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前歯でも奥歯でも、ブリッジや差し歯で重要なのは、仮歯。

技工士の関戸です。

 

ブリッジや差し歯の治療はほとんど歯科医師まかせというのが一般的だと思いますが、当医院は自由診療専門ですので、治療だけではなく、前歯でも奥歯でもブリッジや差し歯の形にとてもこだわっています。

 

簡単にいいますと、患者さんに合わせて見た目のいい歯に最終的に完成したいので、仮歯の段階で、審美性や機能性に気を使って、形には特にこだわりをもっています。
うちの医院は女性患者さんが多いので、かっこよさというよりも、患者さんの希望に合わせて、愛らしさ・キレイさ・シャープな感じなどを出すようにしています。

 

私は本来は入れ歯専門の技工士なのですが、仮歯はずっと製作してきていまして、ここしばらくは、患者さんから「歯の形がいいからうれしい」とか、「この仮歯の形のまま、最終物も作ってほしい」と言われることが多くなりました。本当にありがたいお言葉です。
ただただ、目の前の患者さんが素敵になって帰られて、この医院に来てよかったと思ってもらえることだけ考えて仕事していますので、そのような声をいただけるということは、この上ない喜びであります。

 

差し歯作り専門のプロ中のプロから言わせれば、私の歯は決して理想的な形ではないかもしれません。ですが、これまで何度も経験してきた中で、差し歯専門の一流の技工士が作る歯が、必ずしも実際の患者さんの口元に合ったものではないということは実感しています。

 

一流の職人が患者さんの口元を見ずに作っても、なんとなく違和感のある形の歯になってしまっているのです。当院に初めて来院される患者さんの多くがそのような状態です。自由診療で高額な料金を支払ったにもかかわらず、何となく顔だちに合っていない歯になってしまっていることが多いです。

 

患者さんの口元は、一人一人違いますし、左右で唇の上がり方も違います。その差を直接目で見て、患者さんの希望を聞いて、すべてを反映しながら作ってこそ、何とも言えない形の歯になります。直接患者さんを見ないで作れば、一流の職人であれ、どうしても口元にピッタリ合った歯にはなりにくいと言えます。

 

多くの皆さんが、「仮歯」というものは大したものではないと思っているはずです。
ですが、この仮歯を何度も調整して、長期間見ていきながら、最終的に口元に合わせた形になった時には、本当にしっくりくる形の歯になります。

 

当医院では、実際に仮歯として長い間使っていただきますので、患者ご自身が自分の歯に対していろいろなことを感じることもできます。患者さんそれぞれで歯に対する考え方も違うと思いますので、その気持ちに合わせながら、より最適な歯にできたら一番いいかと思います。ぜひご協力ください。

ラバーダム要らない説

残暑お見舞い申し上げます。

 

さて、患者さんを含め、歯科医師の中でも、ラバーダムの必要性を訴えられている方が結構いらっしゃいます。ラバーダムを使うことに文句はないのですが、信念を持って使わない私のような歯科医師もいるので、使わないことに文句を言うのはお門違いということも皆さんに知っておいていただきたいところです。

 

まずラバーダムの必要性について、端的に言えば、患者さんにとっては「根管治療における感染防止になり、結果治療の予後が良い」と信じたいところでしょうが、こんなものは全く(ほとんど)関係ないです。
むしろこんな風に考えている方はおそらく「HIV(エイズウイルス)が1匹でも体内に入ると、人はエイズに感染する」と信じているはずです。
これは科学が分かっている人にとってはこの程度で感染しないのはわかっているのですが、的確に科学を知らない人は、1匹でも、もう怖くて怖くて・・・のはずです。恐怖心で思考停止です。

 

それはさておき、根管治療の成功、失敗を決めるのは要素があり過ぎてラバーダムだけでは決定打にならないということなのです。すでに根管内に菌はいるわけですから、入らないように工夫することは悪くないですが、それよりもきちんと根管内が消毒できるかどうかがポイントなのです。

 

