前回、自分好みの差し歯にするということで書いたあと、入れ歯に関しましても、同じようなことが言えると思いまして、追記させていただきます。
ドクターがかみ合わせをとった後に、その患者さんに合った人工の歯を一緒に探してから、1本1本歯を並べていきます。その際に、ドクターが差し歯の時と同様に、中心の位置にしるしをつけるのですが、これもドクターによって多少癖もあり、またその位置を読む技工士にも読み取る癖がありますので、なかなかぴったりと中心に決まらないということがあります。
技工士のいない歯科医院で作られた入れ歯の場合に、そういうことが起こりやすいのではないかと思っています。歯を並べた後に確認する作業もあるのですが、本当に左右の歯並びのバランスを細かく見て、確認できているかと言いますと、疑問に思うことが多いです。
ここはやはり作り手の技工士が直接目で見て確認するのが、一番合理的だと思います。
作り手はできるだけいいものを作りたいと思うものですので、その方が手っ取り早いです。
また、入れ歯の場合には、歯ぐきというやわらかい粘膜の上に入れ歯を置いていまして、差し歯のようにセメントで固めてピタッと止まっていないので、かみ方によっては、厳密には多少歯は動くことになります。
ただ明らかに真ん中の位置がずれているとか、前歯の左右の歯の位置が違っていて、片方がさがっていて片方が上がっているようなものは、やはり見た目にいいものではありません。
そしてまた、真ん中がぴったりと決まって、それから横の歯を順番に並べていくのですが、ここでも並べた歯を実際に口の中に入れてみると、意外にうまく並んでいないことがあります。
患者さんの唇の形や張り具合、顔全体のイメージに合っているかどうかなど、いろいろな情報を確認して、患者さん自身も鏡で何度も確認してもらいながら、全員で良い歯並びの入れ歯にしていく作業を繰り返すしかありません。
そういう作業を行いますと、患者さんもまあまあ満足した入れ歯になることがほとんどで、その入れ歯を使って生活させる中でまたさらに、より良い歯並びに変えたいということでしたら、修正などをケースバイケースで行っています。
プライベート歯科横濱のホームページはこちら。
横浜市中区山下町の歯科医院 tel 045-663-3724
前歯の仮歯を作るとき、まず基本の基本として、「正中」といいますが、前歯2本の歯の真ん中の位置を決めます。顔だちや鼻筋を見ながらその人に合った中心の位置を決めます。
通常、技工士は、ドクターが型などにしるしをつけたものをもらって、そして歯を作っていくのですが、当医院は私が直接見られますので、ドクターの意見を聞きながら、患者さんの顔全体の情報を記憶して作業に入ります。
この「正中」の位置の取り方は、実はドクターや技工士それぞれの人によって微妙に異なるために、正確な前歯の歯並びができていない可能性が高いと思っています。
来院された患者さんの中に、以前作った前歯の位置がかなりズレている人がいるのは、そのあたりが原因ではないかと言えるからです。
次に、前歯の出具合が問題になります。どれくらい出っ歯にするか、あるいは引っ込めるか、当医院では、患者さんのお好みです。患者さんの希望を聞いて、第1回目の仮歯を私がおおよそ良いだろうと思う位置で作らせていただいております。そこからしばらくの期間ご自宅に戻られて生活される中で、患者さんやご家族の意見なども聞かせてもらって、より良い仮歯に変更していきます。当然見た目だけでなく、過ごしやすさや歯みがきのしやすさなど機能的な面での改善もやっていきます。
前歯1本や2本の場合には上下左右の歯との関係がありますので、自由度は少なくなりますが、前歯数本から6本全部の仮歯の場合には、極端な話、それまでのイメージとはちょっと違った感じの歯にすることも可能となります。いろいろご注文していただければ、可能なかぎり対応させていただきます。
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前歯の差し歯を作るとき、最終の完成品を作る前に、仮の差し歯を当医院では作ります。
1回で満足してもらえる場合もありますが、2回以上~数回、仮の歯を作り直します。
料金は当医院の場合、最初の費用にすべて含まれています。長期でなければ、追加費用なしでやっております。
これは患者さんに満足してもらわないと意味がないという院長の方針でもあります。
そして、作り手の技工士としましては、患者さんからの注文をお聞きして、どのような形がお好みなのか、話をしながらつかんでいきます。女性の患者様の傾向としましては、歯も小さめで少し丸くかわいい形にしてほしいという希望をよく言われます。
差し歯専門の技工士でしたら、思い切り小さくてかわいい歯は作りにくいので、おそらくひと回りか、二回り大きめのサイズの歯を作ると思いますが、私はできるだけ患者さんの要望に応えたいので、思い切り小さい仮の歯をつくることがあります。
最終的な完成品は差し歯専門の技工士に依頼するので、依頼された技工士は困ったなと思っているでしょうが、患者さんの要望が第一ですので、当医院ではそのようにしています。
そのような日常の仕事の中で感じるのは、患者さん本人を目の前にしないで、いい感じの差し歯を作るのは、並大抵のことではないなということです。
私は、仮の歯を作っていますが、いつでも院長に呼ばれて、患者さんの希望の歯に修正・変更できます。
しかし、歯科医院にいない技工士は、唇も顔の印象も何もつかめないのに、型だけ与えられてそれなりの歯を作らなくてはいけないわけですから、かなり無理があると言えます。
例えばスカイツリーを描く場合に、スカイツリーを見ながら描くのと、見ないで描くのとではやはり正確さや見た目の良さに差ができると思います。
患者さんの好みに合わせて絶妙にいい感じの歯を作るのも、実際に入れてみて何度も確認してもらって、OKが出てから完成させるのが当然いい方法だと言えます。
歯の場合には、絵を描くようにはいかなくて、他にいろいろ条件はありますが、その中でも見た目も機能性も良く、患者さんに満足してもらえる歯にするには、それなりの時間とエネルギーが必要であり、また患者さんのお話をよく聞いて、互いに良いコミュニケーションをとりながら、完成品までもっていくのが大切だと思っています。
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