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 私は「試せる入れ歯」を始めてみて、日本人においてその特有の傾向があることを知りました。それらに応える、あるいは日本人特有の要望を取り入れるような入れ歯とはどんなものなのでしょうか。
 どの文献をひも解いてもその答えは見つかりません。歯科技工士とともに、手探りの毎日です。こればかりはセットした瞬間の患者さんの表情から判断する以外に方法がありません。

 同じ患者さんの歯型模型を見ても、私と歯科技工士の改善処置対策は異なることがあります。
 私は、患者さんの口のなかを見て、そのイメージでこういうデザインなら患者さんの希望に叶うのではないかと判断します。一方、歯科技工士は歯型を見てそこから患者さんの希望に叶うようなデザインを考えます。

 歯科技工士も診療に立ち会って、患者さんの口の中を一緒に見ますが、私が見ているようには見ることができません。また逆に私も歯科技工士のように見たりデサインを考えたりはできません。
 ここでお互いに意見のすり合わせをして、できそうなものを具体化します。そうした試行錯誤の繰り返しで、今のところ患者さんに高評価なものだけを挙げてみましょう。

1. 入れ歯を留めるのはクラスプよりアンダーカットを利用する
入れ歯が外れないように留めるための装置は、クラスプではなく、できる限りアンダーカットと呼ばれる部分を利用することがいいようです。
場合によって治療する歯にそのアンダーカットの形態を細工することで、見た目を損なわず、より外れにくい入れ歯になります(アンダーカットの細工はいたってシンプルです)。

2. 軽いものがよい
入れ歯は、歯への負担を考えると、できる限り軽いものが理想です。ただし下あごの総入れ歯は例外的に重いものがよいこともあります。

3. 側を滑らかに薄く仕上げる
入れ歯は、外側(頬の側)はある程度材料の厚みがあっても気になりませんが、内側は厚みや、面積が大きければ気になります。内側をできるだけ滑らかに薄く仕上げることが良いです。さらに分析すると、「厚みの異物感」の方が「面積の異物感」より大きいようなので、どうしてもどちらかを選ばないといけない場合には面積を広くして、厚みを薄く滑らかに仕上げる方が好まれます。

4. チタン合金を使用して、薄く、軽く
違和感や異物感を減らすため、薄く、軽い入れ歯にしていますが、今のところそのための素材には、チタン合金が最も優れています。

5. 無口蓋入れ歯のほうが好まれる
上あごの入れ歯は、できる限り上あごの天井をおおわない入れ歯(無口蓋入れ歯)にするほうが好評です。

6. メタルアップがよい
粘膜に入れ歯の一部が触れたままになるより、歯牙に触れたままになる方が圧倒的に異物感が気になりません。金属バーよりもメタルアップのほうが快適です。

7. できるだけ粘膜で支える
特定の歯だけに力がかかるような設計は、長期的に見て得策ではありません。できるだけ粘膜で支えられるように設計を考えます。歯の負担はどちらかといえば補助的にします。

 以上の七つの項目を基本として、「日本人に合った、歯に優しい金属製入れ歯(ディアレスト)」を開発しました。

 七つの項目以外にも、あなただけに使える限界の設計まで作り込みますので、人によってはブリッジの感覚に限りなく近くなります。



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「入れ歯治療の新発想」


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