簡単に言えば、根管治療に成功するためには1000の要素があり、すべてそろえば100%成功、300そろえば95%成功するという感じのものでしょうか。100以下になると50%の成功率になるという何ともアバウトな治療なのです。
ラバーダムはその10くらいの要素にはなるでしょう。しかしラバーダムをすることによってそれを打ち消すようなデメリットも生じます。
例えば、すべての歯に適応できない。うがいできない。患者さんの表情が見えない。緊急事態に対応しにくい。歯に締め付けられる不快感がある。毎回の本治療に取り掛かる前に時間がかかる。そして最も大切なこと「予後に差が出るという報告がない」ということです。(逆に私としては予後に差は出ないと結論付けてます)
下手な人が治療すれば、場合によっては予後が悪くなるかもしれないくらいです。
これが先ほど述べた1/100程度の要素でしかないということです。これにコストをいくらかけるのか、患者さんもよくよく考えてください。1回あたり1000円以上かけるなら私が患者なら遠慮します(もしろ毎回きちんとするならこのくらいが最低のコストです)。
ラバーダムを使っている先生で、根管治療のやり直しがこれまでない、私の治療は100%という先生がいるならそれは価値がありますが、そんな先生はそれ以外の工夫があるのです。ですのでラバーダムがなくてもきっと100%でしょう。

 

ちなみに私は使ってない派ですが、治療終了後大丈夫ですと宣言したものについては、成功率は100%です(10年以上経過)。丁寧に根管内を消毒できる方が、余程成功の要素としては大きいのです。

 

根管治療の予測は天気予報くらい難しいです。私でも簡単な症例と思っていたのに、案外手こずるとか、難症例と思っていたのに案外簡単に治ってしまったとか、今年の猛暑予測くらい当たらないです。ですので、簡単な症例そうに見えるものでも、必ず、治らない可能性のリスクを患者さんに説明しておきます。

 

おそらく病気と言われる現象は科学の法則通りなのですが、病気はその単純な科学の法則の複雑な組み合わせで出来ています。本当に一つ一つは簡単なのですが、3つ以上組み合わさると素人には判断ができなくなります。将棋もそうですよね。一つ一つの駒の動きは単純ですが、複数になると途端に普通の人はついていけなくなります。

 

ですので、皆さんも根管治療に必要なのはラバーダムだけではないことを知っておかれた方がいいと思います。またあまりラバーダムにこだわらないでください。よろしくお願いします。

患者さんからヒントを得て作る入れ歯

歯科技工士の関戸です。

 

入れ歯にもさまざまな種類がありますが、普通の歯科医院の場合には、一般的な形というのがだいたい決まっています。
それは、おおむね、保険診療が主体の医院で提供される入れ歯とあまり大きくは変わっていない入れ歯になります。

 

歯科医師から自由診療で作る入れ歯だからいいものだと言われましても、入れ歯の設計やデザイン自体は、ごく普通の入れ歯の場合がほとんどです。
独自性やオリジナル性はあまりありません。

 

なぜそのような入れ歯になるかといいますと、ほとんどの歯科医院は、自分の所で入れ歯を作っているのではなく、外注で入れ歯を注文しています。つまり、入れ歯を製造するメーカー(歯科技工所)がありまして、そこで作られたものが各歯科医院へ納品されるのです。同じところで作りますので、だいたい同じような入れ歯になります。

 

中には、特別な設計やデザインを注文する歯科医師もいると思いますが、多くの歯科医師は入れ歯の設計やデザインを歯科技工士まかせにしています。
患者さんの口の型どりやかみ合わせだけ行って、あとはすべて技工士にまかせるというのが実情だと思います。

 

それはそれで仕方のない面があります。歯科医師は入れ歯を作れるわけではないので、実際に入れ歯を作る職人が長年の経験で型を見ながら作るほうがいいとも言えます。
ただひとつ大きな問題があります。それは入れ歯を作る技工士が患者さんを直接見ていないということです。
歯科医師からの伝言だけで本当に良い入れ歯が作れるのか?と言われたら、はなはだ疑問であります。

 

『百聞は一見に如かず』というのは、いろいろな場面で経験することだと思いますが、まさに、入れ歯作りも、患者さんをよく見て、考えて、作るというのが一番の基本になります。また、見るだけでなく、患者さんのお話をよく聞いて、おしゃべりしながら患者さんの気持ちや考えを頭に入れてデザインしていくということも非常に重要だと実感しています。

