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2019年11月21日

新ブログに移転しました

当院のブログをご覧いただきありがとうございます。
プライベート歯科横濱のブログは新しいブログに移転しました。

https://www.ireba-yokohama.com/blog/

今後ともよろしくお願いいたします。

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2017年8月15日

ラバーダム要らない説

 残暑お見舞い申し上げます。

 さて、患者さんを含め、歯科医師の中でも、ラバーダムの必要性を訴えられている方が結構いらっしゃいます。ラバーダムを使うことに文句はないのですが、信念を持って使わない私のような歯科医師もいるので、使わないことに文句を言うのはお門違いということも皆さんに知っておいていただきたいところです。

 まずラバーダムの必要性について、端的に言えば、患者さんにとっては「根管治療における感染防止になり、結果治療の予後が良い」と信じたいところでしょうが、こんなものは全く(ほとんど)関係ないです。
 むしろこんな風に考えている方はおそらく「HIV(エイズウイルス)が1匹でも体内に入ると、人はエイズに感染する」と信じているはずです。
 これは科学が分かっている人にとってはこの程度で感染しないのはわかっているのですが、的確に科学を知らない人は、1匹でも、もう怖くて怖くて・・・のはずです。恐怖心で思考停止です。
 
 それはさておき、根管治療の成功、失敗を決めるのは要素があり過ぎてラバーダムだけでは決定打にならないということなのです。すでに根管内に菌はいるわけですから、入らないように工夫することは悪くないですが、それよりもきちんと根管内が消毒できるかどうかがポイントなのです。
 
 簡単に言えば、根管治療に成功するためには1000の要素があり、すべてそろえば100%成功、300そろえば95%成功するという感じのものでしょうか。100以下になると50%の成功率になるという何ともアバウトな治療なのです。
 ラバーダムはその10くらいの要素にはなるでしょう。しかしラバーダムをすることによってそれを打ち消すようなデメリットも生じます。
 例えば、すべての歯に適応できない。うがいできない。患者さんの表情が見えない。緊急事態に対応しにくい。歯に締め付けられる不快感がある。毎回の本治療に取り掛かる前に時間がかかる。そして最も大切なこと「予後に差が出るという報告がない」ということです。(逆に私としては予後に差は出ないと結論付けてます)
 下手な人が治療すれば、場合によっては予後が悪くなるかもしれないくらいです。
 これが先ほど述べた1/100程度の要素でしかないということです。これにコストをいくらかけるのか、患者さんもよくよく考えてください。1回あたり1000円以上かけるなら私が患者なら遠慮します(もしろ毎回きちんとするならこのくらいが最低のコストです)。
 ラバーダムを使っている先生で、根管治療のやり直しがこれまでない、私の治療は100%という先生がいるならそれは価値がありますが、そんな先生はそれ以外の工夫があるのです。ですのでラバーダムがなくてもきっと100%でしょう。

 ちなみに私は使ってない派ですが、治療終了後大丈夫ですと宣言したものについては、成功率は100%です(10年以上経過)。丁寧に根管内を消毒できる方が、余程成功の要素としては大きいのです。

 根管治療の予測は天気予報くらい難しいです。私でも簡単な症例と思っていたのに、案外手こずるとか、難症例と思っていたのに案外簡単に治ってしまったとか、今年の猛暑予測くらい当たらないです。ですので、簡単な症例そうに見えるものでも、必ず、治らない可能性のリスクを患者さんに説明しておきます。
 
 おそらく病気と言われる現象は科学の法則通りなのですが、病気はその単純な科学の法則の複雑な組み合わせで出来ています。本当に一つ一つは簡単なのですが、3つ以上組み合わさると素人には判断ができなくなります。将棋もそうですよね。一つ一つの駒の動きは単純ですが、複数になると途端に普通の人はついていけなくなります。
 
 ですので、皆さんも根管治療に必要なのはラバーダムだけではないことを知っておかれた方がいいと思います。またあまりラバーダムにこだわらないでください。よろしくお願いします。
  

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2017年6月 2日

有名な先生なんですけれどご存知ですか?

 たまには院長の脇田です。よろしくお願いします。

 久しぶりにちょっと言いたいことがあったので、書かせてください。歯科関連の小冊子やパンフレット、ポスターを専門に作っている会社の方から営業を受けたんですが、ことあるごとに、

「この先生はどこどこで自由診療だけをやって稼いでいる有名な先生ですがご存知ですか?」とか

「この先生は有名で、日本国中駆け回ってセミナーもされてますが、ご存知ですか?」とか

「おそらく歯周病専門の先生の間では、有名だと思うのですが、〇〇先生ご存じないですか?」

 とか、一部の歯科医師には有名なのかもしれませんが、さんざん知らない先生を登場させて、資料の価値の高さをアピールされていました。私が勉強不足で知らないだけのかもしれませんが、とにかく中身のないパンフレット内容ばかりなのです。私としては誰が作っても良いんで、患者さんが感心する、感動する内容でないとちょっと採用は難しいことをお話して、お断りしました。

 残念なことに、こういったことはよくあります。私としてはこの歯科業界で「有名な先生なんですけれどご存知ですか?」的な先生はいないと思ってます。まあ強いてあげれば、音楽で芸能活動しているGReeeeNくらいでしょうか。それ以外は正直「あんた誰?」のレベルです。

 セミナーなどでも、イントロの紹介で「もう咬合の世界ではすっかりおなじみの〇〇先生ですが」と言われてまんざらでもない顔をしている先生を見ると本当に「否定しないんだ」とすら思ってしまいます。
 そしてそんな先生に限って「ワトソンとクリック (DNAが二重らせん構造であることを発見した人たち:ノーベル賞受賞者) 知ってますか?」と聞くと(まあこんなダイレクトな聞き方ではないですが)、「確か歯周病関連の研究をされている方でしたかね」というとんでもない答えが返ってきます。(心の中では、一般にはあんたよりはるかに有名なんだけどね・・・と突っ込んでますが)

 本当に実力ない人は「有名」という一言で、相手にプレッシャーをかけようとします。しかしプレッシャーをかけられるくらい有名な人は、少なくとも、業界外の一般の人にも名前と業績が知られるくらいでなければならないと思います。逆にそれ以下の程度で「有名って」名乗って恥ずかしくないのかと思います。

 私としては「有名な先生」でなくてもいいんです、この先生は何をやって来たのかが知りたいのです。
 例えば私だったら、自己アピールの文言として、「入れ歯で有名な先生」と一言で片づけられるより、
 
 「日本で初めて歯科治療にテストして材料、設計を決めるという概念を持ち込んだ先生です」と紹介される方が、「紹介者さんわかってんじゃん」と思います。

 少なくとも、その人にしかできなかったことが、第三者にアピールされなければ、やっぱり誠実な中身は伝わらないと思うのです。有名でなくても恐ろしく頭の切れる歯科医師はいます。そんな先生は少なくとも巷で有名になることはありません。テレビの取材も来ません。でもいい仕事をしてる方はいらっしゃいます。有名か無名かで価値を決めるのをそろそろやめなければ、歯科業界は本当に軽薄な業界になっていくでしょう。

