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最高の入れ歯作りのために

 まず患者さんが「良い」と言えば、それが良い入れ歯だと思います。他の専門家がなんと言おうとそれが「良い」のです。

 入れ歯は鑑賞するものではないので、その見栄えの美しさだけを取って評価は出来ません。患者さんを診ずしてその良し悪しの判断はとても困難なのです。つまり患者さん不在ではそこに評価もなにもないのです。

 入れ歯だけを見て、明らかにこれは悪いと言えるものは限られています。歯科医師によっては初診で不具合を訴える患者さんに「これはひどい入れ歯を入れられましたなあ」などとさも患者さん寄りに意見される人もいますが、優れた先生は決してそんな軽率なことは言いません。その患者さんのことを理解し、最終的に自分の入れ歯が受け入れられるまでは、その入れ歯の改善点を指摘することはあっても、悪く言うことはないでしょう。

 しかしそのような優れた先生でも、いつも受け入れられる入れ歯ができるとは限りません。異物である以上残念ながら患者さんの判定が厳しければ悪い入れ歯になることもあります。その先生が悪いわけではなく、結果として悪いものになってしまうことはあるのです。何人の歯科医師がその先生のものは悪くないと解説し、説明しようとも患者さんが納得しなければそれは悪い入れ歯と定義しないと仕方がないと私は思うのです。

 つまり大切なことは、入れ歯の評価は歯科医師が判断するのではなく、患者さんが判断するものだと思うのです。本人が良いと言えばそれ以上リスクを犯してまで治療する歯科医師はいないでしょうし、いくら歯科医師が教科書的にかめる入れ歯を作っても、患者さんがかめないと言ったらそれは良い入れ歯とは言えないでしょう。

 もちろん出来ないことを出来ないというばかりではなく、工夫して努力を見せるだけでも、結果としては同じでも、患者さんの満足度は全く違います。場合によっては料金が安かったことのほうが、満足度があがるかもしれません。理論ではない部分も存在するということではないでしょうか。

 歯科医師としてのプライドに固執しすぎると、こういったところが見えなくなってくるので、私も気をつけています。正しいことを説明することや、相手を否定することよりも、まず受け入れることの難しさは日々痛感するところです。



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