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2016年7月 2日

入れ歯は自然に近いもの②

入れ歯は 、歯にやさしい人工物だというもう1つの理由は、
入れ歯は、必要以上の力が加わった際には、冬のスキーの時のスキー板のように、壊れてくれるという点です。

ブリッジやインプラントではそう簡単に壊れることはないでしょうが、入れ歯は歯に大きな負担がかかるような時に、自らが破折したり、欠けたりして歯を守ってくれる場合があります。

また前回お話したように、歯のかむ面が年月とともにすり減るような材料なので、強い力が加わりにくいのです。

すごくしっかり力を入れてかみしめたい人や、ガンガン固い物を食べたい人には向かないですが、多くの患者さんはそこまでかみたいわけではないと思いますので、入れ歯でしっかりかみ合わせの調整を行えば、充分快適な生活はできると思います。


5年~10年経過した後に、どのような状態になるのか、残っている歯に力を必要以上に加えつづけるとどうなるか、誰にもわからない面が多々ありますので、安全に安心して暮らせるように行くためには、多少不便さはあっても、うまく入れ歯と付き合いながら生活していくのが、よりよい方法ではないかと、私は思っています。


患者さん個々の考え方がございますので、長いブリッジやインプラントにされても別にいいと思いますが、ぜひ長期的な視点でみていただいてご判断していただきたいと思います。

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入れ歯は自然に近いもの①

入れ歯をされている患者さんのご意見はさまざまです。

同じような作り方で作ったとしても、「この入れ歯はきゅうくつです」という方もいれば、「この入れ歯はゆるいです」という方もいます。

そのような個人差がありますので、一人一人の患者さんに合わせて、調整していくのですが、
『入れ歯』というもの自体は、僕は歯にやさしいと言いますか、人工物だけれど人体にとっては優しい、自然な人工物だと思っています。


いつも考えていることなのですが、人の体の中には、直線的な部分は一切なく、川の流れや山・森など自然と同じように、刻一刻と変化しつづけていて、固定されているような箇所も一つもありません。

一見固定されているように思える関節も、動きやすいように、半月板や関節円盤と言われるものが付いていて、細かい微調整ができるようにゆとりがあるかと思います。

1本の歯にも、歯根膜と言って、歯の根のまわりを1層の膜がおおっていて、微妙に歯が動揺することができる作りになっていて、ショックアブソーバーのような働きもしています。


自然はなんらかの形で、日々の変化にも対応できるように、微妙に調整できるようなゆとりがあるように感じられます。


そういう意味で、私は入れ歯は、口の中でもゆとりがあり、完全に固定されることはなく、変化に合わせて調整しようと思えば調整できるものだと思っているのです。


この反対のものとして、ブリッジやインプラントがあります。
ブリッジはいくつかの歯をセメントで固定する人工物ですが、強くかめるとはいえ、長い目で見て本当に悪影響はないのか、また調整も非常にシビアにしなければならないので、連結が長ければ長いほど、調整力が必要だと思います。
かみ合わせの高さを低めに調整していたら、患者さんはあまり悪く言わないということを聞いたことがありますが、そのような調整では問題ありますし、低く削ってしまった場合にはブリッジは追加できないので、ドンピシャリの調整が必要になってきます。
また、インプラントは、直接あごの骨に強く固定することになりますので、さらに調整も難しいでしょう。相当な調整力がないとうまくかめるようにはならないはずです。


入れ歯の場合には、かみ合わせの部分は固いプラスティックで作られていますが、このプラスティックは、固いといっても、長年かみ合わせて行くうちに、少しづつ削られていきます。
時間をかけて、自分のかみやすい形に、自然に歯がすり減って行ってくれるのです。
これも他の治療方法にはない、入れ歯独特の良さでもあります。

歯がすり減りすぎた場合には、また歯を入れ替えるか、歯の上に材料を盛り足すかしないといけないですが、それでまたしばらくかんでいくと、自分なりのかみ方に自然になって行くという流れになります。


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プライベート歯科横濱
院長 脇田一慶

院長 脇田一慶

医院サイト:
https://www.ireba-yokohama.com/

入れ歯治療は、歯科治療の多様な診療技術が盛り込まれた、いわば歯科治療の真髄ともいうべき分野です。私は、研究者として入れ歯や歯科治療について知り尽くしていると自負し、将来を見据えた価値のある入れ歯治療に取り組み、現在も日々研鑽し学び続け、常に最善の治療をご提供できるように努力しています。

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