2017/06/02
たまには院長の脇田です。よろしくお願いします。
久しぶりにちょっと言いたいことがあったので、書かせてください。歯科関連の小冊子やパンフレット、ポスターを専門に作っている会社の方から営業を受けたんですが、ことあるごとに、
「この先生はどこどこで自由診療だけをやって稼いでいる有名な先生ですがご存知ですか?」とか
「この先生は有名で、日本国中駆け回ってセミナーもされてますが、ご存知ですか?」とか
「おそらく歯周病専門の先生の間では、有名だと思うのですが、〇〇先生ご存じないですか?」
とか、一部の歯科医師には有名なのかもしれませんが、さんざん知らない先生を登場させて、資料の価値の高さをアピールされていました。私が勉強不足で知らないだけのかもしれませんが、とにかく中身のないパンフレット内容ばかりなのです。私としては誰が作っても良いんで、患者さんが感心する、感動する内容でないとちょっと採用は難しいことをお話して、お断りしました。
残念なことに、こういったことはよくあります。私としてはこの歯科業界で「有名な先生なんですけれどご存知ですか?」的な先生はいないと思ってます。まあ強いてあげれば、音楽で芸能活動しているGReeeeNくらいでしょうか。それ以外は正直「あんた誰?」のレベルです。
セミナーなどでも、イントロの紹介で「もう咬合の世界ではすっかりおなじみの〇〇先生ですが」と言われてまんざらでもない顔をしている先生を見ると本当に「否定しないんだ」とすら思ってしまいます。
そしてそんな先生に限って「ワトソンとクリック (DNAが二重らせん構造であることを発見した人たち:ノーベル賞受賞者) 知ってますか?」と聞くと(まあこんなダイレクトな聞き方ではないですが)、「確か歯周病関連の研究をされている方でしたかね」というとんでもない答えが返ってきます。(心の中では、一般にはあんたよりはるかに有名なんだけどね・・・と突っ込んでますが)
本当に実力ない人は「有名」という一言で、相手にプレッシャーをかけようとします。しかしプレッシャーをかけられるくらい有名な人は、少なくとも、業界外の一般の人にも名前と業績が知られるくらいでなければならないと思います。逆にそれ以下の程度で「有名って」名乗って恥ずかしくないのかと思います。
私としては「有名な先生」でなくてもいいんです、この先生は何をやって来たのかが知りたいのです。
例えば私だったら、自己アピールの文言として、「入れ歯で有名な先生」と一言で片づけられるより、
「日本で初めて歯科治療にテストして材料、設計を決めるという概念を持ち込んだ先生です」と紹介される方が、「紹介者さんわかってんじゃん」と思います。
少なくとも、その人にしかできなかったことが、第三者にアピールされなければ、やっぱり誠実な中身は伝わらないと思うのです。有名でなくても恐ろしく頭の切れる歯科医師はいます。そんな先生は少なくとも巷で有名になることはありません。テレビの取材も来ません。でもいい仕事をしてる方はいらっしゃいます。有名か無名かで価値を決めるのをそろそろやめなければ、歯科業界は本当に軽薄な業界になっていくでしょう。
みなさんも、「有名な先生なんですがご存知ですか?」と聞かれたら、「すみません私は存じ上げないのですが、どういう業績で有名なのでしょうか?」と聞いてみてください。些細なことでもいいので、その人にしかできなかった業績がアピールされたなら、その先生に興味を持ってもいいと思います。
2017/05/25
技工士の関戸です。
先日、久しぶりに来られた患者さんが、前歯が1本グラグラしているので、その前歯を抜いて、入れ歯に歯を追加するという治療を希望して、来院されました。
私も久しぶりにお会いしたので、自分で作っていながら、前歯のどの歯が天然の患者さんの歯であり、どの歯が入れ歯の部分の歯なのか?わからなかったのです。
それだけ患者さんの口元になじんだ入れ歯の歯並びになってくれたということで、喜ばしかったです。
治療は、院長に口を開けたところを確認させていただいて、前歯1本を問題なくスムーズに追加することができました。
追加した後も、入れ歯というよりも自分の歯のようなイメージになっていましたので、患者さんも満足されていました。
だいたいどの歯が天然の歯で、どの歯が入れ歯の人工の歯なのかは普通わかるのですが、もともとの歯並びが乱れている患者さんの場合に、うまく溶け込んで一体化する場合がたまにございます。
歯を並べている当事者としましても、非常に面白い点でありまして、人の口や唇、頬など口元全体が時間の経過とともに、入れ歯に適応していく様が感じられたいい経験でした。
自然な歯並びを希望される患者さんには、『入れ歯とはわからない入れ歯』をこれからも頑張って作っていきたいと思います。
2017/05/18
こんにちは!
助手の神藤です^^
保険診療が主流な世の中で、当医院のような歯科の自由診療の医院ですと色んな事情を抱えた患者さんがとても多いです。
その中でも一番多いのが「こだわりが強い」患者さんです。
良く言えば「こだわりが強い」悪く言えば「神経質」でしょうか(笑)
でも、せっかく自由診療を選ぶのであれば「神経質」くらいがちょうどいいと思っています。
自由診療は保険でできないことをするのですから、満足できるまでとことんやり込むべきです。
こちらとしても「こだわりが強い」とやりやすい一面があります。
ー たとえば、”見た目”。
見た目の好みがハッキリにして、やりたい形が決まっているとスムーズに進むことが多いです。
ー 言いすぎると嫌われちゃうかな?
