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2019年7月11日

部分入れ歯と総入れ歯の違いと、大切な共通点

技工士の関戸です。

入れ歯には、部分入れ歯と総入れ歯があります。
総入れ歯は、すべて歯がなくなった人の入れ歯であり、ハグキだけで支える入れ歯になります。
部分入れ歯は、歯が1本でも残っていれば、部分入れ歯と言われます。

歯は上下とも片側に平均14本の歯がありますので、1本~13本までが部分入れ歯で、14本すべてになれば、総入れ歯になるとお考えください。

ただ、歯の根っこだけ残っているような場合に、その根っこをおおって入れ歯にした場合には、歯の根っこがあるけれども、総入れ歯ということになる場合があります。

このタイプの入れ歯は、総入れ歯であるけれども、しっかりした歯の根っこが残っていますので、比較的入れ歯を止めやすいとも言えます。

グラグラした歯を1~2本残しておくよりも、むしろ木の切り株のような形に歯をカットして、入れ歯を止めるための土台として利用すると、よりかみやすく、力が入る入れ歯になると考えられます。

基本的には、総入れ歯はハグキで支えて、部分入れ歯というのは、残っている歯で支える入れ歯になるのですが、ここで問題なのは、前回のブログでも書きましたように、あまりに強く歯に負担させるような入れ歯は、残っている歯をダメにしていきますので、できるだけ少ない力で支えて、そしてできれば、残っている歯全体でささえるような考え方の入れ歯のほうが得策だということです。

ある部分だけ強く、一部分の歯に強い力をかけますと、いずれダメになってくる可能性が高くなります。そういう入れ歯の場合、特にハグキでしっかりかませていないことも多いので、ハグキまでがやせてきて、どんどんハグキの山がなくなっていくことがあります。

私どもの入れ歯の場合には、ハグキでしっかりかませますので、いつまでも適度な刺激と圧力がハグキにかかることで、ハグキが健康なままでいられます。
体は、おもに骨と肉でできていますが、刺激や圧力がなくなると、寝たきり老人ではないですが、どんどんやせ細っていきます。

口の中も同じようなもので、かむことでハグキも、そしてハグキの下の骨にも刺激が加わることで、年齢をかさねてもハグキの山がなくならない状態になります。

30代の頃に総入れ歯になってしまった人が、逆に70歳を超えているのに、30代のようなハグキを保っている患者さんはたまにいらっしゃいます。
体は、使い続けていくことで、良い状態が維持されていく。
口の中も同じく、ぴったりした入れ歯で生活し続けていくことで保たれる。素晴らしい証拠を見せていただけたりします。

歯周病にかかったまま、良くない歯をずっと残していくことは、ハグキとその下の骨をどんどん減らしていくことにもつながるのですが、そのことをよく理解して自覚されている患者さんは残念ながら非常に少ないです。

健康なハグキとその下のあごの骨を保つためにも、早めの歯周病のケア、あるいは、嫌かもしれないですが、歯を抜くことも検討していただけたほうが、のちのち良い状態で入れ歯を使い続けることができるので、皆さんに考えていただきたい点ではあります。

そして、部分入れ歯であれ、総入れ歯であれ、しっかりとハグキでかめる入れ歯を作ることが大切です。このようなタイプの入れ歯を、部分入れ歯でお作りしている歯科医院は非常に少ないかもしれないですが、健康なハグキとハグキの下にある骨を維持していくためにも、ぜひご理解していただけたらうれしいです。

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プライベート歯科横濱
院長 脇田一慶

院長 脇田一慶

医院サイト:
https://www.ireba-yokohama.com/

入れ歯治療は、歯科治療の多様な診療技術が盛り込まれた、いわば歯科治療の真髄ともいうべき分野です。私は、研究者として入れ歯や歯科治療について知り尽くしていると自負し、将来を見据えた価値のある入れ歯治療に取り組み、現在も日々研鑽し学び続け、常に最善の治療をご提供できるように努力しています。

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