もいますが、それが原因で30代にボロボロと歯が抜けるようなことは少ないように思います。

 30代では、大きな入れ歯の症例の人は少ないですが、小さいとはいえ、数本の入れ歯になる方は多くいらっしゃいます。
 数本になるとブリッジにするのはリスクもあるので、どうしようか悩まれる方が多いです。技工士からみても、3本のブリッジは適正に作れば健全な状態で長く維持できるかと思いますが、4本、5本以上になると、清掃状態とともに力学的にも負担が大きくなりますので、おすすめとは言いかねます。

 前歯だけの6本のブリッジでしたら、強くかませない方法で作れば、大きな問題もないでしょうが、奥歯が数本並んでブリッジになるというのは、それなりにリスクもあると考えていいかと思います。奥歯なので誰でも強くしっかりかみたいですから入れ歯は嫌だという考えも正しいと思います。

 入れ歯かブリッジか、これは患者さん自身で最終的に決定していただくしかないというのが正直な気持ちです。最初はまず入れ歯は試せるので一度入れ歯をやってみてください。ブリッジは歯を削るので元に戻りません。入れ歯を入れた後でもブリッジをすることは可能です。



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20代で入れ歯

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 20代の方でも入れ歯の方はいらっしゃいます。大きな症例の方はさすがに少ないですが、1本~数本の入れ歯の患者さんは結構いらっしゃいます。まだお若いので入れ歯ではなくブリッジやインプラントを好まれる人もいますが、さまざまな問題点をお話しすると、まずは入れ歯をやってみるという考えになる人も多いです。

 それで入れ歯を試してみてダメな人は、だいたいブリッジを選ばれています。

 入れ歯の一番の欠点は、異物感があることです。特に前歯の場合には話すときに舌があたりますので、イヤだという人も多いです。でも試しにやってみると、それほど異物感を感じなくて、「これくらいだったら大丈夫です。隣の歯を削るよりもぜんぜんいいです。」という人も結構います。

 入れ歯は実際にやってみないとなかなかわかりません。人によって口の中の感覚はちがうので、個人差がかなりあります。

 中には20代で総入れ歯の人も過去にいました。子供の頃から歯みがきをほとんどしなかったとおっしゃっていましたが、歯が虫歯のために根の部分までなくなっているような状態でした。20代なので、あごの骨はしっかりとありますから、入れ歯は案外うまく作れましたが、入れ歯を入れた後の悪い根や歯を抜く治療でドクターがかなり苦労されたようです。ぼろぼろになった歯を抜くのはとても大変だそうです。

 入れ歯の技工士としましては、ブリッジよりも入れ歯にしてほしいという気持ちはありますが、どちらいいかは患者さんが体験して決めるのが一番だと思います。1~2本まで歯が抜けただけならばブリッジもできますが、それ以上だとブリッジも危険なので、早め早めの治療をおすすめします。

 当医院で入れ歯の大変さを生まれてはじめて体験されたお若い人の多くが、これからは入れ歯にならないように、頑張って歯みがきをしますと言われます。自分の歯というものがどれくらい大切なものであるかを知っていただける良い機会になったとも思いますので、一度入れ歯をやってみるというのは、なかなか貴重な体験だと思われます。



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運動やスポーツをしている患者さん

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 入れ歯をしている人の中で、定期的に運動やスポーツを行っている人も多いかと思いますが、このような方は新しい入れ歯を作ったとしても、入れ歯に適応するのが早いと思います。
 おそらく体を使っているので体全体のバランスがとれていて、かみ合わせにとっても良いバランスとなっているからだろうと予想しています。バランスだけではなく、さまざまな体の筋肉も使っていますので、かむ力も力強い印象がございます。

 また、入れ歯に慣れた後のその後の経過も、非常に安定している人が多いです。力強くかむ人の場合には、人工の歯がかけたり、歯ぐきが締まってきたりして、少し入れ歯を調整しなければいけなくなるほどです。

 体を動かすこと、スポーツをすることは、入れ歯の治療においても非常に需要な要素のひとつと言えるかと思います。
 必ずしも運動したら入れ歯がうまく行くわけではないですし、ご高齢の方の場合には逆に負担になるかもしれませんので、誤解していただきたくはないのですが、多くの患者さんと接してきまして、安定してうまく行っている患者さんに、「運動か何かされていますか?」と聞きましたら、運動しているとおっしゃる患者さんが結構あるように感じています。