 みなさんも、「有名な先生なんですがご存知ですか?」と聞かれたら、「すみません私は存じ上げないのですが、どういう業績で有名なのでしょうか?」と聞いてみてください。些細なことでもいいので、その人にしかできなかった業績がアピールされたなら、その先生に興味を持ってもいいと思います。

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2016年10月19日

解剖学は役に立つ学問です

 みなさんは解剖学と言えばお医者さんしか知らない、専門中の専門領域と考えておられるかもしれません。
 私自身、大学院の研究室が解剖学講座であったため、学生教育に必要な知識として、いわゆる専門以上の指導的立場の勉強をしてきました。
 
 しかしこれもおかしなもので、素人に毛の生えたレベルの院生が、研究の傍ら(本業は研究ですので)、基本は教科書を読んで実習を積み重ねていくという地道な勉強を続けていくだけなのです。何か区切りになるような「全国統一解剖学者認定資格試験」なるものがあればいいのですが、残念ながら、そういった指標はありません。追求すればするほど詳しくなるのですが、これでいいのかな?という不安があるのが正直なところです。場合によっては勘違いして理解していることもありますし、専門家でも見解の違いがあります。間違いを正してくれる人もほとんどいません。

 教科書程度はほぼ暗記になりますが、教科書に書いてあることを学生に説明してもおそらくわからないことだらけです。立体構造と機能を説明するのは相当に勉強していなければ、自分自身の言葉で、身近なものに置き換えて相手に説明することは大変難しい事なのです。
 
 ところが現在、この道を極めたところで、医者になるのに直接関係ないと考えている(みなさんここ大事なところです)医学部、歯学部の教授が多いため、基本的な教育以外、この分野はすでに力を入れて極める人のいない不人気講座です。
 
 医学部の解剖、歯学部の解剖に残って解剖を極める方は今や全国探しても、数えるくらいしかいません。私の時代にはそれでも新潟大学医学部の熊木先生や、熊本大学医学部の児玉先生がいらっしゃったので、少ないながらもまだまだ勉強できたと思います。
 要はお金にならないから人気がないというのが一番の理由だと思います。

 解剖を知らないお医者さん、歯医者さん。

 まあ歯医者さんはいいのかもしれませんが、私としては基本的な解剖を知らないから、ひょとしたら正確ではない結論を導くとすら思っています。

 例えば認知症に関して

 「噛むことにより認知症が防げる。噛むことは脳への刺激になる。」まあ、あながち間違いとは言えないですが、噛むための神経って脳神経の三叉神経1本(枝は3本ですが)をせいぜい駆使する程度。私からすると、「噛むことより、舌を使うことの方が余程の脳神経使うんじゃない?」と訴えたいくらいです。そもそも噛むことではなく。「舌で食べ物をまとめる、味わう、飲み込むことの方が重要なのでは?」と思います。
 
 味覚も含めて舌を使うためには、舌咽神経、舌下神経、顔面神経、三叉神経(舌神経)の4本の脳神経を駆使します。さらに飲み込むことに関して言えばこれに延髄の反射、迷走神経が加わります。脳への刺激というなら格段に舌を巧みに使うこと飲み込むことの方が重要ではないでしょうか?こんなこと研究しなくても少し考えただけで、おおよそ想像がつきます。

 この研究をした先生は、噛むということと、味わって食べるということを区別して実験したかどうかは、はなはだ疑問です。実験によっては噛むことと結論づけられるでしょうが、未来人は顎が小さくなるという予測に矛盾しちゃいないですか?とすら思います。脳が発達すれば顎が小さく進化するのは、物理解剖学的には当然のことだと思います。つまり脳を使えば、噛むことは自然と制限されるはずなのです。噛むことは本当に脳に大いに影響しているのでしょうかね?
 顎が大きな動物が賢いとみなさん思いますか?

 そう考えると「よく食べられて、良く寝られたら健康」という単なる昔の人が言ってきたことを改めて言われてもねえ・・・と言った感じになりませんかね。

 解剖をちょっと勉強すれば、わざわざ研究しなくても答えが出てくるのもがあるような気がするのですが・・・。どなたか反論があればよろしくお願いします。

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2016年9月30日

また本人の勉強不足で嘘言っちゃってるよ。

 先日、テレビ番組を見ていると、3歳までいわゆる虫歯菌を子供に感染させなければ、その子は虫歯にならないみたいなことを言ってましたが、はっきり言います。

 「残念ながら、そんなことはないでしょう。」 

 どうやらその歯科医師の理屈では、細菌というのはそれぞれ住み分けができていて、一旦、そのバランスが口の中で完成されたら、他から入って来ても、住みつくことができないということらしいのですが、ちょっと聞くと、「ほう、そういうものなんだ」と思うかも知れませんが、まず考えにくい話です。

 仮にもしそんなことで虫歯ができないということであれば、虫歯菌が住めないような物質を出す、あるいはやっつける常在菌がいるということですから、その菌が作っている虫歯菌に対する特効薬を科学分析して、口腔内に投与してやれば、みんな虫歯にならないはずです。

 また、だったら初めからそのベストバランスの菌をすべての人に投与して住みつかせればいい話です。

 さらに、比較解剖学という動物種を比べて考えて、虫歯の話をすると、人と同じものを食べるようになると、他の動物も虫歯になるのです。これは自然界の動物でも同じです。自然界の動物が人と同じ3歳程度まで虫歯は無くても、やはりなります。
 そうなると、人と動物の口腔内、免疫システムに決定的な違いがあれば別ですが、そこは同じようなものと考えることが、妥当ではないかと思います。むしろ自然界の動物の方が免疫系は強いと思います。
 つまり3歳までに常在菌のバランスが完成すれば虫歯にならないは、やはりかなり根拠が薄いと思います。

 どこの先生の受け売りかわかりませんが、おそらく自分で研究したことのない先生は、「論文」、「著名な先生の発言」というだけで思考停止してしまい、信じてしまうのでしょう。自らその説が正しいのかどうか、判断する材料、知識に乏しいと思います。
 
 研究者として本気で勉強している人って、一般の人が考えているより、遥かに博識なんです。なぜって学問を追求することが趣味みたいなもんですから。そういった人のそばで勉強してると、私なんかもそこに注目すべきなのか?とか、そこまで気になる?というところまで追求する人ばかりです。一流ならではの流儀というものがあります。逆にだからプロの研究職なんだね。と感心もします。一般歯科の先生が少年野球程度のレベルで、そういった先生は大リーグ級です。正直話にならないだろうあと思います。実際私程度でも話になりませんので。
 
