入れ歯の種類
入れ歯の種類
歯を失ってしまった場合の選択肢は、インプラントやブリッジ、入れ歯とさまざまな種類があり、入れ歯を選んだ場合も保険の入れ歯や自費の入れ歯など選択肢があります。ご自身もしくはご家族の歯がなくなってしまった場合、抜かなければいけなくなった場合、入れ歯を検討するときは、まずはかかりつけの歯医者さんに相談されることがほとんどだと思います。しかし、その種類やメリット・デメリット、費用など、入れ歯に関して少し知識をつけておくだけで、患者さん自身がより選択しやすくなります。
入れ歯の種類とその費用
入れ歯にはさまざまな種類があります。「保険か自費か」「総入れ歯か部分入れ歯か」といった違いや、材質や固定の方法などです。しかも各歯科医院ごとに扱っている種類や考え方に違いがあります。ここでは代表的な入れ歯の種類とその特徴に関して説明します。
保険の入れ歯か保険外(自費)の入れ歯か?
入れ歯治療はもちろん保険で受けることができる治療です。しかし、保険外(自費)の入れ歯も存在し、その分費用は高くなります。その違いは何なのでしょうか?
使っている材料の違いと、更に最も異なるのは一人の患者さんにかける手間と時間と技術です。この手間と時間を惜しむと良い入れ歯はできません。総入れ歯の場合を例に、その違いを見てみましょう。
保険の総入れ歯の場合
【費用】11,000円~16,500円(税込)ほど
歯の部分(人工歯)と粘膜の上にのる部分(床)の材質がプラスチック(レジン)でできています。
●メリット
費用が安い
●デメリット
プラスチックでできているので、臭いや汚れがつきやすく劣化しやすい傾向にある。また、厚みがあるため、装着時に違和感を感じることが多く食事のしにくさや発音の難しさ、食べ物の温度と味がわかりづらい傾向がある。
自費の総入れ歯の場合
【費用】450,000円~600,000円(税込)
保険の入れ歯と違い、利用できる材料に制限がなく、多く時間や技術をかけることができる。
●メリット
費用や材質に制限が無く、時間をかけて治療することができる。見た目が美しく、より違和感を与えない素材を利用でき、患者さんに合った入れ歯を制約なく作ることができる。
●デメリット
費用面で保険診療よりも高額になる。
保険か自費か、選ぶのは患者さん自身ですが、予算や治療への希望に合わせてご選択ください。
総入れ歯か部分入れ歯か
全く歯がない場合に粘膜に固定して利用するのが総入れ歯、1本でも歯が残っている場合にその歯を利用して入れ歯を固定していくのが部分入れ歯です。文字通り部分的に歯を失ってしまった場合は、部分入れ歯を選択いただくことになります。
総入れ歯の歯茎の部分の材質
いわゆる歯茎にあたる部分の材質が変わることで、噛んだときの違和感や味覚の変化を軽減することができます。
コバルトクロム
薄くできるので、異物感が少ない。また、金属なので温度を感じられる。
【費用】198,000円~242,000円(税込)
チタン
チタン合金を使用しコバルトより軽くできる。
【費用】330,000円~440,000円(税込)
シリコン
薄くて柔らかいので、粘膜への負担が少なくしっかり固定できる。
【費用】198,000円~231,000円(税込)
部分入れ歯の固定方法
金属の留め金を使う
保険の入れ歯で使っているやり方。クラスプと呼ばれる留め金を残っている歯にかける。残っている歯へ負荷がかかるのと、見た目が美しくないのがデメリット。
【費用】5,500円~15,400円(税込)
白い留め金を使う
目立たないように隣の歯にかける留め金を白いプラスチックにしたもの。保険適用外ですが目立たなくなる。
【費用】22,000円~33,000円(税込)
歯や歯茎の色のプラスチックの留め金で固定する
歯茎の部分に同じ色の留め金をつけるので、更に目立たない方法。
【費用】88,000円~330,000円(税込)
入れ歯選びのポイント
入れ歯を作るうえで最も重要な点は、歯科医院を選ぶことです。特に満足できる入れ歯が欲しいという場合は、十分な経験や実績を持った医師を探すことが重要です。
当院の部分入れ歯の紹介
ディアレスト
「諦めない入れ歯(試せる入れ歯)」から生まれた、日本人に適した金属床の部分入れ歯が「ディアレスト」です。当院だけのオリジナルな入れ歯です。
ディアレストの最も大きな特徴は、入れ歯の土台となり、薄く軽く機能性に優れた金属床の部分入れ歯であることです。カチッと収まる感覚と、邪魔にならないつけ心地の良さがあり、クラスプという金属が見えないため、審美性に優れています。
ディアレストの特徴
ディアレストは、薄さと軽さを追求した結果、金属でありながらピタッと貼り付くフィット感があり、カチリと留まります。装着感が良いだけでなく、食べ物を噛んだ時もしなやかに力を受け止め、自然に近い噛みしめ感が得られます。金属の味がすることはありませんし、熱い物は熱く、冷たい物は冷たく味わえます。
また、外側の歯ぐき部は上質なプラスチックで、最も薄い部分はわずか1mmです。この上質なプラスチックは薄くて硬い特徴があり、食べ物の臭いや色が比較的着きにくい素材です。
人工歯の部分は、歯科技工士が患者さんの好みや顔立ち、口元、残っている歯に考慮しながら、バランスよく仕上げます。外から金属が見えることはなく、前歯が部分入れ歯になる方でも全く問題ありません。もちろん発声や発音がしやすくなるよう粘膜との境目を滑らかに仕上げています。
セキトデンチャー
ディアレストの他にも、奥歯の歯と歯の間に1~2本抜けている人のための入れ歯として「セキトデンチャー」をご用意しています。
●このような患者さんにお勧めします
- 健康な前後の歯を削ってまでブリッジにしたくない人
- ごく普通のバネや引っかけで作られた入れ歯が嫌な人
- 歯を削ったりせず、そのままの状態で入れ歯を試してみたい人
●メリット
- とても小さくて、内側(舌側)に何もないので、入れた感じはほぼブリッジに近い
- 見た目がよい
- 前後の歯に負担がかかりにくい
- バネのような引っかけ(クラスプ)の締め付け感がない
- 食べ物が詰まりにくい
- 歯が1~2本抜けている場合の入れ歯
●デメリット
- 緩んできたら、調整する必要がある
- 全ての症例にできるわけではない
- 思い切り食べ物を強く噛みたい人には向かない
この入れ歯の特徴は内側(舌側)に何もないことです。口の中がとてもスッキリして、入れ歯を入れている感覚がほとんどありません。舌を動かしても入れ歯に触れる範囲が小さいため、入れ歯を入れていても違和感を生じにくい構造です。一度お試しいただくと「他の入れ歯では異物感が強い」と感じるような入れ歯です。