精密な入れ歯
しっくり噛み合う入れ歯の理由
当院では、入れ歯を専門に取り扱っている歯科技工士が院長の管理・指示のもと、入れ歯の調整を行います。
噛み合わせを一例としてご紹介します
入れ歯だけではありませんが、補綴などでも噛み合わせを確認する際、カーボン紙を噛んだり、噛んだ状態で歯を前後左右に動かす時があります。カーボン紙の状態を確認しながら微調整を行うためです。その際に使用するカーボン紙の厚みが薄ければ薄いほど、誤差をなくして噛み合わせを向上させた製作物になります。当院では薄い8ミクロンのカーボン紙で何度も丁寧に調整します。この調整には、30分~1時間ほどかかります。当院の歯科技工士独特の方法ですので、歯医者さんの調整とは少し異なります。
道具の種類で大きな差が出るしっくりくる噛み合わせ
これは、赤や黒色に印記されたカーボンを見ながら、入れ歯の噛み合わせ部分を丁寧に削る道具のバーの先端の種類です。左の2本のバーの先は結構大きいですよね。多くの歯医者さんではこれを使います。
そして、一般的な技工士は中央のバーを使います。私は右の2本のバーを使います。8ミクロンの薄いカーボン紙で印記されたものを削るのは、より細かい先端のバーでないと削れません。ダイヤモンドのブリリアントカットほどではないですが、噛み合わせ部分を細かく丁寧に削るからこそ、しっくりくる噛み合わせになります。
歯の型取りも技工士がチェック
当院では、歯科医師が型取りした型の判断を技工士に任せる体制です。つまり、作り手の技工士がダメ出しできるのです。また、歯科医師が型取りした歯型を、多くの医院ではすぐに石膏を流して型を作りません。しばらく時間を置いたり、放置したままの医院も多いです。すると、型はどんどん変形してしまいます。さらに、当院では、技工士が直接型に石膏を流します。丁寧に正確に一番よい状態で石膏を流して型を作ります。
入れ歯制作を専門とする歯科技工士
当院の院長と歯科技工士は、入れ歯治療を専門とする歯科医院で同僚として出会い、歯科治療に対する思いや志向が一致したことから、共に取り組んできました。そのため二人三脚ともいえる充実した連携によって、満足していただける治療をご提供できると考えています。
歯科技工士が常駐することのメリットとは?
当院では、入れ歯を専門とする歯科技工士が常駐しており、何度も打ち合わせを行いながら、入れ歯などの技工物を院内で作成しています。(ジルコニアなど特殊な技工は、その分野を専門とする歯科技工士に依頼します)
歯科医師は、治療する立場、患者さんのお口の中主体で考えますが、歯科技工士は製作する立場から、技工物や模型など「物」からの視点で治療を考えます。異なる視点から一つの治療を考えるため、患者さんが使用しやすい入れ歯が作れるのです。
また、患者さんの要望が伝わりやすく、直接お口の状態や歯の色などのチェックを行えるため、その内容を十分に反映した入れ歯が作れます。特に審美的なご要望が高い場合、患者さんのご希望や顔立ちなどを的確に把握した上で製作を行います。また患者さんや歯科医師とのコミュニケーションを対面で行うことで無駄を省けるため、歯科技工費を抑えたり、製作期間の短縮が可能です。さらに入れ歯が割れたり、ヒビが入ったり、不具合が起きた場合でも、医師と連携しながら速やかに対応できます。
治療と物作りの職人による相乗効果
歯科医師は治療のスペシャリストで、技工士は物作りのスペシャリストです。当院では、入れ歯のことを熟知した歯科医師と歯科技工士が連携して入れ歯治療を行います。もちろん技工士が作れない差し歯(ジルコニア・メタルボンド・ブリッジ)のみ外注の技工所に出しています。
当院の先生は技工士を尊重しており、患者さんのため、あるいは当院のために、活発な意見交換を行っています。結果として、より良い仕事につながっています。
腕のよい技工士はたくさんいますが、良きパートナーとして取り組んでいる歯科医師と技工士の組み合わせは少ないと思います。特に入れ歯関係では非常に珍しいです。当院は歯科医師と歯科技工士が相乗効果を生み出し、患者さんにご満足いただけることを第一に考えて取り組んでいます。