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2回目作った入れ歯の方が良い入れ歯

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 1度目の入れ歯の方が良かったという患者さんが時にいらっしゃるという話もしましたが、ほとんどの患者さんは、新たに考えて工夫して作り直した、「2度目の入れ歯の方がいい」とおっしゃっていただけます。
 それは、1度目の入れ歯でたびたび調整を重ねて、患者さんの要望を聞き、症状を観察して、それらすべてを反映させて作るからだと思います。

 たった一回、一発勝負で作った入れ歯よりも、たたき台としての入れ歯で、充分に患者さんの状態を学んで、そしてもう一度ベストな入れ歯に仕上げたほうが結果的に良い入れ歯になっています。これは間違いない良い方法だと実感しています。保険診療ではこのようなことはできないですし、自由診療でもそこまでする歯科医院は少ないと思いますが、この方法が遠回りのようで、実は一番早い良い入れ歯作りの方法だと、これまでの経験から言えます。

 入れ歯とは関係ないですが、例えば、自分にぴったりな靴を選ぶのに、多くの靴の中からたった1回で良い靴を選び出すことはなかなか難しいと思います。いろいろ試しに履いてみて最終的に見た目や履き心地など総合的な面からに決定するというのが、普通だと思います。

 入れ歯も、初対面の患者さんの顔や口に1回で見た目の面でも使いやすさの面でもぴったりな入れ歯を作ることは非常に難しいです。初診の時にパッと見ただけでは、口の動かし方や笑った時の唇の上がり方、右でかむか左でかむかまでわかりません。それらのいろいろな現象を見て、入れ歯作りのポイントをつかむには、1度たたき台の入れ歯を使ってもらうことになります。

 靴のように何回もぬいだりはいたりできればとてもいいのですが、さすがにそこまでいくつも用意はできないので、1つ試しに作ってそこから検討していくというのが、正攻法だと思っています。



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1度目にうまくできた入れ歯

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 1度目の入れ歯を作りまして、それにすぐに慣れて、なかなか使いやすくなってきた場合に、治療するべき歯が何カ所かあり、その治療を終えると、当医院では、新たに入れ歯を作り直します。当然型どりからはじめて、1度目の入れ歯を踏まえて、2度目の入れ歯を作るのですが、治療した所が少し大きいと、それらの影響でなんだか1度目の入れ歯とは違った感じだという患者さんがいらっしゃいます。

 1度目に作った入れ歯と、ほとんど同じ様に同じ人間が作っているにもかかわらず、入れ歯というのは、微妙に違ってしまいます。「全く同じ型どりは2度とできない」と言われるように、「全く同じ入れ歯は2つ作れない」ということです。入れ歯は作るだけではなく、セットされた後の細かい調整が1人1人毎回違ってきます。そのすべてをコピーして、そっくりな入れ歯に仕上げるというのは、なかなかできないのです。
 1度目より2度目の入れ歯を患者さんに喜んでもらえるように、がんばって作るのですが、そうならない場合も時にございます。

 そのままで終わりにできないので、もう一度作り直すのですが、「1度目の入れ歯はかなり良かった」という患者さんの強い思いといいますか、良かった感覚にはなかなか到達できないケースも残念ながらあります。治療がなければそのまま終えて快適だったとも考えられますが、治療をしないでいたらいずれ歯がダメになり、その後今よりもっと良くない入れ歯になる可能性は高いので、治療を優先して入れ歯を作り直すというのが、通常だと思っています。



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長年使ってこられた入れ歯

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 長年使ってこられた入れ歯には、新調した入れ歯はかなわない時があります。

 新しい入れ歯を作りたいということで来院されて、入れ歯を新調しても、なかなか慣れない患者さんもいらっしゃいます。それまで何十年も同じ入れ歯を使用されていた患者さんの場合にたまにそういうことがございます。

 新しく作る入れ歯は、以前のものよりもいろいろな点で改良して良い入れ歯に仕上げているつもりなのですが、何十年も口の中に入って、使い慣れてきた入れ歯には感覚的な面でなかなかかなわないのです。そのような場合には、以前の入れ歯をお手本にして新たに作り直しです。

 入れ歯専門の技工士としては、少しくやしい気もしますが、患者さんの口に嫌われたのですから、仕方がありません。
 ただ、新調した入れ歯は人工の歯の部分は新品ですので、以前のすり減った歯の入れ歯よりも、食べ物はよくかみくだくことができるかと思います。



