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2017年6月15日

世界中から患者さんがやってくる

歯科技工士の関戸です。
今回は、日頃から私が歯科医療に関して思っていることを自由に書かせていただきます。

『物づくりニッポン』と言われてきたように、日本人は物づくりが得意で、特に手先が器用で、細かい作業にも向いているというイメージがあるのは、皆さんも同感だと思います。最近では、テレビ東京の和風総本家という番組や、テレビ朝日の世界が驚いたニッポンスゴ~イデスネ視察団など、世界に誇れる日本の技術力を紹介した番組もたくさんございます。和風総本家を見ていると、私なんて職人の端くれにすぎないのですがたびたび涙ぐんでしまいます。日本の技術力の高さは、日本人として非常に誇らしいことだと思います。
 
 歯科医療のほうでも、私はドクターではなく技工士ですので、歯科技工について言いますと、日本の歯科技工もレベルが高い技工士がたくさんいて、海外から呼ばれている技工士も大勢いらっしゃいます。
 
 ただ、やはり日本国内は保険診療が主流ですので、レベルの高い技工士は全体の中のほんのごく一部でそんなに多くはないと思います。保険診療の仕事は、まず質よりも量ですので、そういう仕事を続けていると、自然と質は下がっていきます。しかも料金は非常に安いので、どれだけ素晴らしい技工物を作っても収入が上がるわけではないですから、必然的に最低限のものしか作らなくなっていきます。当院に来院されるほとんどすべての患者さんの口の中にも、あまり質がいいとは言えない、保険で作ったものが入れられています。
 
 ひとことで言いますと、先進国としてこれだけ発展している日本なのに、日本人の口の中は、発展途上国並みです。世の中にブランド品や趣味・し好品は数知れずありますが、口の中の詰め物やかぶせ物、入れ歯は、非常に質の良くない物が多いです。使われている材料の問題もありますし、技術の問題もあります。

 では、なぜそのような状態なのか?勝手な意見かもしれませんが、私なりに言いますと、安かろう悪かろうの、保険診療が基本になっているからとしか考えられません。1年目でも30年目でも同じ料金で作らないといけないですし、材料も作る物も国に決められているような状況で、よりよい物を提供することは、不可能に近いのです。5年、10年、数十年と使って行く詰め物や入れ歯が、アルバイトの時給よりも低い単価で作らないといけないような現実があります。保険診療はそういう意味で、良い治療とは言えないものだと私は思っています。

 簡単にまとめますと、歯科医師の技術も、歯科技工士の技術も何年経っても上がっていかないようなシステムになってしまっています。

 これは非常にもったいないことです。本来力のある日本人が自らの力が発揮できないような状況になっているのです。日本人は手先が器用で、いろいろなものを加工したり装飾したり、付加価値をつけていくことがとても得意です。歯科治療も歯科技工も、もっと自由に患者さんに合わせて創意工夫ができて、材料も設計もすべて、より質の高いものを求めて技術力を上げ、患者さんに喜ばれるようなものやサービスが提供できるような環境になれば、魅力的な歯科医院がたくさん増えて、患者さんももっと満足されると思うのです。

 今は、保険診療が主流なので高い技術力が求められているわけではないですが、自由に考えて提供できる自由診療が主流になれば、技術力は格段に上がっていきます。かける費用は高くなるけれど、快適に使えて長持ちして歯が悪くなることも少なく、安心安全に過ごせるというのは、テレビで紹介されている日本人の職人が作った質の高い道具が世界の国々で長年重宝されているのと同じように、素晴らしいことだと言えます。

 そして、細かい作業の連続である歯科医療は日本人にとってはある意味で最適な仕事です。国をあげて、歯科医療の高度化に取り組めば、私は、『物づくりニッポン』の再来ではないですが、世界でも最高レベルの歯科医療の国になって、「歯を治療するなら日本へ行け!!」と言われるくらいにまでなる可能性もあると思っています。

 これは大きな変化でありすぎて、現在の小さな小売店のような歯科医院ばかりの状態ではなかなか難しいかもしれません。スポーツの世界でオリンピック選手を生むためにJOCエリートアカデミーというのがありますが、素晴らしい歯科医師・歯科技工士を育成するための歯科アカデミーもぜひ作っていただきたいと思います。物を小さくしたり、複雑なものを作ったり、付加価値をつけていく仕事は、日本人が秀でている分野で世界の中で頂点をとり、世界から十分に収益も上げられる分野だと思います。日本人の仕事は丁寧で正確で、そしてきれい好きなので衛生的です。実は、一般的な商品やサービスに求められる要素の多くが歯科医療の中にもつまっているのです。それが今まで制限されてできなかったというだけなのです。厚生省の国民の意見募集の所にも意見を送っていまして、ぜひとも歯科医療を世界に誇れる日本人の得意分野にして、世界中から患者さんがやってくるようになってほしいです。

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プライベート歯科横濱
院長 脇田一慶

院長 脇田一慶

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http://www.ireba-yokohama.com/

入れ歯治療は、歯科治療の多様な診療技術が盛り込まれた、いわば歯科治療の真髄ともいうべき分野です。私は、研究者として入れ歯や歯科治療について知り尽くしていると自負し、将来を見据えた価値のある入れ歯治療に取り組み、現在も日々研鑽し学び続け、常に最善の治療をご提供できるように努力しています。

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