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入れ歯は口の中のパラリンピック!?

オリンピックが終了し、しばらくすると、パラリンピックが始まりますが、そのパラリンピックに出場する選手のために、さまざまな道具を製作する人たちがいるかと思います。

 

手や足に障害を持つ方々のために、人工物として義手や義足を製作するお仕事として、義肢装具士という方々がいます。おそらくパラリンピックに出る選手の多くは、義歯装具士さんと共に、いろいろな道具をともに製作して、最高のプレーができるように工夫されているだろうと思われます。

 

失った足を補う人工物の足。失った手を補う道具としての手。

 

歯科の中でも、入れ歯を専門に製作する歯科技工士は、ある意味で同じような仕事をしています。失われた歯の部分に、人工物としての入れ歯を作り、審美的そして機能的に回復させる。

 

歯は、手や足とはまた違ったものではありますが、失われた所を人工物で補うという意味では、同じだと思っています。

 

食べるという行為は、毎日かかさず誰もが行っているとても大切な働きだと言えます。その際に支障のないような道具として機能する。これがまず一番の入れ歯の役割だと思います。

 

次に、人は社会生活を送っていますので、人前で口を開けて話をしたり、笑顔で対応することも多いと思いますので、その時に、審美的に問題がないような入れ歯である必要があります。

 

この機能性と審美性という2つの点が入れ歯では大きなテーマになっています。

 

中には、歯が1本もなくなってしまった、いわゆる総入れ歯の方もいまして、ハグキだけで上下の入れ歯をうまく機能させなければなりません。しっかり固定されている部分がまったくないので、まるでバランスボールの上でバランスをとり続けているような状態のまま、入れ歯で食べ物をとらえていかなくてはならない日々となります。

 

あごの形の良い患者さんの場合は、まだ製作しやすいのですが、あごの土手が少ない方や柔らかくて弱い歯ぐきの患者さんの場合には、かなり大変な入れ歯となります。入れ歯の調整回数も期間もかかりますし、痛みなく食べられて安定するまでには、患者さん自身の努力やトレーニングも必要になってきます。

 

われわれ入れ歯専門の歯科技工士は、できるだけ患者さんが使いやすい、過ごしやすい入れ歯にするため、丁寧に細かく調整し仕上げ、さらに実際に使われた中での感想を聞きながら、また調整や修正を加えていくということを繰り返します。このような作業は、きっとパラリンピックの義歯装具士さんも選手も同じようにされているだろうと予想します。

 

人工物は、作ったらおしまいではなく、より快適になるように、時間もかかりますが、細かい調整を繰り返すことでその人に合った製作物に変わっていきます。

 

入れ歯の世界に金メダルというものはないですが、目の前の1人の患者さんにとって最適な金メダルの入れ歯が作れたらいいなあと思いながら、今後も真摯に取り組んで参りたいと思います。

 

パラリンピックの選手もサポートの義歯装具士さんも、日本でのパラリンピックがんばってください!

1本の入れ歯

最近、1本の入れ歯を希望される患者さんが多くいらっしゃいます。

 

近所の歯科医院で歯を抜いて、抜いたところに入れ歯を入れるか、両隣の健康な歯を削ってブリッジにするか、それともインプラントにするかと言われて、悩んでいて、一度、入れ歯専門のところに話を聞きたいからということで、来院されたりしています。

 

あるいは、歯医者さんにすすめられるまま、一度、入れ歯を入れたけれど、使っていて窮屈であったり、異物感が強かったり、しゃべりにくかったり、見た目にも悪いということ等で、他にいい入れ歯がないか検索して来院される方もよくいます。

 

もう少しよく考えている方ですと、今使っている入れ歯が本当に大丈夫なのものか? 両隣にガチガチに引っ掛けている金属のバネのようなものは、問題ないのか?という疑問を持たれて、質問して来られます。

 

両隣の歯に必要以上の負担がかかっているので、物を咬むたびに、力が加わっていますから、良いとは言えないですとお答えしていますが、ここまで聞いてこられる患者さんはあまりいません。

 

連続して多数の歯が抜けている方の場合には、入れ歯になることにご理解いただけますが、1本の入れ歯の患者さんは、選択肢がいくつかあるがために、逆に、悩まれるのは当然だと思います。

 

これは、間違いないことなので、言いますと、その中でも一番リスクや負担の少ない治療が入れ歯です。入れ歯は、今の状態のまま型をとってセットするだけで、嫌ならば、はずせます。使わなくてもいいわけです。

 

これまでの患者さんの感想をまとめますと、最初は異物感があるけれど、使っていく中で慣れてきましたというのが一番多いです。メガネやコンタクトレンズもはじめて装着したときには、異物感がありますが、いつのまにか着けているのも忘れるようになるかと思います。それとよく似た感じのようです。