 そもそもなぜ虫歯になるのか?本当にミュータンスなのか?など、どう悪さをしているかは実際のところ分かっていません。

 私の予想ですが、虫歯にならないためには、加工食品を一切食べないことです。火を使ったり、フードプロセッサーを使ったり、包丁などとにかく文明の利器を使わず、口と手だけで生で料理してできるものを食べたら、おそらく虫歯は激減するでしょう。
 細菌も餌がないと、生きて行けないのです。細かくされ過ぎた食べ物の残渣(ざんさ)がおそらく彼らの温床になっているのでしょう。
 しかし、実際問題、現代社会に生きていて、こんな食生活は無理ですよね。
 
 どういう対策が今のところはベストなのかは、当医院にお越しいただけたらお話いたします。

 後、付け加えたいのですが、子供に虫歯菌を移さないように、食べ物をかみ砕いて与えたり、同じ箸、スプーンを使わなかったりする指導が歯科医師によって行われていると聞きます。もしかしたら虫歯のリスクは減るかもしれませんが、外敵に対する耐性や、親子の情操形成に大きく問題が出る可能性があり、私としてはそっちの方はどう考えているのか伺ってみたいものだと思います。

 どうも歯医者さんで精力的にマスコミ配信している方は、脊髄反射的な発想があり、もっと多角的によく考えてみなよと言いたくなります。

 

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2016年9月17日

日本の医療について知っておいて欲しい事

 みなさんは医療というものが、実際の現場では案外教科書通りに進められていないというとをご存知でしょうか。
 
 例えば、身近な車の運転で考えてみていただきたいのですが、

 路上を見る限り、厳密に教習所で教えてもらった通りに運転している人など、どこにもいないことが分かると思います。医療の現場でも似たり寄ったりであることはみなさんもちょっと想像したら分かるかと思います。
 
 ところが、運転免許の場合は、教習所で習った道路交通法の通りに運転しなければ、たとえ些細なことであっても、警察が見ていたりすれば検挙されます。違反行為のすべてが検挙されているわけではないですが、そのくらい厳しいルールの下で、みんな緊張感をもって車の運転をしています。

 これと同じように、歯科医師法でも、道路交通法と同じく、厳しいルール作りがなされているものと期待されるかもしれませんが、残念ながら、道路交通法よりも相当あいまいなルールになっています。さらには監視もほとんどなし。と言ってもいいでしょう。
 つまりその中で自分を厳しく律して、医療倫理に基づいて治療する使命感を持ち続けることは相当困難です。
   
 そもそも保険診療の場合には、さらに歯科医師法以外の「国民健康保険法」や「社会保険診療報酬支払基金法」などの制約があるので、その中でやりくりしようとすれば当然、歯科医師法の解釈のぎりぎりを利用して治療する先生がいても、何ら不思議はないのではないでしょうか(個人的には倫理的にはアウトなケースは多々見られますが)。

 保険診療自体、表向きは治療優先ですが、ルールは教科書に沿って作られていません。
 まあ驚きますよね。私も大学を出たての青二才のころは、国家試験では✖でも、現場では〇となるようなルールがあること自体に大変疑問を感じましたが、経済、医療費を抑えるという側面を考えると仕方がないものと今は理解できます。
 
 保険診療自体のルールは実学に基づくものがほとんどですので、学術的に合理性があるかどうかは二の次なのです。つまり保険診療を忠実に採用している先生は少なくとも、教科書通りというのは難しいのではないかと思います。

 中には費用度外視でやる先生もいますが、これは実際には保険制度では違法になります。例えば保険で銀歯しか入らないところを、うちはサービスで良い材料の白い歯を入れますよ。と良かれと思ってやったら、違法になるのです。サービスは全国一律が原則なのです。患者さんもサービスしてもらってラッキーと思うでしょうが、他言しない方がその先生のためです。下手するとその赤ひげ的な良い先生は罰せられます。

 みなさんのために貢献している先生が罰せられるのです。なんとも納得いかないところですが、これが今の日本のルールなのです。


 路上には警察がいるので抑止力にはなりますが、臨床の現場ではそれを止める、あるいは監督する人はいません。
 みなさんは厚生労働省や地方自治体、医療保険を管轄する社保庁などが、その抑止力になっていると考えるでしょうが、おそらくみなさんが期待するような抑止力にはあまりなっていないというのが正直なところです。

 もちろん、不正請求に対する抑止力にはなっていますが、不正治療にまで監督は行き届きません。
 
 もちろん教科書通りがすべて良いとは言いませんが、もしみなさんが今の保険診療に不満を持っている場合には、歯科医師にも大いに問題があることは事実ですが、そのルールに問題があると考えていただけたら、少しは怒りも収まるかもしれません。

 保険診療の先生の中には制約のあるルールの中で、本当によく頑張っておられる先生もいらっしゃいます。

 私とは立ち位置が違いますが、そういった先生は私も尊敬しております。

 当医院はその点、自由診療ですので、歯科医師法には縛られますが、それ以外は治療に障害となるものはありませんので、比較的自由度は高いのです。
 監視役は・・・と言えば、スタッフの関戸と神藤になります。案外彼らが厳しいので、私も緊張感を持って治療ができます。スタッフが間違っていることはきちんと言える環境こそが、今の医療体制には必要なことではないかと思い、実践しております。

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2016年9月 9日

エビデンス、エビデンスとうるさい

 最近、やたらとエビデンス(科学的根拠)という言葉が使われていますが、科学論文=エビデンスと勘違いしている先生のなんと多い事でしょうか。大学院出の先生ですら、そうですので、一般の人は歯科医師から「論文に書いてあるから、これは科学的根拠がしっかりしてるんです。」と説明があれば、おそらく。「だったら大丈夫、安心の治療ね。」と思うでしょう。


 しかし!!!

 私からすれば、こんな研究者気取りのごっこ遊びは、歯科界のマイナスとなるので、やめてもらいたいのです。

 エビデンスというのはこんな単純なものではありません。

 ちょっと調べてみたら、その論文はネズミのデータだったりします(人を対象にしたデータは全くと言っていいほどありません)。
 あるいは、世界での発行部数が数百部の論文雑誌だったりします。
 あるいは、その論文を評価する「レフェリー」と呼ばれる人がいない雑誌っだったりします。
 あるいは、数十年前の論文だったりします。
 あるいは、歯科だけしか通用しない雑誌だったりします(基本的に世界を揺るがす歯科の発見、発明は、いわゆる歯科雑誌には載せません。その理由はレベルが低いので、内容が世界を揺るがすくらいなら、少なくともネイチャー、サイエンスクラスの雑誌に載せないと割に合わないのです)。

 要はポンコツ雑誌のポンコツデータを引き合いに出されて、その受け売りを患者さんに応用してもかえって迷惑なのです。
 
 患者さんは簡単に信じてしまします。ネットでマニアックな一部の先生が絶賛している情報はほとんど効果なしです。その証拠に劇的にその治療法は広まらないですよね。そんな治療がポンコツなのは、私なら反例をあげて、「だから効果なし」で即終了です。


 逆に言えば、99%以上の論文はほとんど臨床応用ができないものばかりなのです。ノーベル賞受賞者である山中教授のiPs細胞ですら、臨床応用するために、日本で最高の知識と人材をそろえても、こんなにも時間がかかるのです。

