ビールがおいしい入れ歯

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ビールがおいしい入れ歯

技工士の関戸です。

 

先日、入れ歯のかみ合わせの調整をしている患者さんから、「ビールがうまくなったね。」と言われて、患者さんと笑いながら会話していました。

 

その方は、プラスティック製の上あごの総入れ歯を使用されていたのですが、新たに、金属製のうすくて丈夫な入れ歯に作り替えたところ、プラスティック製の入れ歯では味わえなかったビールのおいしさを、今回、感じられたそうです。

 

長年、入れ歯を作っていまして、上あごの入れ歯を金属製に作り替えた患者さんの多くから、「お茶がおいしくなった」「お味噌汁がおいしくなった」というお言葉はたびたび聞いていましたが、「ビールがおいしくなった」というのは初めて聴きましたので、こちらの方が勉強になった気がしました。

 

味覚というのは、温度感覚の影響を受けるようで、例えば、この夏の季節でしたら、同じ麦茶でも、ぬるい麦茶だとおいしく感じないのに、冷たい麦茶はとてもおいしく感じます。反対に、冬の寒い時期に、あたたかいお茶を飲むと、体まであたたまった気分になり、お茶が一層おいしく感じられるかと思います。

 

上あごをすべておおわれている、総入れ歯の患者さんは、プラスティックでおおわれた上あごでは、食べ物や飲み物の味覚・熱い/冷たいの違いがあまり感じられません。あわてて熱い飲み物を飲むと、のど元ではじめてその熱さに気づいてあわてるということもよくあるようです。

 

今回は、熱伝導率の良い金属製の総入れ歯にしたことで、冷たいビールを今まで以上においしく飲めたと言っていただけたので、作り手としましては、非常にうれしいお言葉でした。

 

食べ物や飲み物をおいしく食べたり、飲んだりできるのは、一番の幸せとも考えられますので、これから先、さらに快適な食生活を送っていただけるので、本当に良かったなと思いました。