嘔吐(おうと)反射の強い患者さん
入れ歯を作るうえで、型どりをするのも大変なくらいの、嘔吐反射の激しい患者さんが時にいらっしゃいます。入れ歯を作ったとしても、入れ歯が入れられるかな?と心配になるくらいの患者さんもいます。
耳鼻科で治療のために薬をのどの奥に塗る時に「オエーッ」とえずくのは、よくあることですが、のどの奥ではなく、かなり手前の奥歯の近くから上あごの天井部分でも、「オエーッ」となる人はいます。
このような患者さんの場合には、だいたい総入れ歯であっても上あごの天井をすべておおうのは無理なので、馬蹄形といって天井をくりぬいた形の入れ歯になります。
上の入れ歯は本来なら天井部分をすべておおうような入れ歯がしっかりとしていて、食べ物も食べやすいですし安定しますが、入れられない場合にはどうしようもないので、くり抜いた形の入れ歯にします。
多少入れ歯がぐらつきやすいですし、はずれることもあるかもしれないですが、かみ合わせをしっかりと調整すれば、充分使える入れ歯になりますし、慣れていくかと思います。それがどうしても慣れない場合には、今では入れ歯安定剤というものも市販されています。これは毎日毎日つけ直さないといけないですが、粘着性がありますので、入れ歯は比較的とまりやすいです。
ただし、歯ぐきにぴったりあった入れ歯でないと歯ぐきに悪影響が及ぶかもしれないので、入れ歯はきちんとしたものをお作りください。
これまでも嘔吐反射の強い患者さんはいましたが、一旦入れ歯を入れてみると、意外に慣れて大丈夫ですという人もたくさんいらっしゃいます。ほとんどの人は、生まれてから一度も上あごの天井部分にモノを入れるということはないので、最初はびっくりされる人もいますが、これでいくしかないという決意をされて、1週間入れ歯を入れてみたら、適応して使えるようになりましたという感じの方が多いです。
最終的には、入れ歯のかみ合わせも安定してくると、少し上あご部分をくりぬいても入れ歯は動かないので、できるだけギリギリの範囲までくりぬいて使っていただくようにします。
上あごの部分は食べ物や飲み物を食べた時に、味を感じる重要な部分なので、何もなければそれに越したことはないですから、何度も調整しながら一番ベストな位置までくりぬいていくことで入れ歯生活も快適になると思います。
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