 

この患者さんはどんな形の入れ歯を希望されているのか? どんな感じの歯並びを望んでいるのか? ご自身の歯のどの部分が一番気になっているのか?など、患者さんを見ながらそして、お話しながら、気づいていく作業は非常に重要です。

 

『一を聞いて十を知る』ということわざ通りにはなかなかいかないですが、一生懸命集中して患者さんの言葉を聞いています。患者さんから直接聞く言葉は、良い入れ歯を作るうえで、多くのヒントを与えてくださいます。

 

逆に言いますと、患者さんの言葉を聞かないで、顔も見ないで、そして口の中も見ないで作られている一般的な入れ歯が、患者さんにピッタリ合うとはとても思えないのです。

 

最近では、患者さんから、「ここの入れ歯はしっくりきますね」とか、「自分の歯のようで本当にうれしいです」という言葉もたびたび聞かせていただくことが増えました。ありがたいことです。入れ歯作りをしていて本当によかったと、感謝しています。
これも患者さんに来ていただいて、先生にはある意味自由に作らせていただいているからだと思っています。これからもさらに良質な、クオリティの高い入れ歯を目指して精進して参ります。

30年もつ入れ歯

技工士の関戸です。

 

先日、歯科の材料屋さんとお話しすることがありまして、その方から「30年もつ入れ歯」を提供している歯医者さんがいますとお聞きしました。

 

その時は、「それはすごいですね。30年もつような入れ歯を作れますとは、とても私は言えないです。」と言って、腕のいい歯医者さんに対して感心していました。

 

でも、しばらくたってよく考えてみると、入れ歯を30年も使っているというのは、いろいろな面で問題はないかと、疑問が出てきました。

 

世の中には、さまざまな商品がありますが、30年も使える、一生もつというような商品は、ほとんどないのではないかと思います。数年ぶりに使うものがあって、気が付いたら30年経っていたというのはあるかもしれないですが、毎日、四六時中使っていて、30年そのままだというのは、ちょっと考えにくいと思うのです。

 

自らの体も、30年経過すれば、30年前と同じ状態ではないはずですし、入れ歯は口の中で毎日使うもので、熱い物や冷たい物、酸性、アルカリ性、塩分などいろいろなものが口の中に入ってきますので、思っているよりも過酷な状態です。

 

それが30年もつというのは、たまたまもったか、なんとかかんとかご本人が使いこなしてきたというのが、本当のところではないかと思いました。人の適応能力はすごいですから。

 

入れ歯自体について申しますと、30年経過すると、かみ合わせの歯の部分は、プラスティック製でも陶製でも確実にすり減っていますし、土台のプラスティック部分はかなり材質的に劣化していると想像されます。何度もリフォームされて、総入れ替えに近いような修正を行いながら維持していくことは可能ですが、10年以上経過すれば、新たに製作されることも考えられていいかと思います。

 

何も変わらず使いこなせていれば、特に新調する必要もないですが、入れ歯はあくまで道具ですので、定期的な検査をされたほうがいいと思います。特にかみ合わせに関しては、すり減って切削能力が落ちていることが多いですので、包丁の刃をたまに研ぎなおすように、入れ歯のかみ合わせの歯も調整してもらうのがいいと思います。

 

かみにくい歯でかんでいると、無意識に力が入っていますし、何度も何度もかまないとかみ切れない状態が続き、消化に悪くもなります。あごの高さも低くなってきますので、数年から10年以上になると、入れ歯の歯だけでも新調して入れ替えたほうがいいかもしれません。

世界中から患者さんがやってくる

歯科技工士の関戸です。
今回は、日頃から私が歯科医療に関して思っていることを自由に書かせていただきます。

 

『物づくりニッポン』と言われてきたように、日本人は物づくりが得意で、特に手先が器用で、細かい作業にも向いているというイメージがあるのは、皆さんも同感だと思います。最近では、テレビ東京の和風総本家という番組や、テレビ朝日の世界が驚いたニッポンスゴ~イデスネ視察団など、世界に誇れる日本の技術力を紹介した番組もたくさんございます。和風総本家を見ていると、私なんて職人の端くれにすぎないのですがたびたび涙ぐんでしまいます。日本の技術力の高さは、日本人として非常に誇らしいことだと思います。