ー 細かいことだって思われたら嫌だな。
って思っているのであれば、実は簡単に解決する可能性もあるので言ってみてください。
また、できない場合であっても”なぜ、できないのか”を知ることで満足度も変わります。
提供しているこちらの「期待に応えることができた」「できない理由をしっかり理解して頂けた」と満足度も安心度も高くなります。
反対に見た目のやりたいことが決まってない患者さんが意外と困ることも多かったりします。
特に希望がない場合、まずは理想的なものをお作りするのですが、いざ確認してみると「良くもないし悪くもない」という反応が多いです。
理想的なものを確認して、ご希望を伺っても特に反応は返ってこない場合があります。
これが一番困ります。
2017/05/12
こんにちは!
助手の神藤です^^
先日「ブリッジにするか、入れ歯にするか」について書いたので
今回は「当院で1本の入れ歯の患者さんはどうしているか」について
お話したいと思います。
8年間 入れ歯専門の医院に勤めているので大きな声で言えませんが、
一本だけの入れ歯は私はあまりおすすめしません。
なぜなら
“入れ歯を入れてからブリッジにしている”
患者さんの方が多いからです。
入れ歯を決意している患者さんは「もう自分の歯を削りたくない」という思いがとても強いです。
なのに、なぜブリッジにするかといえば「面倒くさいから」だそうです。
あれ?異物感で気持ち悪いからじゃないの??
って思うかもしれないですが、そこは入れ歯専門の腕の見せ所(笑)
意外と悪くないっておっしゃる方の方が多いです。
入れ歯は着脱するものです。
なので、ちょっといつもと違うかみ方をすると外れる可能性があります。
まずそこが面倒くさい。
口の中も歯ブラシしないといけないし、入れ歯も歯ブラシしないといけません。
そこも面倒くさい。
物を食べるたびに隙間にどうしても食べ物はひっかかります。
そこも面倒くさい。
入れ歯を外している時間が2~3日すると入れ歯は入らなくなるリスクもあります。
そこも面倒くさい。
ちょっと欠点をあげるだけでも入れ歯って、本当に面倒くさいことだらけなんです。
なので、歯を削ることに抵抗がないようであれば、1本の入れ歯を入れるよりブリッジの方が断然おすすめです。
(何本か抜けている場合は入れ歯をオススメすると思います。)
どうしても歯を削りたくないとこだわりがあるようでしたら、
もちろん 異物感のほとんどない入れ歯をお作りすることはできると思います。
しかし、最終的にブリッジするケースがとても多く、ブリッジにして良かったと皆さんおっしゃいます。
私も1本抜けたらブリッジにすると思います。
ただブリッジをするなら信頼できる歯医者さんを見つけないといけません。
なぜなら、ブリッジは歯に直接くっつけてしまうので外すことができませんし
患者さんが思っているより歯を削ります。
ブリッジの設計でその歯が一生使っていけるのかが決まるので、歯医者さん選びは慎重に行ってほしいです。
また自由診療であれば保険では出来ない設計もできます。
なので、歯医者さんもセカンドオピニオンとして別の医院と比べることをおすすめします。
2017/05/01
保険診療で作る入れ歯や、自由診療の入れ歯でも、歯科医師の考え方で、非常にタイトにがっしりと歯に固定する入れ歯を作られる場合があります。
天然の歯でさえ少し動揺するように作られているのに、ガチガチに固定されて、入れ歯の取り外しも難しいような入れ歯を作られると、患者さんの中には、「入れ歯を入れているのが苦痛だ!」とか、「きゅうくつで、いつも残っている自分の歯が締め付けられている感じがする」と言われる方がいます。
そのような入れ歯を見ますと、歯に引っ掛ける金属のバネやつめのようなものが、たくさん取り付けられています。こんなにも何個も引っ掛けなくていいのではないかと思いますし、これでは残っている歯がやられてくる可能性が高いとも予想します。
当院の入れ歯は、そのような入れ歯と比べて、格段にやさしい入れ歯で、ひと言で言いますと、「着けていて楽な入れ歯」です。必要最小限の力とでも言いましょうか。できるだけ少ない力で引っかけて、入れ歯を口の中に入れていても、入れている感じがしない、入れているのを忘れるくらいの入れ歯です。
もしもう少し強くしてほしければ、そこから少しずつ強めていきます。
最終的に、患者さんが求める快適な強さの入れ歯になればいいと思います。
女性も男性も同じように強い力で作られた入れ歯は、ある意味で危険でもあります。
例えば、くつ下や下着のゴムの締まり具合とか、時計のベルトの絞め付け具合、靴ひもの強さなど、個人個人で求める強さは異なります。
入れ歯の場合には、最初は弱い力で試してから、徐々に強めていくのが理想だと思います。今だけ良ければいい入れ歯ではなく、将来的にリスクの少ない入れ歯を作ることをおすすめします。