 だったら何を信じたらいいのかと言えば、残念ながら、本気で上のクラスを目指して研究した人でなければ、これはわからないです。教科書に書いてあることが、案外嘘が多いよね。というレベルまで勉強しないとまず無理でしょう。

 自分で判断できないけれど、納得の根拠が欲しい方は一度当医院にお越し下さい。お待ちしております。

 

 

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2016年9月 2日

入れ歯 要れば 入れば

 今、入れ歯を検討している人で、もし1ヶ月以上悩んだのであれば、次は思い切って実際に入れ歯を入れてみることを検討してみてください。

 当医院では歯を全く削らず、抜かず入れ歯が作れます。
 
 保険で作る入れ歯ですら、歯を削りませんと言いながら、実はわずかに歯を削ったり、ほとんど削らないと言ってみたり、患者さんもそういった点にすごく不信感を持っている話も当医院ではよく聞きます。
 おそらく、こういったことで、歯医者に行って医療行為を受けること自体が結構なハードルになっていると思います。
 
 とにかくあまり口の中を触られるのが嫌なら、多少費用はかかっても、全く歯を削らず入れ歯を作ることができる当医院の入れ歯は悪くないと思います。
 
 もう一度言います。全く歯を削ったり、抜いたりしません。それで入れ歯を作ることができます。

 入れ歯が必要ならば、入れることを試してみればいいのです。

 「入れ歯」「要れば」「入れ(れ)ば」

 結構いい感じで韻を踏んでいるので、今後もごり押しで使っていこうと思います。

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2016年8月27日

根管治療の価値

 こんにちはプライベート歯科横濱 脇田です。
 
 当医院は特に根管治療が専門というわけではないのですが、今まで他の歯科医師がやっている根管治療で、これは私にはできないと思ったことはありません。むしろ専門の医院で治療したはずの歯がこれは治ってないだろうと思うことがしばしばです。

 歯の治療は「歯周病」、「虫歯」、「かみ合わせの強さ」の三つを必ずチェックする必要があるのですが、根管治療専門の医院は案外歯周病、かみ合わせに対する注意が甘いように感じます。まさに木を見て森を見ずと言いましょうか。

 患者さんは顕微鏡があれば根管治療が上手だろうと勝手に思い込みますが、例えばこんな例を想像してみてください。

 小学生が顕微鏡を見て歯のスケッチを描くのと、私が虫眼鏡で歯のスケッチを描くのとではどちらがうまいと思いますか?

 「先生は歯の基本構造を知っているから顕微鏡のある小学生よりうまく描けて当然でしょう」

 とほとんどの患者さんはそう答えます。

 「まさにそれなのです」

 構造、原理を理解すれば、極論ではありますが、ちょっと腕のいい先生であれば、ほとんどの根管治療は顕微鏡がなくても治すという目標は達成できます。まれなケースで、顕微鏡があれば確認できるかもということはありますが、なければできないというものではありません。

 腕が同じ先生であれば、もちろん顕微鏡があった方がより精度の高い根管治療ができるでしょうが、その分全体を見るということが手薄になるでしょう。どういう立ち位置で治療することが自分に最適かを考えることも歯科医師の才能にかかっています。

 ある一点に集中して、腕のいい先生というのは、専門以外は案外手薄になります。逆に専門というからにはそのくらいのレベルになければ、実は極められないのです。

 みなさんは美術学校の学生が、絵が全員うまいと思ってらっしゃるでしょうが、専門家同士が見ると、「彼は彫刻の方がうまいね」とか「彼女は抽象画の方が才能があるね」とか、実は素人にはわからない、さらなる専門性があります。素人がみたら皆プロ級の写実画を描くのにです。

 もちろんこれは高いレベルの話で、歯科でも「根管治療専門、顕微鏡あり」がびっくりするくらいまずい治療だったりします(少なくとも根管くらいは開けて病巣に薬剤が届くところまではできないと専門が聞いてあきれます)。私としては専門というからには、「世界の根管治療を見渡して、私よりうまい人はいあないなあ」と思うくらいでないとまずだめだと思っています。実は自分では頭2つくらい抜けて才能があると思っても、上には上がいますから。ただしこのくらいのレベルになるとそうめったにはお目にかからないとは思います。

 私も自分の根管治療が世界で一番とは思えない以上、専門ということは言いませんが、どこの歯科医院でも抜歯と言われ、当医院に来院して8か月かかって根管治療した患者さんの歯が、今年8年経って問題ないですねとお伝えした時、

 「あの3万円は安かった。今考えると少なくとも30万円の価値がありました」

と言われました。私としては3万円で十分なのですが

 「そう言っていただけるとありがたいのですが、当時10万円かかりますと言われたら、Sさんも二の足踏んだんじゃないかと思うんですよね。もし本当に30万円の価値を認めていただけるのであれば、このエピソードをブログに書いていいですか?」
 と私も次の患者さんにつながるようにと、そこは厚かましくお願いしました。

 Sさんの許可をいただいたので改めて当医院の宣伝です。
 
 「当医院は根管治療も案外お得です。」

  


 

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2016年8月20日

インプラントは歯学的にはOKですが

 まだまだ暑い日が続いていますが、助手の神藤に負けずブログを更新することにします。今回はインプラント希望の方に、当医院では必ず説明していることを書きたいと思います。

 それはズバリ
 「インプラントは歯学的にはOKかもしれませんが、医学的には間違った治療法です」というものです。また、なぜ歯学的にはOKなのかと言えば、「メリットがデメリットを上回るため採用している方法」だからなのです。
 
 インプラントに関しての科学的根拠云々は、まったく意味がありません。未来永劫ノーベル賞を取ることもありませんし、ハイレベル科学雑誌にプラスの要素で掲載されることもないのです。本来の科学の正しい理論から外れていますので。

 素人だから説明はできないけれど、人間の本能的な感覚でインプラントは危険!と感じておられる方が少なからずいます。その人たちの感覚は実は鋭いのです。

 では何が医学的に間違っているのかを素人にもわかりやすく説明するなら、「人工物を中途半端に、一部を体内に入れ込み、一部を外に出しておく。」ということです。「境目はどうなっているのですか?」という疑問に対して嘘偽りなく説明するなら、「一生かさぶた状態」です。
 
 「人工関節や心臓の人工弁なども、インプラントと同じチタン合金なので安全な素材なんですよ」という説明をする歯科医師は私からすると、「そこじゃないでしょう」と言いたくなります。体内にすべて埋め込んでしまえるものなら、チタン合金だろうが、セラミックだろうが、金だろうが、シリコンだろうが、ほぼ同列に安全な素材なのです。
 一部が外に、一部が中にその境目は常に感染の危機にさらされていることが問題なのです。そこを説明すべきです。

 私は、インプラント自体は歯科で必要なオプションだと思っていますが、患者さんには嘘偽りなく本当のことをお伝えしてから選択していただくべきではないかと思います。

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2016年6月18日

入れ歯を入れると骨が痩せる!?

