2017/10/27
先日も保険診療で入れ歯を作られた患者さんの入れ歯を拝見しまして、いつも思うことですが、なぜこれほど分厚く作るのか?、針金のようなバネも必要以上につけているのか?
疑問でいっぱいでした。
しかもかむ力を支えるために、大きな奥歯をけっこう削られてもいました。本当に健康な歯を削って問題ないのかなと危惧します。
口の中にそのような大げさな入れ歯を入れて、快適に生活することは普通に考えて難しいと思います。院長がよく言いますが、犬や猫に限らず、人間の赤ちゃんや幼児でも入れ歯を口に入れられたら、確実に吐き出します。
大人の理性があってはじめて入れ歯は道具として使っていただけるものです。
だからこそ、少しでも患者さんにとって負担にならない、過ごしていてわずらわしくない入れ歯に仕上げていかなくてはならないのです。
例えば、ネックレスや腕時計、眼鏡など、肌に直接的に着けるものを、嫌がる人もいれば、全く問題なく着けている人もいます。個人個人で身に着けるものの、うっとおしさは異なり、さらに身に着ける箇所によりちがってくるものです。
入れ歯も同じように、上のあごは全く気にならないけれど、下の入れ歯がどうも気になって仕方がないという人がいます。反対に、下の入れ歯は自分の歯のような感覚で、着けているのも忘れているのに、上の入れ歯は長時間いれていると、うっとおしくなってくるという人もいます。
その場合に、保険の入れ歯は、既製品のようなものですから、大きくデザインや設計を変更することはできません。なぜならば、決められた方法以外は、保険申請できなくなって、歯科医師がお金をもらえないのです。よほど良心的な歯科医師でなければ、わざわざ大きな変更をしてまで、入れ歯を作り直したり修正したりしてくれないでしょう。
だいたい、入れ歯といいますか、口の中というのも、人の顔と同じで千差万別です。
それにピッタリな入れ歯を作ろうと思えば、そう簡単にはいかないのです。
保険診療の画一的な作り方では、とても患者さんになじむような入れ歯は作れないと思います。
ただただ、歯科医師の先生に言われたので、我慢して慣れるようにして使ってるという患者さんが多いと思われます。
21世紀のこの豊かな時代で、先進国の中でも上位にある日本において、なぜ今だに安かろう悪かろうの入れ歯で悩まないといけないのか、私はかなり疑問に思っています。
良い入れ歯はあります。皆さん、それを知らされていないだけです。
保険診療が当たり前の世の中なので、歯科医師もわざわざ良い入れ歯を紹介しないですし、むしろ本当に良い入れ歯を知らない歯科医師がほとんどと言っていいと思います。
患者さんにとっては、ほとんど知らされていないので、かわいそうな状況です。
ぜひ保険診療中心でやっている歯科医師の先生たちも、もっと良い入れ歯を理解していただいて、入れ歯を使われる患者さんにご紹介していただきたいと思っています。
良い入れ歯は、バランスもよく、かみ合わせも安定し、長期間にわたって快適な生活が送れます。見た目だけではなく、機能的にもすぐれた良い入れ歯をぜひ使ってください。
口や歯の問題から解放されて、人生を豊かに過ごすための、1つの道具として、良い入れ歯はかなり役立つと思います。
2017/10/04
技工士の関戸です。
前回の続きのような話になりますが、われわれは、専門家が言うことや、りっぱな先生が話したり考えたりしたことを、鵜呑みにする傾向はあると思います。
歯科の世界は、もともとほとんど欧米の考え方といいますか、欧米からの教育が基本になっているのですが、よくよく考えますと、同じ人間とはいえ、日本人の口や歯の治療をするのに、かなり体格も食べている物も違う文化の人を基準にした考え方で、果たして日本人にピッタリ合った治療ができるのだろうかと、ふと疑問に思います。
日本人でも、女の人と男の人とでは、体格やサイズ、力など、大きな差があります。
食べ物、着る物、使う物。それぞれに女性用。男性用。あるはずです。
同じものが使えないことはよくあります。