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入れ歯に向いた人

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 当医院の院長が例え話として、「人間だから入れ歯を入れていられるけれど、動物ならば入れ歯を入れても必ずすぐに吐き出します」と言うように、入れ歯は異物なので、本来入れ歯に向いた人なんて一人もいないと思います。しかしながら、いろんな患者さんの歯型を見てきた中で、この人は多分うまくいくだろうなと予想できる歯型はあります。

 まず、歯が抜けた部分の歯ぐきの土手がしっかりした山になっている人や、残っている歯の形が堀の深い人、左右バランスよく歯が抜けている人などは、成功しやすい症例です。また中間欠損といいまして、両隣りに歯がある場合はうまくいきやすいです。

 反対に難しい症例としては、歯ぐきがやわらかくて弱い人、土手の低い人。歯が短く、扁平な歯の形の人。また、片方だけ歯がたくさん抜けている人もバランスが難しいです。

 そして、ここまでは物理的な要素で入れ歯がうまくいくかどうかという問題でしたが、その他に患者さん個人の心理的な要素も非常に重要となります。物理的な面よりもある意味で一番大切で難しいかもしれません。

 心理的な面で入れ歯に向いた人としてまず思い浮かぶのは、あまり神経質ではなく細かいことに気にしないタイプの人です。口の中にある程度の大きさのプラスティックが入ってもそれほど異物感を気にせず、歯がないのだから仕方がないと思って割り切ってうまく使いこなしていくタイプの人は、入れ歯でも全く問題ないと思います。

 入れ歯自体は自分の歯ではないので、使いこなしていく適応能力というのは、どなたにも必要になってくるかと思います。時間とともに慣れてくる要素も入れ歯の場合は大きいですが、まず自分から積極的に入れ歯を使いこなしていくぞという意気込みがあったほうが、スムーズに慣れていけると思います。

 ひとつ面白いエピソードがありまして、息子さんが新米の歯医者さんで他の多くの医院では全くダメだったのに、自分の息子さんが作ってくれた入れ歯だとうまくいったというケースがあったようです。ただ周辺のドクターたちは、「あんなに分厚くて大きな入れ歯がうまくいくわけがない!」と皆思っていたようです。"医は忍術なり"とも言います。気持ちの面というのは一番大きいかと思います。



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ポリデントを使ってもいいか

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 市販の入れ歯洗浄剤を使って入れ歯を洗っても問題ないかという質問もよくお受けします。

 入れ歯洗浄剤にはさまざまな種類がありますが、お好きな入れ歯洗浄剤を使って洗われていいかと思います。患者さんの中には、必ず使わないといけないと思っていたり、逆に使ってはいけないと思っている患者さんもいらっしゃいまして、これはどちらも間違いであります。入れ歯洗浄剤は使っても使わなくても結構です。

 むしろ入れ歯洗浄剤を使っている患者さんの中に、少し勘違いをされている患者さんもいるかと思います。毎日入れ歯洗浄剤で洗っているにもかかわらず、定期的なメンテナンスに来られた時に、入れ歯に歯石がついていたりするのです。
 よくよく話を聞いてみますと、入れ歯洗浄剤にポンっと浸けているだけで、その後に歯ブラシで手洗いしていないようなのです。確かに手洗い不要の洗浄剤もあるのかもしれないですが、歯と歯の間につまった食べカスなどは手で直接落とさないと、本当にきれいに汚れは落ちません。

 入れ歯洗浄剤はあくまで汚れを浮かせたり、表面の浅い汚れを落とせるくらいに考えて、最終的には手洗いで汚れを全体的に落とすほうがいいと思ってください。
 つまり、入れ歯洗浄剤はうまく取り入れて使っていただくとして、基本的には手洗いで洗い、便利なのは超音波洗浄器ということになるかと思います。



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汚れた入れ歯をきれいにするには

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 食べ物や飲み物で着色したり汚れた入れ歯は、どのようにきれいにするのが一番いいのか、非常によく聞く質問です。

 まずは食事のあと、歯ブラシできれいに水洗いするというのが基本だと思います。
 この洗浄で入れ歯をきれいにできる人は、これだけで充分だと思います。他にお金を使って、きれいにする必要はないと言えます。それでも汚れが少し残るような場合には、市販の入れ歯洗浄剤に浸けるとか、超音波洗浄器で洗浄するという方法がさらにございます。