 「歯が抜けて入れ歯を入れると、顎の骨が痩せてくるの」という情報を信じて疑わない患者さんがいるようですが、結論から言えば、ありえません。
 適度に力がかかるところに、むしろ骨というものは増えるか維持されるのが生物学の当たり前ですので、適合のいい入れ歯であれば、答えは明らかに「骨は痩せない」です。ちなみに合わない入れ歯を入れたら「適正な力」とは言えないため、ひょっとしたら痩せることもあるかと思いますが、それですら、証明することはとても難しいのです。

 まず、そもそもの問題として、入れ歯を入れて骨が痩せることを証明できるでしょうか?ということですが、答えは「NO」です。

 誰もが否定できない証明方法は、総入れ歯の人に右(あるいは左)半分だけの入れ歯を入れて、もう半分はそのままにしておく。そして左右を比較して結果を判定する。ということができれば確実でしょうが、現実問題として不可能です。
 
 ただし、机上の理論ではありますが、半分だけ骨を痩せさせる、つまり「メスを入れずに骨の形を部分的に改造する」ということはまず相当難しいと思われます。
 逆にできるものならやってみてくださいというレベルです。おそらく素人的にもあり得ないことが分かっていただけるかと思います。

 一般の患者さんのみならず、専門家と言われる人ですら、他人の間違った情報を信じがちです。本当は専門家も何もわかってはいません。
 もちろん私も含めてです。ですが、誰もわからないことを他人の意見ではなく、自分なりに勉強して結論付けていく訓練をすれば、他人の間違った知識に、鋭くメスを入れることは簡単なことなのです。
 要は本当の学問を積み重ねないとだめということです。
 小学校の計算ドリルをひたすら極めても、それは学問とは言えないのです。


 ではこの入れ歯を入れると骨が痩せるというのはどこからくるものでしょうか?

 「その歯科医師の経験から」

がその答えです。ですので、私から言わせていただくと、そもそもそういった歯科医師は入れ歯作りが本当にうまいのでしょうか?という疑問があります。

 

  

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2016年6月 2日

歯科医院作りもホームページ作りも基本は同じ

 みなさんはあまり興味がないと思いますが、ホームページを作ることは、結構、時間と費用がかかります。文章のリライト、読みやすくするための工夫、写真のレイアウトなど、手間のかかる仕事ばかりです。
 
 しかし、うまくごまかせば利益率が良いのでしょう。ホームページ制作会社、およびそれを利用しての集客コンサルティング会社など、ネットに疎い歯科医院の院長を狙って「ホームページは集客に最も有効なツールです」「集客が上がります」「Google、Yahoo!検索で御社を上位表示いたします」と営業を売り込んでくるところが後を絶ちません。

 そういうところは例外なく、「最先端のシステム導入」「最新のソフト」「最近の傾向」など、さも良さげに売り込んでくるのですが、話を聞いてみると中身はポンコツであることがほとんどです。 
 
 このネットの世界は20年くらいの傾向、総括、そして未来予測を含め、私たちのチームでも真剣に考えてきたのですが、「プロと言われる会社の人がこの程度なのかあ」とがっかりさせられることがほとんどです。素人でもできるようなことを大金を払ってまでやりたくないというのが本音です。
 
 例えばGoogleはこれまでに検索エンジンをたびたび更新して、その対策に追われている歯科医院が多く、それについていかないといけないというコンサルティングを延々とされるのですが、実はGoogleはある一つの目標に向かって精度を上げてるだけであることが、もう数年前に分かってます(これは私たちのグループの解析ですが、聞けば小学生でもわかるじゃんという解析です)。そのために何をするのが近道なのかもわかってます。Googleは急がば回れの方法を要求してます。そのため面倒で時間がかかる作業をしないと評価されないこともわかってます。
 逆に言えば、この20年もの間Googleの方針は全くぶれてないのです。
 
 それは
 私たちの医院でも、開院当初から最も大切にしている方針でもあります。小手先の評判、目先の利益、などを利用せず、地道に患者さん(お客さん)の生の評価、評判を追求していくという点です。偽の評判を書き込んでも続かないですし、誇大広告、等身大以上に大きく見せるような裏技を使っても、結局はそれを排除するようなシステムをGoogleは構築し、評価基準にしているだけなのです。

 おそらく最終的にGoogleが行き着く先は、抽象的ですが、初対面で我々が人を判断するような基準でホームページを評価していくものと思われます。

 会話、立ち振る舞い、顔つき、服装、親兄弟、交友関係勤め先など、一般に信用できる人というのはある共通のカテゴリーに属します。もちろん絶対ではないですが、そういった信用カテゴリーを増やすことが、歯科医院作りにも、ホームページ作りにも求められているような気がします。
 何年か後に「やっぱりそうだったでしょう」と言えるよう、当医院も患者さんの信頼を少しずつでも増やせるように日々頑張っていきます。
 
 

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2016年5月23日

虫歯はなぜ自力で治せないのか?

 病は気から。一般的にケガや風邪、ちょっとした感染症、体調不良などは自力で治すことができますが、虫歯は自力で治すことができません。

 「虫歯は感染症である。」ということはほぼ100%の歯科医師が認めるところですが、ではなぜこの感染症である虫歯が、ほかの感染症と異なり、自力で治らないのでしょうか?
 
 実はほとんどの感染症は体の中で「抗体」と言われるものができて、それがターゲットととなる病原菌を「標識」してくれることにより、攻撃対象として体の中で処理されます。ここが大切なところで、抗体が病原菌をやっつけてくれる訳ではないのです。単に敵に対して目印を付けてくれるだけなのです。実際にやっつける部隊は、白血球である、リンパ球と言われるものです。

 そこで話を戻して、虫歯に対する「抗体」はできないのでしょうか?と言われたら、できてると思います。皆さんの口腔内に一定量常に存在していると思います(ラットの歯の中には抗体が存在していることが確認されていますが、何かに感染している証拠です。歯の内部は決して無菌状態ではありません)。ではなぜそれが劇的に効果を発揮しないのかと言われると・・・。その答えはこの文章中にすで書いてありますので考えてみてください。

 当医院の患者さんには、初診からこんな基礎的なお話をたくさんさせていただいております。歯が悪くならないためには、患者さん自身が、敵を正確に理解していただくことが大切なのです。

 こういったお話が理解できれば、同様の理由で、虫歯のワクチン、歯周病のワクチンができても、おそらく効かないよ。ということは、容易に分かるかと思います。

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2016年5月 6日

入れ歯を入れても顎の骨(歯ぐき)は痩せません

「入れ歯を入れると顎の骨が痩せる(痩せてくる)。」という情報がまことしやかに巷でさささやかれており、それを否定する情報が出てこない、という患者さんからの訴えを受けて、急きょその命題を真っ向から否定するお話をしたいと思います。