そして、欧米人と日本人を比べた場合、もしかしたら、日本人の男女の差よりも大きな差があると言ってもいいかもしれません。
それなのに、欧米人をもとに考えられた理論や理屈で入れ歯を作った場合、どうなるでしょうか。
単純に考えますと、強すぎる、大きすぎる、頑丈すぎるだろうと予想できます。
そして、実際にそのような入れ歯がほとんどだと思います。
もちろんそのような考え方で作られた入れ歯で不自由なく生活されている人も多いと思いますが、私は繊細な日本人に合わせて、もっと歯にやさしい、口にやさしい入れ歯にできないかといつも思っています。
今では当院にかぎらず、いくつかの医院で新しい入れ歯が作られていますが、私はこれからももっと、日本人に合わせたいろいろなタイプの入れ歯が開発されることを期待します。
欧米の理論や設計・デザインではなく、現実の日本人の、男性向き、女性向きなど、さまざまなタイプに基づいて考えられた入れ歯ができたら、バリエーション豊富な入れ歯治療になっていくと考えます。
2017/10/03
技工士の関戸です。
現在、世の中で一般的に使用されている部分入れ歯は、頑丈なバネや引っかけ、バーを使って、数か所の歯に固定するような形で作られています。
確かに固定するところが多ければ多いほど、入れ歯はしっかりと口の中でとまると考えられますが、もともとの天然の歯に引っ掛けたり、強く固定することが、入れ歯にとっては大切でも、残っている歯にとっては問題がないのか?と考えますと、やはり大きな負担になっていると言えます。
かむ力というのは、相当な力ですので、いろいろな歯に強くバネで固定されていた場合、その健康な歯が強い力で揺らされるのは明らかです。歯は揺らされれば、揺らされるほど、歯周病になるリスクも高まるでしょうし、しっかりと根を張っていた健康な歯が時間の経過とともにぐらぐらして弱ってくることも予想できます。
天然の歯は、歯の根っこに衝撃を吸収する繊維の膜が一層張られています。この膜は、石をかんだりしても頭にズキンと来ないように、強い力を吸収できる能力がありますし、少しばかり歯を揺らされても、耐えられるような働きを持っています。
しかしながら、入れ歯のバネのように、人工的に必要以上に強い力で引っ張られたり、入れ歯で何度もかむたびに、常に引っ掛けられていると、やは悪影響が出てきます。
許容範囲内の力で動かされるのは、なんとか耐えられるでしょうが、ではどれくらいが許容範囲なのかは、正直誰にもわからないと思います。
それならば、強い力で引っ掛けないような入れ歯はないのか?ということで作っているのが、当医院の入れ歯です。
1本1本の歯を、入れ歯に従属させるのではなく、独立させておいて、残っている歯全体で助け合って入れ歯を支えていくという考え方です。できるだけ弱い力で入れ歯を固定しておいて、実際に使っていくなかで、どうしても弱い部分がでてきたら、そこだけもう少し強い力で助ける、という取り組み方です。
すると、16年以上そのような入れ歯を見てきていますが、楽に使われている患者さんが多いです。そして、残っている歯が次々に弱っていくようなことはありません。
入れ歯を着けている感覚も少ないので、うっとおしいということもないでしょうから、気楽に入れ歯でも生活ができているという状態だと思います。
口の中でがんじがらめに固定された入れ歯は、私はあまりよくないんではないかと思っています。本来、口の中はそのような状態ではないと思いますので。
足りない部分を助けるだけで、必要以上に負担をかけるのは、悪い面も出てくるかと想像します。
2017/09/29
歯科技工士の関戸です。
これまで16年間、保険のきかない自由診療の歯科医院にて、入れ歯を専門的に見てきましたが、やはり何と言いましても、入れ歯は金属床と言われる、「金属製の入れ歯」が一番いいです。
口の中に入れた時の安定感、食べ物を強くかんだときも変形しない丈夫さ、ちょうどいい感じにたわんで元に戻るしなやかさ、多孔質なために着色や変色、食べ物などを吸収してしまうプラスティック製と比べて、材質として数段優れています。
