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2017年10月 4日

欧米の考え方を基準にして、作られている今の入れ歯に問題はないのでしょうか?

技工士の関戸です。

前回の続きのような話になりますが、われわれは、専門家が言うことや、りっぱな先生が話したり考えたりしたことを、鵜呑みにする傾向はあると思います。

歯科の世界は、もともとほとんど欧米の考え方といいますか、欧米からの教育が基本になっているのですが、よくよく考えますと、同じ人間とはいえ、日本人の口や歯の治療をするのに、かなり体格も食べている物も違う文化の人を基準にした考え方で、果たして日本人にピッタリ合った治療ができるのだろうかと、ふと疑問に思います。

日本人でも、女の人と男の人とでは、体格やサイズ、力など、大きな差があります。
食べ物、着る物、使う物。それぞれに女性用。男性用。あるはずです。
同じものが使えないことはよくあります。

そして、欧米人と日本人を比べた場合、もしかしたら、日本人の男女の差よりも大きな差があると言ってもいいかもしれません。
それなのに、欧米人をもとに考えられた理論や理屈で入れ歯を作った場合、どうなるでしょうか。

単純に考えますと、強すぎる、大きすぎる、頑丈すぎるだろうと予想できます。
そして、実際にそのような入れ歯がほとんどだと思います。

もちろんそのような考え方で作られた入れ歯で不自由なく生活されている人も多いと思いますが、私は繊細な日本人に合わせて、もっと歯にやさしい、口にやさしい入れ歯にできないかといつも思っています。

今では当院にかぎらず、いくつかの医院で新しい入れ歯が作られていますが、私はこれからももっと、日本人に合わせたいろいろなタイプの入れ歯が開発されることを期待します。
欧米の理論や設計・デザインではなく、現実の日本人の、男性向き、女性向きなど、さまざまなタイプに基づいて考えられた入れ歯ができたら、バリエーション豊富な入れ歯治療になっていくと考えます。

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2017年10月 3日

今世の中に出回っている入れ歯は、なぜそこまで頑丈に作るのだろうか? 不思議です。

技工士の関戸です。

現在、世の中で一般的に使用されている部分入れ歯は、頑丈なバネや引っかけ、バーを使って、数か所の歯に固定するような形で作られています。

確かに固定するところが多ければ多いほど、入れ歯はしっかりと口の中でとまると考えられますが、もともとの天然の歯に引っ掛けたり、強く固定することが、入れ歯にとっては大切でも、残っている歯にとっては問題がないのか?と考えますと、やはり大きな負担になっていると言えます。

かむ力というのは、相当な力ですので、いろいろな歯に強くバネで固定されていた場合、その健康な歯が強い力で揺らされるのは明らかです。歯は揺らされれば、揺らされるほど、歯周病になるリスクも高まるでしょうし、しっかりと根を張っていた健康な歯が時間の経過とともにぐらぐらして弱ってくることも予想できます。

天然の歯は、歯の根っこに衝撃を吸収する繊維の膜が一層張られています。この膜は、石をかんだりしても頭にズキンと来ないように、強い力を吸収できる能力がありますし、少しばかり歯を揺らされても、耐えられるような働きを持っています。

しかしながら、入れ歯のバネのように、人工的に必要以上に強い力で引っ張られたり、入れ歯で何度もかむたびに、常に引っ掛けられていると、やは悪影響が出てきます。
許容範囲内の力で動かされるのは、なんとか耐えられるでしょうが、ではどれくらいが許容範囲なのかは、正直誰にもわからないと思います。

それならば、強い力で引っ掛けないような入れ歯はないのか?ということで作っているのが、当医院の入れ歯です。
1本1本の歯を、入れ歯に従属させるのではなく、独立させておいて、残っている歯全体で助け合って入れ歯を支えていくという考え方です。できるだけ弱い力で入れ歯を固定しておいて、実際に使っていくなかで、どうしても弱い部分がでてきたら、そこだけもう少し強い力で助ける、という取り組み方です。

すると、16年以上そのような入れ歯を見てきていますが、楽に使われている患者さんが多いです。そして、残っている歯が次々に弱っていくようなことはありません。
入れ歯を着けている感覚も少ないので、うっとおしいということもないでしょうから、気楽に入れ歯でも生活ができているという状態だと思います。

口の中でがんじがらめに固定された入れ歯は、私はあまりよくないんではないかと思っています。本来、口の中はそのような状態ではないと思いますので。
足りない部分を助けるだけで、必要以上に負担をかけるのは、悪い面も出てくるかと想像します。


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プライベート歯科横濱
院長 脇田一慶

院長 脇田一慶

医院サイト:
https://www.ireba-yokohama.com/

入れ歯治療は、歯科治療の多様な診療技術が盛り込まれた、いわば歯科治療の真髄ともいうべき分野です。私は、研究者として入れ歯や歯科治療について知り尽くしていると自負し、将来を見据えた価値のある入れ歯治療に取り組み、現在も日々研鑽し学び続け、常に最善の治療をご提供できるように努力しています。

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