 

歯科医療のほうでも、私はドクターではなく技工士ですので、歯科技工について言いますと、日本の歯科技工もレベルが高い技工士がたくさんいて、海外から呼ばれている技工士も大勢いらっしゃいます。

 

ただ、やはり日本国内は保険診療が主流ですので、レベルの高い技工士は全体の中のほんのごく一部でそんなに多くはないと思います。保険診療の仕事は、まず質よりも量ですので、そういう仕事を続けていると、自然と質は下がっていきます。しかも料金は非常に安いので、どれだけ素晴らしい技工物を作っても収入が上がるわけではないですから、必然的に最低限のものしか作らなくなっていきます。当院に来院されるほとんどすべての患者さんの口の中にも、あまり質がいいとは言えない、保険で作ったものが入れられています。

 

ひとことで言いますと、先進国としてこれだけ発展している日本なのに、日本人の口の中は、発展途上国並みです。世の中にブランド品や趣味・し好品は数知れずありますが、口の中の詰め物やかぶせ物、入れ歯は、非常に質の良くない物が多いです。使われている材料の問題もありますし、技術の問題もあります。

 

では、なぜそのような状態なのか?勝手な意見かもしれませんが、私なりに言いますと、安かろう悪かろうの、保険診療が基本になっているからとしか考えられません。1年目でも30年目でも同じ料金で作らないといけないですし、材料も作る物も国に決められているような状況で、よりよい物を提供することは、不可能に近いのです。5年、10年、数十年と使って行く詰め物や入れ歯が、アルバイトの時給よりも低い単価で作らないといけないような現実があります。保険診療はそういう意味で、良い治療とは言えないものだと私は思っています。

 

簡単にまとめますと、歯科医師の技術も、歯科技工士の技術も何年経っても上がっていかないようなシステムになってしまっています。

 

これは非常にもったいないことです。本来力のある日本人が自らの力が発揮できないような状況になっているのです。日本人は手先が器用で、いろいろなものを加工したり装飾したり、付加価値をつけていくことがとても得意です。歯科治療も歯科技工も、もっと自由に患者さんに合わせて創意工夫ができて、材料も設計もすべて、より質の高いものを求めて技術力を上げ、患者さんに喜ばれるようなものやサービスが提供できるような環境になれば、魅力的な歯科医院がたくさん増えて、患者さんももっと満足されると思うのです。

 

今は、保険診療が主流なので高い技術力が求められているわけではないですが、自由に考えて提供できる自由診療が主流になれば、技術力は格段に上がっていきます。かける費用は高くなるけれど、快適に使えて長持ちして歯が悪くなることも少なく、安心安全に過ごせるというのは、テレビで紹介されている日本人の職人が作った質の高い道具が世界の国々で長年重宝されているのと同じように、素晴らしいことだと言えます。

 

そして、細かい作業の連続である歯科医療は日本人にとってはある意味で最適な仕事です。国をあげて、歯科医療の高度化に取り組めば、私は、『物づくりニッポン』の再来ではないですが、世界でも最高レベルの歯科医療の国になって、「歯を治療するなら日本へ行け!!」と言われるくらいにまでなる可能性もあると思っています。

 

これは大きな変化でありすぎて、現在の小さな小売店のような歯科医院ばかりの状態ではなかなか難しいかもしれません。スポーツの世界でオリンピック選手を生むためにJOCエリートアカデミーというのがありますが、素晴らしい歯科医師・歯科技工士を育成するための歯科アカデミーもぜひ作っていただきたいと思います。物を小さくしたり、複雑なものを作ったり、付加価値をつけていく仕事は、日本人が秀でている分野で世界の中で頂点をとり、世界から十分に収益も上げられる分野だと思います。日本人の仕事は丁寧で正確で、そしてきれい好きなので衛生的です。実は、一般的な商品やサービスに求められる要素の多くが歯科医療の中にもつまっているのです。それが今まで制限されてできなかったというだけなのです。厚生省の国民の意見募集の所にも意見を送っていまして、ぜひとも歯科医療を世界に誇れる日本人の得意分野にして、世界中から患者さんがやってくるようになってほしいです。