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A.かける手間と時間、技術が違うためです

 「私は今までずっと保険で入れ歯を作ってきましたが、自由診療の入れ歯は、どうしてこんなに高いのですか?」とDさんから質問を受けました。

 私は誤解のないように正直にお答えしました。「私なら保険診療でも良い入れ歯は作れます。ただし、採算が合いません」。保険診療では、入れ歯の型をとるのにも、採算面で1回限りにしたいですし、入れ歯が仕上がってからの調整に時間をかけて何度もじっくりやりたくても、一人の患者さんにとてもそんな手間と時間をかけられません。保険は診療報酬が細かく決まっているので、一人の患者さんの入れ歯に時間をかければかけるほど、クリニックの利益は減少し、赤字になってしまいます。

 できるだけ歯並びの見た目を良くするために、歯科技工士を呼んで何度も並べ直させたり、入れ歯を作ってから歯の色や形をもう少し変えてほしいと言われても、保険診療では現実的にできなかったりします。
 私は、そのような数々の制約がない形で、良いものだけを取り入れて入れ歯を作りたいと思っています。そうしないと、本当に患者さんに合った入れ歯を作るのは、非常に難しいからです。

 入れ歯の素材ももちろん保険診療と自由診療では異なりますが、だからと言って、材料代が、保険診療の材料の何十倍もするわけではありません。外国製の素材であろうと、金属にしろ、プラスティックにしろ、原価にすればそれほど大きな差はありません。「材料が良いから高い!」と思っていらっしゃる方はまだまだ大勢いますが、実はそれだけの値段ではないのです。

 違う言い方をすれば、自由診療にして材料を良いものにしただけでは、入れ歯や被せものなどは良いと評価できません。患者さん一人ひとりに合わせたオーダーメイドの治療ですから、医師や技工士にテクニックがなければ、患者さんにフィットして歯にとってもやさしい設計で、長持ちする良いものはできません。

 自由診療の入れ歯が高いのは、一人の患者さんにかける、手間と時間と技術の問題です。そして、この手間と時間を惜しめば、良い入れ歯はできないと私は思います。神様ではないので、一度お会いしただけで患者さんのすべてがわかるわけではないですし、その患者さんの噛み合わせのクセや歯ぐきの特徴などは、じっくり患者さんと向き合わないと、とても理解できるものではありません。そのための時間と手間の面で、どうしても費用がかかってしまいます。手間と時間をかけることで、高いレベルの技術が提供できるのが自由診療なのです。

保険診療の入れ歯 自由診療の入れ歯
製作工程 素材やデザインに制約があり、できる限りコストを抑えた入れ歯ができる 素材やデザインに制限がなく、製作や調整に時間をかけ、丁寧な作りの入れ歯ができる
人工歯 種類が限られている 選択肢が多く、患者さんの希望に合ったものにできる
技術 調整に時間はかけない
合わなくてもひたすら調整のみで、半年以内での作り直しはできない
十分時間がかけられるので、高いレベルの技術が提供できる
納得いかなければ、作り直しもできる
審美性 基本的には見た目を問うことはできない より自然で自由な歯並びを追求できる
費用 安い 高い



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「入れ歯治療の新発想」


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