かみ合わせた際に、充分な強度があるため、安心して食べ物が食べられますし、手加減しないでかみ合わせできますので、運動されるときや力を入れる時も、思い切って力をこめることもできるかと思います。このかみ合わせの安定感、安心感は丈夫な金属ならではのことで、しかも厚さはプラスティックよりも倍以上薄く作れます。
何年も数十年も入れ歯での生活を送られる場合には、料金面で当初費用が多くかかりはしますが、その後の長い期間、安全に安心して使えるものと思えば、決して高いものではないと思います。
金属製の入れ歯によって、他の歯の健康も維持されやすいですし、今では見た目もよく、快適な入れ歯が作れます。当医院だけでなく、他の医院さんでも金属製の入れ歯は取り扱われていると思いますので、最初は保険診療のプラスティックや少し金属のバネやバーを使った入れ歯でもいいかと思いますが、最終的には、金属床という入れ歯に代えられたほうが、いろいろな点で利点があります。
毎日の食事やおしゃべり、社会生活における見た目の印象の良さなど、気持ちの面で体の面でも、良い入れ歯は健康で快適な生活の一助となると私は信じています。
入れ歯専門の歯科技工士として、入れ歯を使われているすべての患者さんに金属製の入れ歯をぜひおすすめします。
2017/08/17
技工士の関戸です。
ブリッジや差し歯の治療はほとんど歯科医師まかせというのが一般的だと思いますが、当医院は自由診療専門ですので、治療だけではなく、前歯でも奥歯でもブリッジや差し歯の形にとてもこだわっています。
簡単にいいますと、患者さんに合わせて見た目のいい歯に最終的に完成したいので、仮歯の段階で、審美性や機能性に気を使って、形には特にこだわりをもっています。
うちの医院は女性患者さんが多いので、かっこよさというよりも、患者さんの希望に合わせて、愛らしさ・キレイさ・シャープな感じなどを出すようにしています。
私は本来は入れ歯専門の技工士なのですが、仮歯はずっと製作してきていまして、ここしばらくは、患者さんから「歯の形がいいからうれしい」とか、「この仮歯の形のまま、最終物も作ってほしい」と言われることが多くなりました。本当にありがたいお言葉です。
ただただ、目の前の患者さんが素敵になって帰られて、この医院に来てよかったと思ってもらえることだけ考えて仕事していますので、そのような声をいただけるということは、この上ない喜びであります。
差し歯作り専門のプロ中のプロから言わせれば、私の歯は決して理想的な形ではないかもしれません。ですが、これまで何度も経験してきた中で、差し歯専門の一流の技工士が作る歯が、必ずしも実際の患者さんの口元に合ったものではないということは実感しています。
一流の職人が患者さんの口元を見ずに作っても、なんとなく違和感のある形の歯になってしまっているのです。当院に初めて来院される患者さんの多くがそのような状態です。自由診療で高額な料金を支払ったにもかかわらず、何となく顔だちに合っていない歯になってしまっていることが多いです。
患者さんの口元は、一人一人違いますし、左右で唇の上がり方も違います。その差を直接目で見て、患者さんの希望を聞いて、すべてを反映しながら作ってこそ、何とも言えない形の歯になります。直接患者さんを見ないで作れば、一流の職人であれ、どうしても口元にピッタリ合った歯にはなりにくいと言えます。
多くの皆さんが、「仮歯」というものは大したものではないと思っているはずです。
ですが、この仮歯を何度も調整して、長期間見ていきながら、最終的に口元に合わせた形になった時には、本当にしっくりくる形の歯になります。
当医院では、実際に仮歯として長い間使っていただきますので、患者ご自身が自分の歯に対していろいろなことを感じることもできます。患者さんそれぞれで歯に対する考え方も違うと思いますので、その気持ちに合わせながら、より最適な歯にできたら一番いいかと思います。ぜひご協力ください。