 

また、2番目にリスクがないのは、ブリッジですね。両隣の健康な歯を削るのは嫌ですが、例えば、両隣の歯が虫歯の治療を終えてセットされた詰め物であれば、保険診療ではやっていないのですが、インレーブリッジと言いまして、かぶせ物ではなく、詰め物を両隣にしてブリッジにする方法もあります。これですと、歯を削る量がかなり少なくて済みます。

 

そして、最後は一番リスクの高いインプラントになります。何がリスクなのかということは、1つ前のブログを読んでいただければわかっていただけるかと思います。1本だけだからと思ってインプラントにすることが、のちのち大変なことになることもご理解したうえでないと、できない治療だと思います。たとえ1本でも、口の中は全部つながっていますので、よくよく考えてから行ってください。

 

そして、当医院のセキトデンチャーについて聞かれることもよくあります。

世界一コンパクトな入れ歯だと思っているのですが、そのため、すべての方にできるというわけではありません。口腔内を見て、型をとっていろいろ計測してから、合っているかどうか確かめてからお作りします。もし実際に使われてから不具合が生じたり、合っていないということであれば、また別のタイプの入れ歯を設計してお作りします。

 

何がなんでもセキトデンチャーで作る!などという偏った考え方では患者さんに迷惑をおかけするだけですので、患者さんの歯の形や食べ物を咬む力の違いにそれぞれ合った入れ歯を提供するように心がけています。それでどうしても入れ歯に慣れない、使えないという場合には、院長は次にブリッジをおすすめしています。そして、このブリッジも長期的に何度も確認を繰り返したうえで、最終的な完成品のブリッジをセットしています。

 

実際に使ってみないと良いかどうか、誰にも判断できないので、ダメだった場合に変更がきくようにするために、上記の、入れ歯→ブリッジ→インプラントの順番でリスクの少ない治療方法が決まってくるのです。

インプラントのデメリット

誰かの口の中のアゴの骨に、1本のインプラントの支柱を打ち込むとして、さて、どの方向に打ち込むのが正しいか?と聞かれたら、その答えは遠い将来にならないと誰もわからないということだと思うのです。

 

例えば、インプラントを打った後に、前後の残っている歯が悪くなり、抜かなくてはいけなくなった時に、打ってしまったインプラントとの関係はどうなるのか? 抜けてしまった後の歯ぐきや骨の状態が、先に打ってしまったインプラントの支柱とバランスの良くない状態であった場合、どうなってしまうのか。

 

将来的にどの歯が悪くなって、どの歯が抜けてしまうのか? 誰にも予想できないのに、抜けたからといって、どんどんインプラントの支柱を打っていったら、最終的にどんな口の中になってしまうのか? ちょっと想像がつかないといいますか、恐ろしいことにならないかという不安があります。

 

インプラントは、基本的に一度打ってしまったら、はずせないと言われます。はずそうと思えば、コンクリートに埋め込んでいる電柱を無理矢理引き抜くような作業になりますので、あごの骨が一体どうなってしまうのか。とても健全になるとは思えないです。

 

また、上の歯と下の歯は、かみ合わさってバランスをとっています。1本でも高さの高い歯があると、違和感が出ます。天然の歯というのは、根っこのまわりが特別な繊維でおおわれていまして、この繊維が最高のクッションになっているため、かむ力を分散してくれたり、歯がボキッと折れないような作用もしてくれています。

 

ところがインプラントの支柱はあごの骨に直接打ち込むので、クッション作用がありません。直接あごの骨に力が加わるので、かなり繊細な調整ができないとまわりの歯に悪影響を与えてしまうことにもつながります。かむ力は強いでしょうが、それが逆にかみ合わさっている歯に負担をかけることになるかもしれませんし、根っこにクッション性がないので、何百回何千回とかむうちに、根から膿(うみ)が出ているような状態を見たことがあります。

 

そういう諸々のリスクがあるために、当医院の院長はインプラントを基本的に行わないで、歯が抜けたところにはまず入れ歯を試してみるという方法をとられています。

 

入れ歯専門の技工士としましては、インプラントに失敗して、もうインプラントはできない方に入れ歯をお作りするのですが、入れ歯にとっては歯ぐきの状態がとても大切で、インプラントに失敗したあとの歯ぐきは、前にも書きましたように、無理矢理引き抜いたような状態で、自然に抜けた歯の状態ではないので、痛みなども生じたりして、かなり大変になります。

 

本当に、そこにその状態でインプラントを打っていいのか? 将来的に何も問題がないのか?なんて誰にもわからないことだと思いますので、とてもリスクが高い治療になるかと思います。