 そもそもですが、現在入れ歯を入れている人を、入れる前から追跡調査することについてはいささか疑問なところがあります。というのはその追跡調査する歯科医院に定期的にかかっていながら、入れ歯になる前に治療できなかったのか?あるいは入れ歯になって全く歯周病を食い止められなかったのか?など、とにかくそこの歯科医院の腕はいかがだったのか大いに問題があります。
 誤解を恐れずに言えば、「もし入れ歯を入れて、本当に顎の骨が痩せるようなデータが出てくるようならば、その歯医者さん自身の腕が悪かったのではないか?」という結論すら導かれます。歯医者でありながら、なんら手を打てなかった訳ですので、そういう結論も考慮に入れるべきではないでしょうか。
 つまりこんな研究は結果ありきの研究と言えます(初めから結論を決めてそれに都合のいいデータしか採用しない研究のこと)。


 少なくとも、うちではそのような事実はないです。ないというからにはそれを証明しないといけないわけですが、それを証明するのは全体を撮影したレントゲン写真(パノラマ)と顎の模型の比較です。それらを現在と10年前(あるいは10年後でもOK)とを比較して患者さん自身がほとんど見分けがつかなければ痩せてないのです。
 驚くことに当医院では10年前の模型で入れ歯を作ってもおおむねフィットします。これは、うちでも特別に歯茎が痩せてるかどうか心配という人にやってみたことですが、これでようやく納得いただいた経緯がありますので、その証明方法として参考にしていただけたらと思います。

 もちろん、厳密には歯がすべて残っている人でも骨の退縮は避けられないのですが、肉眼レベルでほとんど変化がないことを証明すれば、十分だと思います。

 
 もう一つの疑問で、追跡調査において骨が痩せたという際のすべてのデータにおいて、全体のレントゲン写真(パノラマ)がないということです。歯ぐきが退縮したのか、本当に骨が痩せたのかは見た目では判断できないので、レントゲン写真は必須です。証明には、見た目に痩せたなどという、主観を排除しなければならないため、経年で追わないと何とも判断ができません。場合によっては入れ歯ではなく、全身疾患、合わない入れ歯を入れていた、実は歯ぐきが締まってきた、ぶよぶよの歯茎を除去する手術をしたなど、原因はいくらでも無限に考えられ、単純に入れ歯を入れていたから、歯ぐきが痩せたなどという結論は相当に乱暴です。
 
 これも誤解を恐れずに言えば、私は大学を出て基礎系の研究職についていたため、一般の臨床系の歯医者さんより、物事対してに疑問の余地を極力排除して、事象を証明することには長けています。「入れ歯を入れないと認知症になる(可能性がある)。」という命題も大嫌いです。じゃあ入れ歯を入れない人のほとんどは認知症になるのかと言われたら、「そうではない」はずです。例外はいくらでも探して連れてこれます。つまり、入れ歯を入れないことが、認知症になるのではなく、入れなくても平気な人はそのほかにもずぼらな面があるということで、例えばお風呂の回数、最近の新曲をいくつ知っているか?髪を切ったりするような、おしゃれに使う費用、人に会う時の身だしなみにかける時間、流行を気にするかなど、こういったことでも認知症の発症に差が出てくると思います。
 要は入れ歯を入れないで平気な人のメンタルの問題だと私は考えています。証明方法は今述べた、身だしなみなどの面でもデータを取れば、それが色濃く裏付けができると思います。
 入れ歯を入れないでいると、食べ物がよく噛めないので脳の発育に問題が・・・などとしょうもないことを言っている方は、優秀な研究職の人が、いかに早食いが多いか確かめてみるといいでしょう(昼食時間ほとんど取れないですから)。噛む噛めないより、考えないこと、いやなことから逃げることが大いに脳の発育に問題があります。
 夜更かしをする子は成績が悪いなどというデータもありますが、灘、開成などの生徒でも統計を取ってみるといいでしょう。そんな夜更かしをしないような、しょうもないことで成績は上がらないことがわかるでしょう。

 つまり、思い込み、主観、結果ありきで説明されていることはネットで大いに見かけますので、何を信じるかは自由ではありますが、皆さんにはその真の狙いを見抜く目をもっていただきたいです。

 「入れ歯を入れると顎の骨が痩せる(痩せてくる)。」と宣伝して得するのは誰でしょう?ということです。そしてそう唱えている人が、入れ歯の代わりに何が良いと言っているのかです。そういう目で見ると・・・真実が見えるかもしれません。なにせ真実を追求するわけではなく、結果ありきのデータですからね。


 
 
 

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2016年4月18日

「噛める入れ歯作ります」に名医なし

 よくネットで見かける「なんでも噛める入れ歯作ります」という謳い文句を挙げている歯科医院は、漏れなく、患者さんの期待を裏切ったことがあるはずです。
 
 なぜなら「噛める、噛めない」は患者さんの主観で決められているものだからです。誰が何と言おうと、歯科医師が噛む噛めないを決めるものではありません。
 意地の悪いことを言えば、その歯医者さんが嫌いで、故意に患者さんが「噛めない」という場合でも、それは甘んじて、噛めないにカウントしなければならないのです。それがプロの仕事と言うものです。

 他の業種に置き換えて考えてみてください。例えば、一流の料理人が「私の作る料理は美味しいよ!」と言うでしょうか?きっと言わないと思います。言った時点で三流です。美味しいか美味しくないかは、お客が決めるものであり、お客がまずいと言えば、いくら自信があっても、まずいという評価なのです。
 自分に厳しい一流の料理人なら、そんなことは百も承知で、だからこそ、絶えず研究、努力を続けて美味しいものを追求していくのです。
 結果的に美味しいものを出し続けていけば、例え1000人中一人くらい「まずい」という判断を下したとしても、一般的な評価はおそらく「その料理人の作る料理は美味しい」という評価に変わりはないでしょう。
 
 逆に一流なら、その「まずい」理由をまた改善し、さらなる努力をするはずです。
 そしてそのことで、「私なんてまだまだ未熟者です」と言ったとしても、世間はその流儀がさらに一流と認めるでしょう。
 プロの料理人は道具などの扱い、客のもてなしで、その洗練された無駄のない所作が素人にも雰囲気で伝わってきます。「私の料理は美味い」などと、ことさら叫ばなくても、相手に理解させることこそが、日本人的で上品な作法でしょう。

 歯科医師も同じではないでしょうか?「私は噛める入れ歯を作れる」と言った時点で、名医どころか私としては三流だと思います。
 もちろん患者さんを呼び込むための宣伝文句だということは百も承知ですが、百も承知で「噛める入れ歯を作る」ことをすべての患者さんとお約束するほど、患者さんにとって残酷なことはないことを、そういった歯科医師は本当に理解しているのかどうか、もう一度、医療人の良心に聞いてみてはいかがでしょうか。
 
 ちなみに当医院では、入れ歯は本来、噛めないもの、扱いづらいものというところからスタートしております。噛めることをお約束することはできないかわりに、患者さんの口で自ら「噛めてます」と言ってもらえることを最大の目標に、プロの流儀でスタッフ一丸となっていい入れ歯を追求しております。 