 その患者さんが日頃やりやすい洗浄の仕方で行うのがいいですし、毎日続けられる方法が一番適していると思います。入れ歯の汚れは、使う患者さんによって違いますので、ご自身に合った方法を見つけて洗浄していただければいいかと思います。

 例えば赤ワインをよく飲まれる患者さんやカレーなどの香辛料の入った食事を好まれる患者さんの入れ歯は、やはり赤ワインの薄い色で全体的に着色していますし、カレーの黄色で着色されている入れ歯もたまに見ます。
 食べ物・飲み物からの着色、食べカスなどの汚れ・歯石は、家庭では洗浄するのは無理かもしれません。そこまで汚れてしまったら、専門の歯科技工士が全体的に一度表面を削り落としてから再び最終研磨という作業で磨かないと最初のきれいな入れ歯に戻りません。

 家庭でもできる便利で簡単な洗浄方法は、少し力の強い超音波洗浄器にて、中性洗剤を使って入れ歯を洗浄することです。超音波によって表面の汚れを浮かせて、その後に歯ブラシできれいに水洗いをしてください。
 赤ワインを飲んだり、カレーを食べたあとに、できるだけ早く超音波洗浄機にかけると、着色した汚れも出てくるかと思います。それでも中性洗剤で落ちなければ、入れ歯洗浄剤を使って超音波洗浄器にかけるともっときれいに落ちるかもしれません。
 機械の費用はかかりますが、入れ歯以外にメガネやネックレスなどの貴金属も洗浄できますので、一家に一台あってもいいかと思います。しっかりしたメーカーの超音波洗浄であれば、それこそ一生使えるものだと思います。



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表面がくすんでいる入れ歯

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 長年使用している入れ歯は、いろいろな食べ物を食べてこられて、小さなキズがたくさんついていますし、洗い続けてきたことで、入れ歯の表面がガサガサしてたり、色が少しくすんで見えるようになります。
 これは、汚れが付いているわけではなく、入れ歯の材料のプラスチックの表面のきれいな研磨面がなくなってしまい、地肌が見えているような状態です。入れ歯を作る時に最終研磨といって、入れ歯をピカピカに仕上げる作業があるのですが、ちょうどその研磨をする前の入れ歯の状態に近いと思います。

 入れ歯に使っているプラスチックはもともとピカピカ光っているわけではありません。歯科技工士がいくつかの段階で研磨作業を行って、光らせています。きれいに研磨された入れ歯は、見た目にもきれいですし、汚れも付きにくく、臭いも付きにくく、衛生的にもいいです。

 また、ピカピカの入れ歯にするには、ドクターではなかなか大変だと思いますので、歯科技工士のいる医院にて歯科技工士に頼んで、再度入れ歯の最終研磨を行えば、元通りのきれいな入れ歯に戻ります。
 表面がくすんでしまうほどの入れ歯というのは、相当長い期間使われているかと思いますので、歯科医院に定期的な検査に行く時たびに、ドクターに言って小まめに磨いてもらうようにするほうがいいかと思います。
 表面がガサガサとすくんでいる状態は、食べ物や飲み物が付着しやすく、着色もしやすいです。
 また臭いもかなりするのではないかと思いますので、衛生面やいろいろな面を考えてみましても、きれいな表面を常に維持できるように研磨してもらってください。



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歯石がついた入れ歯

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 入れ歯で食べ物を食べると、歯と歯の間にベチャッと食べ物がよくついてしまいます。
 天然の自分の歯ならば、舌でつまった食べ物もとることができますが、入れ歯の場合にはなかなか舌でとることは難しいかと思います。食べたらすぐに入れ歯を洗えるような環境にある人はいいと思いますが、お昼や日中に入れ歯を洗える人は少ないかと思います。

 食べた後にそのまま入れ歯を洗わずにいますと、食べ物が入れ歯に付いたまま過ごすことになります。
 これを繰り返しますと、どうしても入れ歯に歯石として汚れが付着していきます。1日1回夜寝る前にきれいに入れ歯を洗ったとしても、1日のうちの長い時間食べ物が付いたままの状態で過ごされていますので、その間に入れ歯の樹脂の中に汚れが入っていきます。1カ所汚れが定着しますと、その汚れにさらに汚れが付きやすくなり、歯石となって入れ歯にたまっていきます。

