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2017年12月25日

歯並びの大切さを知っている歯科医師は少ない

入れ歯というのは、歯が抜けてしまった所に人工の歯を入れて作る技工物です。

この時に、どの高さや位置に歯を並べるか、どれくらいしっかりかませるかなど、歯を一番理想的な所に並べる作業を「歯の排列」と専門的には言います。

これは、もっぱら歯科技工士の仕事で、ドクターの情報をもとにして考えることは山ほどあります。

しかしながら、歯科医師はあまり歯並びを重要視しません。実際に歯を並べる作業を自分ではやっていないからと言えますが、技工士でも保険診療の既成の入れ歯を数多く量産して作っている人は、深く考えて歯を並べることは少ないと言えます。

この歯並びはとても大切で、理想的な位置に歯を置かないと、さまざまな部分で支障がでてきます。食べ物を食べる時に、力が一番入りやすい位置に歯がなくて、少し高い位置にあるだけで、食べにくくなります。歯で食べ物をうまくつかみながら、なおかつ細かく砕いていかないといけないわけですから、非常にその位置が大切なのです。

食べるだけではなく、しゃべったり、ただ口や舌を動かすだけでも邪魔な位置に歯があると、不快ですし、舌をかんだり、ほほが傷つくことにもつながります。
多くの歯医者さんは、適当に上下でかんで当たっていたらそれでいいという考えであるため、なかなか口の中で何とも言えないしっくりしたおさまりの良い入れ歯と言うのは、提供されにくいように思います。

自由診療で腕のある技工士が質の良い入れ歯を作っても、ドクターが同じようなレベルでないと、せっかくの自由診療の入れ歯も台なしになってしまいます。
『あれっ。自由診療で入れ歯を作ったのに、こんなものかな?』と思っている患者さんがいらっしゃいましたら、そのような理由があると思っていいでしょう。

歯並びは、見た目以上に機能性に大きく影響しますので、ちょっと移動させただけでも、入れ歯全体のバランスが狂ってしまうケースはあります。
もともとの骨格やかみ合わせが少しズレている患者さんの場合には、この歯並びは要注意です。普通に並べているだけでは、きっとはずれやすかったり、痛みがでるようなこともあるでしょう。一度作っただけでうまくいかない時もあると思います。

入れ歯はあくまで人工物ですが、1人1人の生身の体に合わせて、最も最適な状態に仕上げていかなくてはいけないので、単なる物づくりと違うところがあります。
われわれプロの技工士が作ったから良い入れ歯になるわけではなく、使って行く中で患者さんの言葉をよくよく聞いて、その入れ歯に手を加えて修正しないといけないことも多々あります。
生身の口の中で最高のパフォーマンスができる入れ歯を作ることは、非常に難しいですが、楽しい仕事でもあります。
入れ歯は患者さんと二人三脚で作っていくものだとよく言われますが、まさにその通りで、ぜひともいろいろな意見や気持ちを伝えていただきたいと思っています。

1人として同じ体・同じ口の人はいません。なので、できるだけ良い入れ歯を作っていきますが、作ってからも患者さんには、感想をいろいろ言っていただきたいと思います。そして、共に良い入れ歯になるようにしていきましょう。

来年もどうぞよろしくお願いいたします。

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プライベート歯科横濱
院長 脇田一慶

院長 脇田一慶

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入れ歯治療は、歯科治療の多様な診療技術が盛り込まれた、いわば歯科治療の真髄ともいうべき分野です。私は、研究者として入れ歯や歯科治療について知り尽くしていると自負し、将来を見据えた価値のある入れ歯治療に取り組み、現在も日々研鑽し学び続け、常に最善の治療をご提供できるように努力しています。

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