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2016年3月10日

私の専門は・・・

 先日、取材の中で「先生のご専門は?」と聞かれて、「一般歯科」ですかね。と答えましたが、正直なところ、 数ある歯医者の中で私の売りにしているのは、私が「分子生物学を専門とする歯科医師」であることだと思います。
 
 一般的にはそんなものが専門で歯の治療になんの役に立つのでしょうか?と言われそうなところですが、この分子生物学はすべての医学(病理、免疫、解剖、生化学、薬理学など)、生物学の分野でオールマイティーに通用する専門と言えます。逆に言うと、分子生物学を知らずして現代の最先端の医療は語れないと思います。
 ちなみにiPS細胞をはじめとするノーベール賞受賞の山中先生なども分子生物学を専門としておられます。

 ではこの学問は一体なんぞや?ということなのですが、文字通り、分子のレベルで生物の現象をとらえましょうという学問です。遺伝子などもこの範囲になります。

 皆さんは「空気」と言われても目に見えないものでしょうが。分子の目で見ると、酸素分子、窒素分子、水分子などが真空中を高速でポンポン舞っている状況が見えています。空気は何も見えませんが何もないわけではないのです。ですので分子の目で見ると、空気から水ができても何ら不思議はありません。
 また空気から炭水化物が合成できる可能性はあっても、鉄や、金が取れることは間違ってもないことは実験をしなくてもわかるのです(このくらいならついてこれる方も大勢いると思います)。

 そこで、これと似たような話で、この分子生物学の目で見ると、例えば、TV、雑誌などで言われている歯の再石灰化などは私から言わせると正直「ない」と言い切れるものなのです(細かい定義では「ある」としてもいいかもしれませんが、素人が期待するような目に見えて歯の欠けたところが修復されるということはありません)。

 なぜなら歯の主成分である「リン酸カルシウム」は読んで字のごとく、リン酸とカルシウムの結晶なのです。再石灰化ではこれが作られるということなのですが、結晶内の「リン」と「カルシウム」は結合する数も配置も決まってます。適量もあるのです。さらにたとえカルシウムとリンが口腔内に多量に存在したとしても、触媒なくして人体の体温で合成されるような代物ではありません。強いて言えばカルシウムのイオンの出入りくらいはあるでしょうが、そんな取るに足らない再石灰化では臨床では使い物にならないでしょう。

 また逆に考えてください。皆さんが考えるような再石灰化で初期虫歯が治るなら、リン酸カルシウムが自動で合成される現象が起これば、歯は永久に大きくなっていくはずです。カルシウムと何かの化学物質で歯の再石灰化が起こるとするなら、リン酸カルシウムがどんどん作られていけば際限なく大きくなって歯石のようになっていくはずです。では大きくならないのはなぜなのか?理論に矛盾が生じるのではないでしょうか。つまり再石灰化はないということなのです。
 さらに付け加えると、歯の表面には細胞がありません。細胞がないのに自動的に再石灰化をコントロールしている仕組みが説明できないのです。

 言い換えれば、材料さえあれば自動で合成されるという理屈は、大工さんがいないのに木材だけあれば自動的に家ができると言っているのと同じことになるのです(話が難しくなってごめんなさい)。
 
 「じゃあ先生はリカルデントの発見者エリック・C・レイノルズ教授より偉いんですか?」と小学生チックな質問をする人のために教えておきましょう。
 
 彼がこのデータを発表した雑誌は、私なら大学院生の時でも、教授から投稿NGと言われる雑誌です。失礼ながらレベルが低いという理由だと私は解釈してます。
 データに自信があればもっとレベルの高いところに投稿したと思います。当たり前ですが、本当に虫歯が治る再石灰化を証明できる論文なら、少なくとも「ネイチャー」「サイエンス」クラスに載せないと割に合わないでしょう。

 エリック先生の実験デザインでは「再石灰化が示唆される」程度で、実験から導き出される結論には、まだ他の見解も考えられる余地があるということです(本人もきっとわかってると思います)。私が考えただけでも追加で確かめてもらいたいことが山ほどあるのです。
 
 ただしこれと商品化はまた別物ですので、リカルデントガムを悪く言う意図はないので念のために。おいしいガムです。

 しかし、テレビに出ているから、歯科では多数の意見だから、有名な人が言ったから正しいはず!というのは分子生物学を専門とする立場の歯科医師としては到底承服できない記事も多数あるのです。

 分子生物学は難解な学問ですが少しでも理解できれば、世界が違って見えます。私などは端くれですが、それでも知る前と知った後では歯の世界は違って見えております。

 その専門家の立場から最後に一言。高額な自費の歯の治療を勧められた時、本当にそれが必要なのかどうかもう一度考えてください。
 健康に問題ない限り、体を修復するための材料はご自身の体にすべて備わっていることも覚えておいてください。余計なものを取り除くだけで、基本的には治ります。
 歯の表面は細胞のない特殊組織ですので、一度壊れたら再生しません。人工物で再生しないと治らないのです。ここが丁寧になされるか、そうでないかの違いは、その歯科医師の仕事への責任感だけだと思います。自由診療の先生だから腕が良いは大間違いです。

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2015年11月28日

プラークコントロール

 歯医者さん100人に聞きました。90%以上の歯医者さんが、虫歯や歯周病予防に有効なのはプラークコントロールですと答えました。などという文言は飽き飽きするほど聞いているかと思いますが、おそらくこのプラークコントロールの意味をきちんと理解している歯医者さんは少ないと思います。

 ほとんどの方は要は「歯磨き」とか「専門家による歯の清掃(PMTC)」のことでしょ。と答えると思いますが、これではプラークコントロールの有効性を正確に理解しているとは言えません。
 それならば、逆になぜ「歯の清掃、歯磨き」が虫歯や歯周病予防に有効というようなわかりやすい言葉で表現していないのかです。そこにプラークコントロールの秘密があります。

 プラークコントロールは方法ではなく、プラークという菌の塊を、ある一定数にコントロールすれば、虫歯や歯周病を発症しないですよ。という意味です。ですので、歯磨きをしなくてもこのコントロールが出来ている人にとっては、「プラークコントロール」=「歯磨き、歯の清掃」ではないのです。

 歯磨きしないでプラークコントロールできる人が存在するかと言えば、「存在しないでしょう」が正解だと思いますが、歯医者さんに行かないでプラークコントロールができるかといわれたら、「できます」が正解です。

 

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2015年11月17日

それならみんな汚い

 先日、トイレ後、手を洗わない人が案外いますというニュースをやってました。その統計では、女性で3%だったかな?男性は5%以上でしたが、まあそのくらいの程度ですが、トイレの後に手を洗わない人が一定数いるようです。

 その時のキャスター、コメンテーターの反応は「汚い」「信じられない」というような反応でしたが、やや潔癖症にして、細菌、ウイルスなどの微生物を日々相手にしている私としては、だったら皆さんはトイレ前に手を洗ってるでしょうか?と聞いてみたかったです。

