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歯医者さんより詳しくなる入れ歯の話 よく患者さんから「その入れ歯を入れたら何でもかめますか?」という質問を受けます。これはもう患者さんの切なる願いであることは私も重々承知しております。入れ歯を専門 とする歯科医院などの宣伝を見ると、「かめる入れ歯」というキーワードを頻繁に目にします。

 これだけ「かむ」事を強調するわけですから、それだけ多くの患者さんの悩みであることは間違いないのです。しかしなぜこんなにも「かめる入れ歯」を作ることが難しいのでしょうか。

 結論から言うと、「その人がかめているかどうかということを、学問的、科学的に明らかにすることがとても難しいのです。」 
 言い換えると第三者から見て客観的に「かむ」「かめない」を判断することがとても難しいのです。

 例えば極端な話ですが、1本入れ歯を入れただけで、かみにくくなったという人もいますし、総入れ歯でも快適にかめているという人もいます。誰がどう考えても、1本だけ入れ歯を入れている人のほうがかめているはずにもかかわらず、総入れ歯を入れている人の方がかめるというおかしなことになってしまうのです。
 つまり、「かむ」「かめない」は、最終的には患者さんの主観に頼らざるを得ないのです。

 このホームページの中でも、私が「かめること」についてあえて話題にしないのは、「かめる入れ歯を作ります」と書けば明らかに言い過ぎになってしまうからです。結果的に「かめる入れ歯」になることはあっても、患者さんをよく見ないで、初めからかめる入れ歯を作りますなどということは、軽々しく言えません。入れ歯で困っている患者さんであるなら、なおさらです。

 そもそも「かめる」とは一体どういうことでしょうか? 患者さんにとっては、歯科医師が計測値や模型、理屈の上でかめることを示しても全くもって無意味なのではないでしょうか。

 よく考えてみてください。歯がある人でも、数回かんで物を飲み込む人と、数十回かまなければ飲み込めない人がいるように、入れ歯でも物を飲み込むまでにかむ回数は、人それぞれ違います。
 「かめる」とは、少なくとも患者さん自身の判断で、継続的に痛みなく物がかめ、飲み込めることと私なりには定義しています。

 あごの形、痛みに対しての順応性、器用さ、期待度などなど、どれ一つとっても人それぞれ異なります。本当の意味で、誰でもかめる入れ歯や快適な入れ歯があるなら、歯科矯正やインプラントなどばかばかしくて誰もやらないでしょう。
 もし、あなたが初対面でかめる入れ歯を作れますと約束するような歯科医師に出会ったなら、「最終的には私の判断で、使い続けても痛みなく物がかめ、飲み込めるような入れ歯を作ってもらえますか?」と聞いてみたらどうでしょうか。



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