入れ歯専門の技工士と差し歯専門の技工士

一般的にはあまり知られていないのですが、歯科技工士というのは、大きく2つに分かれています。1本の差し歯やブリッジを作る技工士と、歯がなくなった所に入れる入れ歯を作る技工士です。あと1つ、人数は少ないですが、矯正専門の技工士さんもいらっしゃいます。

 

技工士は全国で3万人ほどいますが、圧倒的に差し歯専門の技工士が多くいます。入れ歯専門の技工士はどちらかといいますと、少な目です。入れ歯を愛する技工士の私からしますと、残念ではありますが、造形的にかっこいい歯を作りたい!と考える技工士が多いのは、当然のこととも思います。

 

そして、歯医者さんも歯の治療専門なので、1本の歯を作ることもできないのですが、入れ歯専門の技工士も、差し歯やブリッジは基本的に作れません。餅は餅屋というわけで、やはり専門の者に作ってもらうほうがクオリティは高く、長期的に使用できます。

 

逆にいいますと、差し歯やブリッジ専門の技工士は、入れ歯を作ることはできません。例えて言えば、同じ球技なのに、野球とサッカーくらいの違いがあります。どちらも得意な人ってなかなかいらっしゃらないですよね。

 

同じように、歯医者さんも、差し歯が得意な人もいれば、入れ歯が得意な人もいます。

両方ともうまい歯医者さん探すのは至難の技かもしれません。

 

同じ口の中なのに、なぜそんなに分かれているのか?と思われるかと思います。

このように、考えていただけれたらどうかと思います。

手や足を失った方の手や足を作る義肢装具士さんがいらっしゃいますが、彼らは手や足のなくなったところに、手や足の代わりになる物を作ります。手や足はあって、手や足を痛めているところを修復していく仕事は理学療法士さんや作業療法士さんと言います。

われわれ歯科技工士も、同じく、歯のないところに歯を作る仕事と、歯(土台)のあるところに歯を作る仕事に分かれていると。

 

ないところに作る仕事と、あるところに作る仕事は、これは結構、ちがいます。

考え方も違っていると言っていいと思います。

このあたりが、入れ歯と差し歯を口の中でうまく共存させていくことの難しさでもあります。

近所の歯医者さんで、もうこの歯はダメだと言われました。

技工士の関戸です。

 

当医院にご連絡いただける患者さんの中で、家の近くの歯医者さんに行かれて、次のように言われたという人が非常にたくさんいらっしゃいます。

「もうこの歯はダメなので、抜くしかない。」

「歯の根が割れているので、入れ歯にするしかない。」

「根が悪いので、抜いてインプラントにしたほうがいい。」

このようにすすめられて、迷っていたり、悩んでいるので、どうしたらいいですかというご質問がとても多いです。

 

歯科医師ではないので、院長に診てもらわないとなんとも言えませんと、お答えするのですが、中には、保険診療だからそういう診断になるのでしょうか?という突っ込んだご質問をされる方もいます。

 

答えに窮するのですが、そういう時には、日頃から院長が言っている内容をお伝えしています。

 

保険診療の場合は、診断を白黒はっきりさせてから治療しないといけないルールになっているので、もしかしたら助かる可能性のある歯も、治療してもダメな歯だと診断せざるを得ない場合があると。

自由診療の場合には、いい意味で自由なので、ダメかもしれないけれど、治療に取り組んでみるということができます。そしてその上、入れ歯でもかぶせ物でも、いろいろな治療法を試すことができます。その中から患者さん自身が最終的にどれがいいのかを選べるので、患者さんにとっては一番良い形で治療できることにつながります。

 

本来ならば、保険診療でもそのような手間暇かけた治療ができれば理想的だと思いますが、やはりそれなりに時間も費用もかかりますので、そのようなことを保険診療で行うというのは、現実的ではないと思われます。

 

ただ、うちの院長は、健康な歯は、1本100万円以上の価値があるとよく言いますが、まさにその通りでありまして、生まれながらに生えてきた歯はとても大切で、その歯がたとえダメになりそうでも、いろいろ試して治療する価値はありますし、また悪いままで放っておくのは、残っている他の歯にとっても良くない状態なので、今以上に悪くならないように適切な処置を丁寧に行って、もうこれから先は健康なままでいられるようにするのが一番大切だと思います。

 

時間をかけて悪くなったものは、短期間では治りません。何度も通院しないといけないでしょうし、費用もかかります。しかし、その後は、毎日のお手入れと定期的なメンテナンスを受けていただければ、長期的に健康な口の状態でいられますので、歯の悪い箇所がある方は、ぜひ取り組んでいただきたいと考えます。