入れ歯を作ったあとの不具合

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入れ歯を作ったあとの不具合

技工士の関戸です。

 

新しく入れ歯を作ってセットされたとき、2~3日してなんだかハグキが痛くなってきたりすることがあります。その原因は、実際には細かく複雑なところがありますが、ざっくり大きく言いますと、型どりとかみ合わせの2つになります。

 

そして、型どりが原因の場合は文字通り先生のとった型と、患者さんの歯とハグキの型が合っていなかったのが原因で、入れ歯を入れるだけで痛みが生じます。

 

次に、かみ合わせが原因の場合、まずは高さが高い・低いの問題が大きいです。多くは高さが高いために、かみしめた時にハグキがグッと圧迫されて痛みます。これはかみ合わせが高すぎたので痛いのです。

 

また、かみ合わせは高さだけでなく、左右差、前後差、3次元的なゆがみが考えられます。多くの患者さんは、左右、前後にバランスよくかんでいません。どこかで強くかんでいたり、ズレてかんでいることがほとんどです。

 

そこを見極めて調整していかなくてはいけないのですが、これがなかなか難しくてそんなに簡単な調整ではありません。

 

しかも、患者さんのハグキも、すべてバランスよく強いハグキであるわけではなく、弱いハグキの部分もあれば、強いハグキの部分もあります。ハグキ自体がなくなってハグキの山がぜんぜん無い患者さんもいらっしゃいます。その場合、入れ歯がどうしても動きやすくなり、痛みやすくなります。

 

また、同じ先生が同じ患者さんの歯の型を2度3度型どりしても、まったく同じ型というのは存在しなくて、つまり2つと同じ型はないということですが、それで型自体に多少の誤差はどうしても生じるということもあります。入れ歯作りはなかなか難しい面がたくさんあります。

 

これらの誤差が調整して痛みがなくなる程度であれば問題ないのですが、調整しても痛みが続く場合もあります。それは、先生の型どりの問題もあるかもしれませんが、患者さんのハグキ自体が部分的に弱いという問題の場合もあります。

 

そのため、調整を繰り返しながら、食べる時に多少痛むものの、入れ歯を使い続けていますと、ハグキのほうがだんだんと以前よりもしっかりしてきます。すると、ハグキが強くなって引き締まって来まして、入れ歯とハグキの間にすき間が出てきます。そこを丁寧に埋めていく作業を繰り返すと、もう痛くなくかめるようになることが多いです。

 

不具合があるものの、このつらい期間をある程度我慢して越えて行かないと、入れ歯でしっかり食べ物をかむということが難しくなります。「ちょっと痛いからはずしておく」ということを日常的に続けていますと、いつまでも入れ歯が使えなくなりますので、激痛ではなく、痛気持ちいいくらいの圧力で使える範囲内で、ハグキを鍛えていくというのは必要かと思います。

 

また、先ほど書きましたようにまったく同じ入れ歯は2つとないので、入れ歯自体に慣れる、特に、新しい歯科医院で新しい入れ歯を作った場合、口が入れ歯に慣れるには、2週間~3週間はかかるとお考えください。それまでは、舌をかんだり頬をかんだり、しゃべりにくいという期間がどうしても発生します。

 

すぐに慣れられる患者さんもたまにいらっしゃいますが、やはりしばらく調整とトレーニングを繰り返さないといけない患者さんが多いです。1~2回の調整であきらめずに、ゆっくりあせらず取り組んでみてください。