 こうなりますと、歯ブラシではとても汚れは落ちないですし、超音波洗浄器でも歯石は取れないと思います。歯科技工士が細いバーで直接削り除き、新たに研磨して仕上げないと、元通りきれいな入れ歯にはなりません。
 入れ歯全体に歯石がついているような場合には、洗浄・研磨にかなり時間がかかると思います。

 そうならないために家庭できて、1日1回の洗浄でもきれいな入れ歯を保てる方法は、やはり超音波洗浄器で、中性洗剤を使って洗浄する方法です。できるだけ強い力の超音波洗浄器を購入して、夜寝る前に5分程度機器で洗浄し、その後そのままにせず、必ず浮いた汚れを歯ブラシで洗い落してください。
 超音波洗浄器は細かい振動で汚れを浮かしますが、そのままですとまた汚れが付着するかもしれません。入れ歯の表面に浮いた汚れを必ず歯ブラシでサッと洗い流してください。
 特に歯と歯の間は歯ブラシでかき出さないと落ちにくい汚れがございます。



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茶色くなった入れ歯

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 ずっと入れ歯を使っていますと、入れ歯はだんだんと黄ばんできます。

 入れ歯というのは、プラスチックの樹脂の面積が大きく、人工の歯も固いプラスチックで作られているため、どうしても少しずつ汚れが付着し、その汚れとともに黄色く黄ばんで、もっと期間を経ると、茶色くなったり部分的には黒ずんだりしていきます。

 そのようになりにくくするには、当然、日頃の洗浄が大切になります。最も良い方法は、超音波洗浄器というものを使って汚れを落とす方法です。
 超音波というのは非常に細かい振動で汚れを落としますので、プラスチックの樹脂に付いた細かい汚れもきれいに落とします。これで毎日洗浄すれば、かなり長い間、きれいな状態の入れ歯のまま生活していけるかと思います。
 歯ブラシで丁寧に洗うだけでももちろん結構なのですが、手で洗うよりも機械で全体的に汚れを落とす方がやはり効率はいいように思います。

 また、そのように丁寧に洗浄をしていても茶色く着色してしまった入れ歯は、技工士がいる歯科医院で専門的に磨いてもらう方法があります。茶色の汚れの深さによりますが、入れ歯全体を一層削って、もう一度新生面を出してから磨き上げます。するとピカピカに光った入れ歯に戻ることができます。

 かみ合わせの面は削ってしまうとガタガタになりますから、ここだけはそのままにしておきます。
 だいたい30分もあればきれいにできますので、定期的なメンテナンスの時に同時に頼めばいいかと思います。当医院では半年のメンテナンスで磨くようにしております。



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 入れ歯をはずした時は、どうしたらいいのですかという質問は、入れ歯がはじめての患者からは必ず問いかけられます。
 入れ歯の弱点というのが、乾燥に弱いことで、入れ歯は水分がないといけないのです。空気中にそのまま放置していると、数時間で少しずつですが変形していってしまうのです。ごくわずかではありますが、これを繰り返しますと、いずれ入れ歯が口の中に入らなくなったと言われるようになります。
 それくらい、乾燥した状態に置いておくと入れ歯は変形していきます。

 なぜそうなるかと言いますと、入れ歯に使われているプラスチックのレジンという材料にそのような性質があるからです。
 ならばレジンではないものを使えばいいではないかと言われるかもしれませんが、細かい調整ができること、歯ぐきの色に似せられる透明性などの色の問題、軽さや硬さ、熱いものや冷たいものでも大丈夫なことなど、入れ歯に使う材料としてはこれ以上のものはないというくらいの素晴らしい特徴がいろいろあるのです。
 ただ、乾燥に弱く水分がないといけないということだけ、どうしても守っていただきたい項目になります。

 夜寝るときに、入れ歯をはずされる方は、水の入ったの容器の中に、入れ歯を浸けておいてください。きれいに洗浄して浸けておくのが一番いいですが、とにかく水の中に入れていただければ問題ないです。
 また寝る時も入れ歯を入れて寝る人の場合には、口の中はだ液がありますので、そのだ液の水分で入れ歯は守られます。寝ている間に歯の細菌は増えていくようですので、朝起きた際には一度入れ歯を洗浄されることをおすすめいたします。その方が朝食もおいしいのではないかと思います。



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