 ちょっと考えてみたらわかるのですが、他人の動作に信用が置けなくて、基本的に外界は「汚い」とするならば、トイレ前に手を洗わないと、その汚い手で自分の体を触ることになります。実は私は毎回ではないですが、トイレ前に手を洗うことが多いです。多分行動で「なんだこの人変な人。」という視線を感じることはありますが、これは気分の問題だと分かってはいるものの、そうしないと気が済まないのです。
 
 実は潔癖症の人でも本当の菌の動態を知れば、外出できなくなるでしょう。私もあえて名づけるなら、「ゲン担ぎの潔癖症」なので、頭ではそれがどれほども意味を持たないということもわかっていてやっています。ですので、他人を汚いとも思ってません。

 正直、細菌学的に言えば、小のトイレで手を洗わないのはそんなに問題ないです。尿は無菌ですし、たいていの人は局部よりも手の雑菌の方が多いですから。
 つまり雑菌のついた手で、きれいな局部を触り、用を済ませて出ていくわけですから、なんら問題ないことが分かるでしょう。要は所作としてきれいでなく、非衛生的に感じるだけなのです。

 世の中の人は自分ルールできれいだったらOKというだけですので、あまり他人に汚い汚いというのはどうかと思います。まあちょっと考えていただくとみんな汚い訳ですから。
 

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2015年10月23日

伝説の受験生

 先日、センター試験の締切のニュースを見て、今を去ること二十数年前の受験の当時の事を今さらながらちょっと思い出しました。人生を振り返っても、なかなか大きなイベントだったと思います。

 その時、広島では、「伝説の受験生」という知る人ぞ知る恐ろしい人物がいました。

 「彼が受験したら、その募集定員が確実に1名減る」という受験生にとってはとても恐ろしい存在でした。
 わかりやすく言えば、彼はどこを受けても確実に受かるということです。

 今日は歯科から離れて、その伝説の受験生のお話しをします。実際私も見たことがあるので、実在する人物なのですが、あくまで今から述べることは当時の噂です。

 彼は広島のとある公立高校の出身だったようです。1浪して東京工大に入学、在籍中に東京大学の理Ⅲ(医学部)に合格、入学。まあ浪人したとはいえ、一般的に見れば秀才でしょう。

 まあここで終われば単なる医学部再受験組か。というところですが、彼の受験趣味はそこで終わらなかったのです。翌年なぜか広島大学医学部受験。当然合格。そのまま広島大学に入学したのでした。国立大学に2つ籍を置くことは不可能なため、東大は自動的に退学したものと思われます。

 もったいない。なぜ?あえて理由づけするなら、東大になじめなかったのかも?とも思われある一定の理解はまだ可能なレベルです。しかし、彼の不可思議な行動はここで終わらなかったのです。

 なんと翌年、広島大学医学部受験!!??

 結果は?

 なんと合格。おそらく国立大学始まって以来の、1年生と2年生に籍を置く学生が存在することになったのです。実は大学のルールとしては2つの国立大学に同時に籍を置くことはできないのですが、まさか同じ大学の同じ学部に2回受験する意味不明な受験生が存在することは想定しておらず、結果的に試験で合格点に達していれば、合格とせざるを得なかったようです。教授会でも「これうちの学生じゃないか?」と問題視されたとのことですが、落とす理由がなかったようです。

 私が受験の年、彼が三度目の医学部受験をするかどうか不明でしたが、K塾予備校では、ひょとしたら今年の医学部の定員は1名減るかもしれないと噂されていました。
 
 私が広島大学歯学部入学時、まだ2年生に籍があったことから考えると、受験せず、とりあえず、1つ下の医学部の籍に落ち着いたものと思われます。

 以降、彼の行方は知りませんが、案外世の中のルールというのは、常識では考えられないような行動をする人には歯止めがきかないことがあるように感じます。
 あり得ないことですが、例えば予備校の講師が束になって東大を受けたら、間違いなく東大の定員は減るでしょうね。

 

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2015年10月13日

型どりはベテランでも案外緊張する

 先日、患者さんとの会話の中で、歯科でよく行われる「型どり」が、私としては一番大変で、未だに神経を使うということが、すごく意外だったみたいです。
 
 歯科では一般に削って、型どりしてセットという処置が日常的に行われるものですが、この中で格段に難しいのは型どりです。この型どりがうまくいかなければ、いくらうまく削れていても、良いものは作れません。

 ではなぜ「型どり」が難しいのかと言いますと、温度、湿度、患者さんの唾液の状態、口の開き具合、型どりをする器具の入れやすさ入れにくさ、型を外すときの負荷のかかり方、型どり中の抑える力、スタッフの材料を盛るタイミング、型を取って石膏を流す時間をいかに短くするか、石膏の状態(温度、湿度)などなど、いくら厳密にこだわって型をとっても、口の中と全く同一の型の模型を得ることはできないからです。
 
 もっとこだわれば、私の体調によっても変わってきます。そのくらい厳密です。当医院では申し訳ないのですが、型どりのやり直しを何回か行うことがあります。これは私のこだわりにお付き合いいただいているとご理解いただければありがたいです。良いものを作るために皆様のご協力をお願いいたします。

 さらに当医院では私がこれでもいいんだけれど・・・と悩んでいる時でも、私が判断する前に間髪入れず、スタッフが「先生。もう1回お願いします」とプレッシャーをかけてきますので、さらに妥協しない良いものができると思います。

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2015年10月 1日

今年10年の節目に

 院長の脇田です。今年11月に開院10年目を迎えます。この節目にホームページもリニューアルしました。
 
 この10年で、正しさだけでは患者さんがついてこれないこと、かといって迎合し過ぎても良い治療はできないことを学びました。
 そして自信を持って治療に臨むことは悪いことではないが、冷静に謙虚に患者さんを診る姿勢を忘れてはいけないと常々肝に銘じております。
 治らない、改善しない時には「何かを見落としているはず」を診療室での合言葉に日々の診療に励んでおります。

 正しいもの、良いものだけを追求し、ご来院いただいた皆様のおかげで強い歯科医院に成長しました。これからもプライベート歯科横濱をよろしくお願いします。
 

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2015年9月30日

ブログを開設しました

プライベート歯科横濱がホームページリニューアルに伴い、医院ブログを新設しました。
これからもどうぞよろしくお願いします。

公式ホームページもぜひご覧ください!
http://www.ireba-yokohama.com/

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プライベート歯科横濱
院長 脇田一慶

院長 脇田一慶

医院サイト:
https://www.ireba-yokohama.com/

入れ歯治療は、歯科治療の多様な診療技術が盛り込まれた、いわば歯科治療の真髄ともいうべき分野です。私は、研究者として入れ歯や歯科治療について知り尽くしていると自負し、将来を見据えた価値のある入れ歯治療に取り組み、現在も日々研鑽し学び続け、常に最善の治療をご提供できるように努力しています。

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